「知事失格」「あまりにせこい」 都議会、舛添氏批判一色に
東京都議会で7日に代表質問が行われ、政治資金流用疑惑など一連の問題を巡る舛添要一知事への追及が始まった。与野党問わず、各会派は「知事失格だ」「あまりにせこい」などと厳しく批判。質疑の大半がこの問題に費やされた。「心から反省している」と陳謝しつつも改めて続投を表明する舛添氏に、都民からは「答弁がよく分からない」と不満が聞かれた。
「政治資金を家族との娯楽費にあて姑息(こそく)」「ミステリー小説などが、政治活動のわけがない」
追及の的となったのは、政治資金の「公私混同」だ。これまで慎重姿勢を示していた知事与党の自民、公明も世論を踏まえてこの日は厳しい姿勢を見せた。
舛添氏が弁護士に依頼した政治資金の調査結果では美術品や書籍のほか、飲食費や宿泊費などの一部が「私的なものだった可能性が強い」として不適切と判断された。
舛添氏は答弁で「当時は(新党改革の)代表という慢心があった」と謝罪。飲食費などを返金し、政治資金で購入した美術品を寄付する考えを示した。今後は政治団体の会計責任者を、事務所関係者以外の専門家に依頼するとも説明した。
ただ政治資金規正法は政治資金の使途について明確な規定はなく、調査では違法性が否定された。質問者は「違法性がなければいい、ということにはならない」などと指摘したが、追及は決め手を欠いた。
別荘通い、美術館への訪問……。舛添氏の公用車の使用方法もやり玉に挙がった。
舛添氏は昨年9月、鬼怒川の堤防が決壊するなど関東地方で記録的な豪雨が発生した際、公用車で神奈川県の別荘に向かった。都議が「都民の命を預かる知事が、毎週のように都を離れるとは」と批判。舛添氏は「危機管理が極めて甘かった。深く反省している」と非を認めた。
別荘は今後、売却する考えを示しているが、「本当に売るつもりがあるのか」と疑問が呈された。
野党の一部は「速やかに辞任すべきだ」と要求。ただこの日も舛添氏は「不退転の決意で信頼回復に向け、仕事にまい進していく」と繰り返し、辞任を改めて否定した。
「再三にわたる警告が裏切られてきた。いつでも警告に代わる処置を講じる用意がある」。与党会派からも地方自治法に基づく百条委員会の設置や、不信任案の提出などを示唆する質問が飛んだ。知事としての資質を問う声も多かったが、舛添氏は「反省している」との答弁に終始した。