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変わる「社歌」 再びブームの兆し

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「社歌」がブームになりつつある。社員の士気高揚や団結力強化のため、朝礼で職場のみんなが声をあわせて歌っていたのは昔の話。「会社のため」から、社員が楽しむ「社員のため」というのが現代流だ。広告やPR手段としても活用する「社外用の社歌」の色彩も濃くなってきた。

第4次ブーム前夜

大成建設キヤノンといった大手企業の社歌を紹介した著作「社歌」がある作家・ジャーナリストの弓狩匡純さんによると、社歌はこれまでに何度かのブームがあった。経済が絶好調時か、不況時にブームが到来している。弓狩さんは「景気が良いときは更に頑張ろう、勢いを付けようというので『社歌』を作る。景気の悪い時はみんな一致団結して頑張ろうとテーマソング、主題歌を作って組織をまとめるという傾向がある」と話す。

第1次ブームは戦前の昭和ヒトケタ時代。世界恐慌から生き残りをかけて社員の結束を促すために多くの大企業が社歌を作った。以来、経済の浮沈のたびにバブル期の3次ブームまであった。「景気回復がいまひとつ実感できない今は第4次ブームの前夜かもしれません」(弓狩さん)。社内のコミュニケーション活性化が経営の重要な課題。社歌のブームは社内運動会や社員旅行が復活しているのと同じ流れなのかもしれない。

海外に多くの社員を抱えるグローバル企業で社歌が活用されている。パーティーやキックオフミーティングなどで斉唱。社員が企業の思いを理解し団結を強める効果として、歌はうってつけのツールになっている。NTTデータは2013年5月にグループの歌「NTT DATA One Song-Shine like the sun」を作成した。前年の12年秋に就任した岩本敏男社長が社歌づくりを提案した。世界で活躍するグループ社員6万人の心をひとつにする課題があったという。実は岩本社長は長野県出身。同県には「信濃の国」という有名な県歌があり、県民なら誰でも歌えるほど浸透している。県民の集まりで必ず歌われるほどだ。歌が持つ求心力を身をもって体感していた社長の意識が根底にあったのだろう。

全社員を対象にしたアンケートを通じ歌詞に込めたい思いやフレーズを募った。NTTデータの言語解析エンジン「なずきのおと」で解析・集計した。NTTデータの創業25周年の13年5月23日に発表した。歌詞は日本語と英語版があり、日本や欧米、アジアのグローバルビジネスの人が集まるイベントの親睦会で歌われている。電話の保留音、研修所の朝のBGMにも使われている。歌の制作を発表した時に、商品である言語解析エンジン「なずきのおと」の名前も登場。「商品の認知度が向上した」(広報室)といい、社歌づくりと自社のテクノロジーのアピールを両立させた。

有名アーティスト起用も

有名アーティストを起用した社歌も多い。キッコーマンは10年に「おいしい記憶」「おいしいってなあに?」の2つの社歌を制定した。創業以来、3代目の社歌となる。08年6月に新コーポレートブランドを導入、09年10月に持ち株会社制へ移行と、グループ経営の基盤を整備する中、社歌を通じてグループ社員一同が食への思いを共有する。作詞は秋元康氏、作曲は大島ミチル氏というビッグネームに依頼した。盛り込みたいキーワードを社内から出し、社員にとってもなじみのあるものに仕上がったという。歌うのはNHK「おかあさんといっしょ」でうたのおねえさんとして活躍した茂森あゆみさん。

なぜ2つあるのか。「2つ出てきた案がいずれも素晴らしく両方作ることにした」(コーポレートコミュニケーション部)。「おいしい記憶」はコーポレートスローガンに掲げる「おいしい記憶をつくりたい」という社員の思いをストレートに表現した。「おいしいってなあに」は食への想いを、こどもにも分かる平易なことばで表現している。「おいしい記憶」はグループ社歌として社内行事向け、「おいしいってなあに?」はキッコーマンのうたとして食育活動など社外の人を対象にしたイベント時に使っている。東京本社では朝9時の始業前、2つの社歌が曜日ごとに流れる。カラオケにも配信されている。

ローソングループは11年に布袋寅泰氏が作詞作曲した「Heart to Heart」を作った。本社では午前9時の始業前に流れる。

♪今日も笑顔分かち合って 心 繋げよう

ポップス調の曲調にあわせて歌詞に企業理念がしっかりと入っている。

社歌と言えば古臭い。そんな先入観を覆すように、若い世代には「会社に歌があるなんてカッコいい!」と受け入れられている。上司から無理やり歌わされたトラウマのある中年社員とは違った食いつきを見せているという。キッコーマンが社歌を制定した年の新入社員を対象にしたアンケート調査では「すてきな社歌が完成した年に入社できて誇りに思う」「仕事に迷ったときは社歌に戻りたい」など前向きな反応が多数寄せられたという。

社歌制作サービス「社歌制作ドットコム」を提供するアイデアガレージ(東京・新宿)には年間10~15の社歌制作依頼が来る。西尾竜一社長は「最近は社員が共感できる『社員のための社歌』が増えてきている」と指摘する。営業で成果をあげたときの「ハイタッチ」など、社内で日ごろ使っている言葉を盛り込む歌が多い。

背景について西尾さんは「企業と働く人の関係が見直されていると感じている」。きっかけは2011年の東日本大震災。従業員が企業と自分の関係を見つ直したり、企業に所属する意義に気づいたりしたという。経営者側の意識も変わってきた。以前は周年記念が多く、株主を意識していたのが、最近は社員が原点に帰る、理念の再認識のために使っている。M&Aやグループ拡大に伴い、社歌を作り直す企業も多い。

企業にとってテレビCMに比べると低価格で制作できるメリットも見逃せない。アイデアガレージの場合、最低50万円からで平均100万円前後の契約が多い。イベントや販促など多様な用途で長く使える。

曲の制作サイドのメリットもある。契約形態は様々だが、一般的に企業が使用権を買い取る場合が多い。「CDを出しても売れない今、曲を提供する側にとって一定の金額が入るという、うま味はある」と関係者は明かす。

中小企業にも広がる

社歌を作るのは大企業だけではない。東京都江東区の地下鉄半蔵門線・清澄白河駅近くで今年9月にオープンした美容室「Infinity」が社歌の制作に取り組んでいる。鈴木達也最高経営責任者(CEO)は「前々から何か記念を残したいと思っていた。忘年会などのイベントで盛り上がれそう」と制作の狙いを話す。大手美容室チェーンの表参道や銀座の店舗で働いた後、30歳で独立した。1年後にさらに1店開く予定だ。「社歌でお客さんに対する感謝の気持ちも伝えたい」(鈴木さん)

「社歌を紹介することで、元気な中小企業に注目を!」――。日本の中小企業を応援するサイト「HANJO HANJO(ハンジョー・ハンジョー)は今月下旬から「中小企業社歌コンテスト」を開催する。今年の中小企業白書によれば、中小企業の経常利益は過去最高水準。だが、人材不足は変わらず。社歌が見直されることで、お金がなくても夢はある中小企業が人を惹きつける一助になるかもしれない。(村野孝直)

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