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キムタクが日本アカデミー賞辞退

来年2月16日の日本アカデミー賞授賞式で司会を務める吉永小百合と関口宏
来年2月16日の日本アカデミー賞授賞式で司会を務める吉永小百合と関口宏

 第30回日本アカデミー賞の優秀賞が19日、都内で発表され映画「武士の一分」の木村拓哉(34)が優秀主演男優賞を辞退したことが発表された。「賞レースには参加しない」という所属のジャニーズ事務所の方針を貫いたためだが、水面下で行われるはずの辞退者が発表の席上で公表される珍しい事態になった。最優秀賞を発表する授賞式は、来年2月16日に行われる。

 「武士の一分」は、優秀作品賞や山田洋次監督の優秀監督賞をはじめ、優秀主演男優賞以外の対象全13部門で受賞した。木村の辞退を発表した日本アカデミー賞協会の富山省吾事務局長は「これだけ受賞されたので、ぜひスタッフやキャストの全員で(木村に)レッドカーペットを歩いていただきたかった」と、無念そうに話した。

 辞退理由は「最優秀賞を競う場には出させたくない」という、ジャニーズ事務所の意向だった。日本アカデミー賞協会は、同映画の配給会社松竹から間接的に受賞を知らせていたが、発表前日の18日に正式に辞退の連絡が入った。同賞は02年に映画「ホタル」の高倉健(74)が「若手にチャンスを」との考えで辞退している。しかし、会見で富山事務局長は「こんなことは前代未聞」と間違えて説明。ショックの大きさがうかがえた。

 ジャニーズ事務所にとっては当然の選択だった。映画に限らず歌や各ジャンルの賞レースに不参加を続けている。契機は90年の日本レコード大賞にさかのぼる。当時「お祭り忍者」でデビューした忍者が、希望の演歌・歌謡曲部門ではなく、ロック・ポップス部門にノミネートされたことを不服として辞退。87年には、近藤真彦が母親の骨つぼを盗まれ「レコ大を辞退しろ」と脅迫された。

 トラブルに巻き込まれたのもきっかけだったが、同時に同事務所内には「所属タレントに優劣をつけない」との方針も生まれた。SMAP、TOKIOなど人気グループを複数抱えるため、国内の賞レースでは所属タレント同士で競う場合が毎年のように生まれる。身内のランク付けを避けるため、不参加の方針が貫かれている。ただし、海外の賞について個人が賞の対象になった例がなく、対応は決まっていない。

 実は高倉以外にも、授賞式の日程の都合などで受賞を辞退した例はある。しかし、ほとんどが水面下で処理され、公表されることはなかった。木村の場合、注目度の高さから事務局側に踏み切らざるを得なかった背景もあった。優秀主演男優賞は次点者が繰り上がり、従来通りの5人が選出された。

[2006年12月20日8時44分 紙面から]

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