東京・兵庫に集中 大阪から本社移転の508社 94~14年度
大阪府が1994~2014年度に本社を府外に移した企業508社を調べたところ、転出先は東京都が39%にあたる198社と最も多く、次いで兵庫県が24%の121社だった。転出企業の業種は東京は卸売・小売業、兵庫は製造業が目立つ。大阪企業の流出は地域経済に影響が大きいと府はみており、調査を企業支援に生かす。
経済産業省の企業活動基本調査を基に、従業員50人以上で資本金または出資金が3000万円以上の61万社を対象に調べた。本社転出先はこのほか京都府と滋賀県が27社(5%)。兵庫、滋賀、京都への転出について大阪府は「物流、交通網の発達に伴い、地価の安い地域に移転した」とみる。東京への移転理由は「今後調べる」というが、取引先や顧客が多いことなどが影響したとみられる。
同じ業種でも売上高が多い企業は東京都に、少ない企業は兵庫県に転出している。一方、同時期に府内へ転入した企業は269社で府外へ転出した企業が転入企業を239社上回った。
調査期間の後も大阪府からの本社移転は続いているとみられる。17年4月、ジャスダック上場で射出成型の精密部品製造のアテクトは東大阪市から滋賀県東近江市に本社を移した。本社工場が手狭になったため他社の工場を購入して改修した。
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