アイルランド製薬シャイアー、米NPS買収 6100億円
【フランクフルト=加藤貴行】アイルランドの医薬品大手シャイアーは11日、米バイオ医薬品のNPSファーマシューティカルズを52億ドル(約6100億円)で買収すると発表した。シャイアーは昨年、米同業アッヴィに買収されることで合意したが、その後白紙になった。希少疾病に特化した事業モデルが似ているNPSを傘下に収め、単独での収益向上を図る。
シャイアー、NPS双方の取締役会が全会一致で合意した。シャイアーはNPS株の9日終値に10%上乗せした1株あたり46ドルで全株式の取得をめざし、今年3月までに手続きを終える予定だ。
NPSは腸の切除手術などで消化吸収が悪くなる短腸症候群の治療薬が主力。足元は研究開発投資の負担が重く赤字だが、2012年に同治療薬が米国で発売され、欧州などにも広がり今後の収益拡大が見込まれる。シャイアーは買収で胃腸疾患の治療薬を拡充し、世界各地に持つ販路を生かす。