難民不認定で異議 最多の3120人 15年、審査未処理1.3万人
法務省は2015年の難民認定者数などの確定値を公表した。不認定処分に異議を申し立てた人は前年比587人増の3120人で過去最多。申請自体が増えたためとみられ、認定の可否の結果を待っている人は全体で1万3831人(15年末時点)に上った。
難民申請者は5年連続増加の7586人で過去最多。認定された人は14年より16人増えて27人だった。
法務省によると、現地政府が非合法としている政治組織で活動し、身柄を拘束された経歴から、帰国すると迫害を受ける恐れがある人らを難民として認定した。一方、自分と異なる宗派から脅迫され、帰国すると殺害される恐れがあるとして申請した人が「政府が宗派対立の収束を図り、放置している状況ではない」との理由で不認定としたケースもあった。
10年の制度改正で難民申請から6カ月経過すれば一律に仕事に就くことができるようになった。法務省によると、改正以降、明らかに難民の要件を満たさない人の申請も相次いでいるという。〔共同〕