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Jリーグが変わる? 判定の精度あげる追加副審

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Jリーグは5月からJ3の毎節1試合で追加副審(AAR=Additional Assistant Referee)を試験導入している。得点の有無、ペナルティーエリア内の事象に対する判定の精度アップを図るもので、両サイドのゴールライン後方に追加副審が1人ずつ立ち、主審をサポートする。

審判団6人、欧州CLで導入済み

2009~10年シーズンの欧州リーグなどでのテストを経て、国際サッカー評議会(IFAB)は12年に追加副審の導入を認めた。欧州チャンピオンズリーグ(CL)が採用しているので、おなじみだと思う。追加副審を置くと審判団は6人体制になる。

Jリーグでは昨季、「PKでは?」や「ゴールでは?」など、議論になる判定が相次いだ。それをきっかけに、Jリーグとしても判定の向上のために協力していこうという声が高まった。

Jリーグには、クラブが判定に疑義がある場合、Jリーグを経て日本サッカー協会の審判委員会に質問書を提出できる制度がある。その内容を調べたところ、PKを巡る判定についての質問書が最も多かった。それなら追加副審を置いてはどうだろうということになり、日本サッカー協会の承認を得た。

当然、追加副審には主審とは違う技能が求められる。5月上旬、約40人の審判員が追加副審の研修会を3日間、実施したうえで、同22日のG大阪U-23―相模原戦からテスト運用に入った。

その試合で追加副審を務めた一人の扇谷健司さんによると「いつもと全く違う景色が広がっていて、試合後は異質の疲労が残った」という。

ゴールラインの後方からプレーを追ってみると、主審の背後に広い死角があるとあらためて感じたそうだ。主審と追加副審が視野を補完し合えば、その死角をできる限りなくせるはずだ。

J3のテスト経て天皇杯決勝でも採用

CKの際の小競り合いには追加副審が目を光らせてくれる。そのおかげで主審はボール周辺のプレーに集中できる。得点かどうかは追加副審が判定するので、副審はオフサイドかどうかに集中できる。この共同作業により、間違いなく判定の精度は上がるはずだ。

5月22日の試合ではゴール前のきわどいシーンが一つもなかった。追加副審の「出番」はなかったらしい。

しかし、追加副審を置いたことで監視の目が増え、それが選手へのけん制になったのかもしれない。審判を欺くような小ざかしいプレーの予防につながるのだとしたら、追加副審導入のメリットは大きい。

J3でのテストを経て、ナビスコカップの準決勝、決勝、J1チャンピオンシップ(CS)、天皇杯の準決勝、決勝で導入することになっている。

判定に関して、今季はもう一つ大きく変わることがある。IFABは3月の総会で競技規則の歴史的な大改正を決めた。

その一つがいわゆる「三重罰」の緩和だ。従来、ペナルティーエリア内で決定的な得点機会を阻止する反則をしたら、その選手はレッドカードで退場、次節は出場停止となり、攻撃側にはPKが与えられた。反則を犯した側は重い罰を受けてきた。

退場処分の適用が緩和される新規則

しかし、今回の改正により三重罰は原則的になくなる。ボールにプレーしようとした、あるいはボールに向かう相手に挑んだ結果の反則の場合は、退場ではなく警告(イエローカード)にとどめることになったのだ。

これにはただし書きがある。ボールにプレーしていなかった、あるいはボールに向かう相手に挑んだ結果ではなかった、相手を抱えたり、押したり、引っ張ったりした、場所がどこであろうとレッドカードで罰せられる重い反則(著しく不正なプレー乱暴行為)をした場合は、これまで通り退場になる。

一度、読んだだけではよくわからないかもしれない。選手、チームにとって罰則の緩和であるのは間違いないが、どちらのカードを出したらいいのか、審判にとっては判定の難易度がかなり上がると思われる。

この新しい競技規則は6月1日から全世界で施行されたが、J1では7月2日の第2ステージ第1節から適用する。

今回はほかにも「キックオフはどの方向に蹴ってもいい」「警告や退場となる反則を受けてケガをした場合、素早く処置を完了できるならばフィールド上で治療を受けられる」など大きな改正点が多い。

映像をチェックする副審も試験運用

そこにはビデオ副審(VARs)の2年間の試験運用を認めるという項目も含まれる。ビデオ副審とは試合中に映像でプレーをチェックする副審のことで、試合を決定づける判定である「得点、PK、退場、警告・退場を出した相手の誤り」について主審に勧告する。

先日、どのように運用するかについての説明会がアムステルダムで行われ、Jリーグからは藤村昇司特命担当部長が出席してきた。テニスやアメリカンフットボールのように、選手・監督が審判に映像による判定のチェックを要請することはできない。

反則に当たる行為があったからといって、主審がすべて笛を吹いてプレーを止めるべきではないからだ。反則を受けた選手に立ち上がってプレーを続行する意志があるなら、そのまま流すのが筋であり、それがサッカーの本質だろう。

refereeのreferには「参照する、参考にする」という意味がある。もともとは、両チームの判定を巡る意見が対立したときだけ、審判に参考意見を求めていたらしい。それが審判の始まりだという。主体はあくまで選手であり、選手にプレー続行の意志があるなら、審判が介入する余地はない。

主審は選手のその意志を読み取る必要がある。ボールがゴールラインを割ったかどうかは機械的に行われていいが、プレーを止めてFKを与えるべきかどうかは、それではまずい。すべてが機械的になるとサッカーの面白みが薄れてしまう。

ビデオ判定に関しても、選手の意志を読み取り、尊重したものにしないと、試合をうまくオーガナイズできない。映像がすべてという機械的な判定にはしてほしくない。テクノロジーに頼った判定方法を優先すると、審判の技量が向上しにくくなるのではないかという懸念もある。

厳しい環境で求められる満点の判定

審判の心身に掛かる負担は時代が進むにつれ、重くなっている気がする。現代サッカーではプレーのスピードはどんどん速くなっている。

Jリーグでもサッカー専用スタジアムが増え、観客がピッチに近いところで試合を観戦するようになってきた。それはつまり、審判の判定についても観客の目が届きやすくなったということだ。

微妙な判定についてはテレビ中継でこれでもかと繰り返し流される。テレビの画質が飛躍的に向上し、細かいところまでも良く確認できる。試合の映像はYou Tubeなどですぐにネット上に流れる。こうした厳しい環境下で審判には100点満点の判定が求められる。

もちろん審判は技量の向上、フィジカル面の強化に日々、努めている。日本では研修会が年10回を数える。国際サッカー連盟(FIFA)の基準に合わせたフィットネステストも年2回、実施されている。毎試合、審判アセッサーが判定をチェックし、いわゆる人事考課がなされている。

しかし、判定の精度アップのためには、個々の技量に委ねるのではなく、制度そのものを強固にしていく必要がある。そのための追加副審、ビデオ副審の導入であり、審判団が補い合って判定の精度を上げていこうという流れになっている。

おそらくビデオ副審の導入も、選手のあざむくプレーの予防になるだろう。それはサッカーにとって大きなプラスになる。

(Jリーグチェアマン)

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