26日に自殺した元TBSアナウンサーでフリーの川田亜子さん(29)が、最後に出演したテレビ番組で自殺をテーマにした特集が放送されていたことが波紋を呼んでいる。番組は24日放送のテレビ朝日「サタデースクランブル」で、富士山・青木ケ原樹海の自殺志願者を同番組の取材ディレクターが説得する内容だった。26日に東京・港区の路上に駐車した車内で発見された川田アナは、練炭で自殺を図ったとみられている。

 約15分の特集で、アシスタントの川田アナの発言機会はなかったが、それまでのコーナーでみせた明るさから一転して、硬い表情のままかすかにうなずくだけだった。コメンテーターの「自殺志願者は何らかのサインを出している」とのコメントもあった。同局は31日の放送は川田アナの後任を置かず、その後については検討していくという。

 また、5月に入り、川田アナは自分のブログで再三、体調不良などを訴えていたが、自殺報道以降、800件以上のコメントが寄せられた。ただし、掲載された多くは「頑張って」「大好き」「あこがれてます」など追悼にはほど遠い、類似の言葉が並んだ。

 同ブログを運営するサイバーエージェントでは、同社がコメントを操作したり自動書き込みしたことは否定。今回、追悼書き込みも含め、自殺関連のコメントは、衝撃の大きさからすべて削除する措置をとり27日未明以降、コメントの書き込みを停止した。類似コメントが並んだ件については「削除の結果、自殺に関連しないコメントだけが残ってしまった可能性は考えられる」とした。ただし、違和感のある状態に、同日夜までにすべてのコメントが削除された。川田アナが苦悩を打ち明けるほど大事にしたブログは、悲報とともに混乱した。