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日本、世界での存在感低下 ジワリ衰退 危機感薄く

この20年-長期停滞から何を学ぶ

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この20年、日本は「緩慢なる衰退」を続けている。バブル崩壊後の不良債権処理を長引かせた末、いまだにデフレから抜け出せない。政治は混迷し、改革は先送りされたままだ。金融危機に見舞われた米欧は長期停滞を避けようと日本の失敗に学ぼうとしている。世界経済の歴史的転換のなかで日本は「失われた20年」から脱却できるか。戦後最大の岐路を迎えている。(本社コラムニスト 岡部直明)

金融処理で13年

戦後世界を驚嘆させた経済大国は何を間違えたか。成功のおごりか。痛みを先送りする「根拠なき楽観」か。問題は日本人の多くがこの危機に危機感を覚えなくなっているところにある。

冷戦終結でグローバル経済が大転換した時代に日本国内では不良債権処理がもつれにもつれていた。1992年8月、宮沢喜一首相が打ち出した公的資金投入は経済界、旧大蔵省、メディアに反対され、あっさりお蔵入りになる。

それを最初のつまずきとすれば、住宅金融専門会社(住専)の処理は第2のつまずきだ。大蔵省銀行局長として批判の矢面に立った西村吉正早大教授は「もっとうまく収拾していたら、その後の公的資金注入もスムーズだったかもしれないが、住専問題は1度は受けなければならない洗礼だった」と述懐する。

 98年10月、柳沢伯夫金融再生担当相は就任していきなり、日本長期信用銀行の破綻に直面する。「宮沢蔵相をはじめ、大銀行の破綻は避けたいとの声は強かったのだが」と漏らす。金融危機の収拾を巡って、政府内は対立する。

柳沢氏は「やってもやっても、もっと不良債権処理を、もっと公的資金注入をといわれた」と語る。金融不安の増幅を警戒する柳沢氏に対し金融担当を兼務することになる竹中平蔵経済財政相は厳しい検査に基づく大胆な不良債権処理と公的資金注入を求めた。

その竹中氏が金融危機回避の瀬戸際で取ったのは現実主義だった。2003年5月、厳格な会計処理で資本不足があらわになった、りそなに対し、株主責任を問わずに公的資金を注入する。「大きすぎてつぶせないというルールに沿った」と竹中氏は述懐する。りそな救済を機に株価は反転し、好循環が始まる。

それにしても不良債権処理には13年もかかった。日本がもたつく間にグローバル経済は回転速度を上げていた。

税制改革は先送り

「なぜ日本は冷戦終結、グローバル化という大転換を強く意識できなかったか。それは冷戦時代に緊張感がなかったからではないか」と行天豊雄国際通貨研究所理事長(元大蔵省財務官)は分析する。

改革の遅れはそれを示す。竹中氏は「小泉改革の後の政権で改革が続かずに中断された。危機が去ったと思って、政府も民間も改革マインドが緩んだ」と指摘する。

マクロ政策の失敗も大きかった。バブルの発生から崩壊、デフレ進行下で金融政策は揺らぐ。失敗を取り返そうとして次の失敗を生んだ。「緩めすぎ、締めすぎ、緩め遅れ」と行天氏はいう。速水優日銀総裁の時代はゼロ金利解除を焦り、結局、未踏の量的緩和に足を踏み入れた。デフレ脱却に「非伝統的手段」は当然だが、金利機能が働かない金融政策が日本経済の構造改善を遅らせたのも事実だ。

 税財政政策の失敗は超高齢社会に向かう日本経済に負の遺産を残した。企業がバランスシート調整を急ぎ、「合成の誤謬(ごびゅう)」が生じるなかでは財政の下支えが必要だが、繰り返される財政頼みは先進国最悪の長期債務残高として積み上げられた。

何より本格的な税制改革を実行できなかったことが経済の活力と財政の健全性を損なった。先進国最低クラスの消費税率(5%)と最高水準の法人税率(40%)は何を物語るか。「政治の怠慢の一言につきる」と与謝野馨たちあがれ日本共同代表は反省する。

政治の混迷は「失われた20年」と深くからむ。永田町の権力闘争と理念なき野合、20年で14人という「首相の生産性の高さ」は日本の国際的な信認を失墜させた。

リーマン・ショックを経てグローバル経済の歴史的転換が本格化している。米欧からアジアへのパワーシフトは鮮明だ。サマーズ米国家経済会議委員長はこの大転換を「冷戦終結が小さくみえるほど歴史的だ」と考える。日本は改革でアジアの時代に好機を見いだすか。それとも内向きに傾斜して「緩慢なる衰退」から大停滞への道をたどるか。重大な選択を迫られている。

 「失われた20年」ともいわれる1990年代以降の日本。「この20年―長期停滞から何を学ぶ」では経済や企業から政治や国際的な存在感まで日本がどう変わったか、そこからどんな教訓をくみ取ればいいかを探ります。

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