日経サイエンス  2003年4月号

ヘルシーな食事の新しい常識

W.C. ウィレット M. J. スタンファー(ハーバード大学)

 1992年,米農務省(USDA)は望ましい食品のとり方を示すフードガイドピラミッドを発表した。健康を維持し,慢性疾患のリスクを減らすため,このピラミッドに従って食品を選べるようにすることが目的だった。

 

 フードピラミッドで推奨する内容はまもなく国民の間に広まった。脂肪と油の摂取量を最小限に抑え,複合炭水化物を多く含むパンやシリアル,米,パスタなどの食品を,1日に6~11サービング(訳注:サービングは食品ごとに定められた摂取量の単位で,食パン1枚,牛乳1杯,卵2個などと決められている)食べるべきだというものだ。また,野菜(複合炭水化物が豊富なジャガイモを含む)や果物,乳製品を多くとり,肉・豆類(牛肉や豚肉,鶏肉,魚,ナッツ,豆,卵など)から1日に少なくとも2サービングを食べるのがよいとされていた。

著者

Walter C. Willett / Meir J. Stampfer

2人はハーバード大学公衆衛生大学院の疫学・栄養学教授。ウィレットは栄養学部門,スタンファーは疫学部門の長を務めている。2人はともにハーバード大学医学部の教授でもあり,自らが説く,よく食べ定期的に運動するという生活を実践している。

原題名

Rebuilding the Food Pyramid(SCIENTIFIC AMERICAN January 2003)

サイト内の関連記事を読む

キーワードをGoogleで検索する

飽和脂肪不飽和脂肪精製炭水化物インスリン心臓病ガンDHAEPA