blank
その他
TOP TOP blank
『NEW SPACE ORDER』について blank 『NEW SPACE ORDER』の世界 blank ギャラリー blank ダウンロード blank その他
blank
スタッフより
blank
過去の「スタッフより」
blank

【 2005年 1月〜6月 】

blank
2005/1/7 傾いたパワーバランスの逆転

護衛艦の攻撃  あけましておめでとうございます。
 今年も『NEW SPACE ORDER』を宜しくお願いします。

 前回、ご説明しました様に、射撃戦の『NEW SPACE ORDER』は近接戦よりも、 戦闘結果がより明確になり易く、一戦一戦が重要になりました。 戦いの勝者はより大勝する事ができ、爽快感が増します。
 しかし、良い点が伸びれば、表裏一体の悪い点も比例し伸びてしまいます。 悪い点とは、「序盤の攻防の優劣が、全体の勝敗を決めてしまう」という所です。 この様な状況が生じてしまうのは、戦いに集団効果の法則があてはまってしまい、 一度劣勢になると、次から次へと続く戦闘において、傾いたパワーバランスの逆転が難しくなるからです。
 この問題には悩みました。戦力差による優劣を外せば問題は解決しますが、 それでは折角得た爽快感を失う事となります。 悩み抜いた結果、思い付いたのが、戦車にあるような「防御力特性」を入れることでした。
 戦車の防御力特性とは、前・後・側面ごとに防御力が異なり、前の防御力は強いが、 側面や後ろは防御力が弱いというものです。 これを『NEW SPACE ORDER』のルールに導入することにより、 「少数でも攻め方次第では挽回できる」機会を与えようと考えたのです。

 つまり、プレイヤーの操作が優れており、敵の側面や後方といった優位なポジションをとれさえすれば、 この「防御力特性」を活かし、集団効果の法則を上回る戦闘効果が発揮されるのです。 これなら宇宙艦隊戦といった設定にも馴染みますし、たとえ少数であっても、 一度傾いたパワーバランスを逆転することが可能になります。

「数が多ければいいって訳じゃない」
このようにして『NEW SPACE ORDER』は、プレイヤーの指揮能力の真価が問われるゲームとなり得たのです。

総統
blank
2005/1/13 エンスーT復活!?

支援物資に感謝!  おひさしぶりです。エンスーTです。 総統は多方面にわたり案件を抱えて飛び回る毎日のため、急きょ代打として登場しました。 本日は私の昔語りなども交え、近況などでも語りたいと思います。

 設定専門に思われているエンスーTですが、実はこのプロジェクトでの正式な肩書は 『プロセスマネージャー』というものであったりします。 プロセスマネージャーとは、スケジューリングと各作業の納品確認をこなす工程管理者の事です。 「設定とはえらいかけはなれた業務だなー」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。私もそう思います(笑)。

 昔語りをさせて頂くと、エンスーTこと私は、System Super 22(※1)の初作品 『Air Combat 22(※2)』の企画に始まり、かれこれ十年も企画業を続けています。 後に『Tokyo Wars(※3)』や、多数の業務用機(※4)を経て、 残るは海戦モノで陸海空のグランドスラムと思っていたのですが、総統との出会いにより『NEW SPACE ORDER』で、 いきなり宇宙にまで上がってしまいました。最近は『NEW SPACE ORDER』も落ちついてきたので、 いよいよ海戦モノかと思っています(笑)。

 さて、そんな状況に置かれながらも、『NEW SPACE ORDER』を忘れてしまった訳では有りません。 最近は日々検索サイトで『NEW SPACE ORDER(※5)』の文字を検索し、 皆様の声を拾うための情報収集に明け暮れています。 驚いたことに当社ネットカフェ二店舗でしか公開していないにも関わらず、 多くの声援や叱咤の御意見を拝見します。中には的確な御提言もあったりして、 見るたびに身の引き締まる思いです。 こういった御意見を無駄にしないよう、我々も頑張っていきたいと思います。

※1: 業務用ポリゴン基板三作目。System22の後継機。
※2: 業務用中型機の空戦モノ。『Air Combat』の後継機。後に家庭用へと移っていきました。
※3: 業務用中型機の陸戦モノ。初めてデラックス筐体乗った時は感涙モノでした。
※4: 『Alpine Racer』とか『Ninja Assault』とか。見返してみると、スキーとか和風ガンゲームとか節操ないですね。
※5: もちろん『newspaceorder』や『ニュースペースオーダー』などでも検索しています。

エンスーT
blank
2005/1/18 操作に反映された戦闘結果とは

艦上方、宇宙怪獣!!  総統です。本日からまた書かせていただきます。エンスーTさんの文章を期待していた方ごめんなさい。

 前回の文章で操作の重要性を書きましたが、「他のRTSゲームでも、操作は重要な要素じゃないのか?」と考えた方もおられるとは思います。 しかし『NEW SPACE ORDER』ほど重要ではありません。 なぜなら、従来のRTSゲームでは、操作の結果が戦闘結果に大きく反映されてはいない場合がほとんどだからです。 これはどういうことかというと、ユニットがどの方向から攻撃を受けても、等しく同じダメージを与える為、 プレイヤーの操作努力の結果、例え後方からの奇襲を行ったとしても、相手プレイヤーを精神的に驚かせるだけで戦闘結果に反映されないのです。

 もし、あなたが上級プレイヤーなら、「ユニットの防御力特性」の無いRTSゲームで遊ぶ時、以下の様なプレイをするのではないでしょうか? すなわち、戦闘が始まった時点で、その戦闘に参加する彼我戦力を見極め、ゲーム画面をスクロールして別の画面を見てしまう。 なぜなら、上級プレイヤーには戦闘を見なくても経験と集団効果の法則から、戦闘結果が予測できるからです。 結果の予測できる戦闘を見るより、内政等の別の操作を行った方が有利だと知っているからです。

 しかし、『NEW SPACE ORDER』は違います。プレイヤーが「操作」によって、「防御力特性」を活かす事により、戦闘の結果は異なってきます。 操作というプレイヤーの意思が艦隊に命を与え戦力以上の戦果を生み出すのです。

 戦闘という派手で面白い画面! ネット対戦ならではのプレイヤー同士の意思がぶつかる戦場! ビーム輝くフラッシュバック! ミサイル飛び交う爆発の渦! そう! 目を離せない戦闘画面こそが、プレイヤーの腕の見せ所なのです。 「戦力の差が、戦果の絶対的な違いではないことを教えてやろう」ではありませんか!

 そして、戦闘操作をより行いやすくする為に、内政部分はスターラインシステムというパズル的ルールで簡略化しました。 『NEW SPACE ORDER』の戦闘と内政の比率は、7:3。戦闘を重視したRTSゲームなのです。

総統
blank
2005/1/21 操作量の配分と面白さ

当たらん!!生体誘導に切り替えろ!  今までに示した内容で「RTSゲームには、表裏一体の良い点、悪い点があり、これをどう活かしたゲーム創りをすべきか」 という問題が解決できたこととなります。

 つまり『戦闘結果の明確さ』『爽快感』といった良い点を、集団効果の法則を適用しやすいユニット能力にする事で活かし、 『一方的なパワーバランスによる雪崩式敗北』といった悪い点を、操作と防御力特性によって解決しているのです。
 しかし、それでもまだ以下の問題が残っています。

1.プレイヤーの操作する艦隊同士では、条件が同等になり逆転できない
2.プレイヤーが操作しない艦隊同士でも、条件が同等になり逆転できない

 この問題は、『広い戦場(マップ)』が解決しています。
 なぜ『広い戦場』だと条件が同等にならないのでしょうか? これには以下の理由があります。広い戦場では"敵との接触点"が無数にあります。 この環境では、特に多数の艦隊を持っていた場合、『プレイヤー操作の限界』を生みます。 全ての艦隊に「防御力特性」を活かせる操作を行える訳ではないのです。
 この『限界あるプレイヤーの操作量』を、複数艦隊にどう割り当てるか、戦場全体を広い視野で見渡し、 指揮能力(操作量)の配分を考えるというゲームの面白さが出てくるのです。
「右翼の戦線が突破されそうだ! しかし、中央左翼の艦隊は交戦中で転用できない… 中央左翼は、CPUに任せても10分は突破されないだろう。その間に、右翼艦隊は俺の指揮能力で機動防御してやるぜ!」
という状況です。

 これは一種の知能ゲームのようなもので、適切な操作量配分を考えること(戦略的思考)と、 艦隊操作(戦術的思考)を常にリアルタイムで判断しているので、過酷な状況/戦況であるほど、 それをくぐり抜けた時(勝利)に得られる満足感はより大きく、これが面白さへと直結するのです。

 次回は戦場の艦隊の状況の面白さをもう少し詳しく書かせていただきます。

総統
blank
2005/1/25 プレイヤー操作と戦場の艦隊

戦艦I型と軌道上施設  前回は『広い戦場』を用意することで『操作の限界』を生み、それを補うための『戦略的思考』の重要性と、 それで得た戦果が面白さへと直結することを話しました。 本日は前回に続き、もう少し補足を加えたいと思います。
 広い戦場では、『プレイヤー操作の限界』によって、以下の3パターンの戦場が生まれます。

1.プレイヤー操作艦隊 vs プレイヤー操作艦隊
2.プレイヤー操作艦隊 vs CPU制御艦隊(※1)
3.CPU制御艦隊 vs CPU制御艦隊

これらの戦いは、下のような条件が戦果に大きく影響します。

「1.」のパターンは、操作の優劣を競う戦場となり、戦果は指揮能力が勝る方が挙げます。
「2.」のパターンは、CPU制御に対しプレイヤー操作の優位性を活かす戦場となり、戦果はプレイヤーが有利となります。
「3.」のパターンは、戦力がモノをいう戦場となり、戦果は集団効果の法則が適用されます。

 もし、お互いの戦力が同質で同量であれば、序盤から終盤まで、常に「1.」と「2.」のパターンをいかに多く作れるかが勝敗の決め手となる訳です。 これにより、「序盤の攻防の優劣が、全体の勝敗を決める」という、序盤のみ緊張したゲームとなるのではなく、 「艦隊操作法の優劣が、全体の勝敗を決める」という、常に形勢がひっくり返されるかもしれない緊迫したゲームへの可能性を開くこととなったのです。

 次回予告です。
「要するに艦隊操作命のゲームなの?」
「そう言う遊び方をしろというのか!?俺には俺の理想がある」
「最初【色々な戦略戦術の理想を持つプレイヤーが、その想いを表現し勝つ ことができるゲーム】が理想といっていたのに…」
というお客様に向けて、もう少し書かせていただきます。

※1: 『NEW SPACE ORDER』ではプレイヤー操作艦以外はCPUが制御します。 プレイヤーは無操作時の艦隊の状態をコマンドで大まかに指示する事はできます。しかし人間の操作にははるかに及びません。

総統
blank
2005/2/4 戦いの幅1/2

ジオキャリバー  長らく更新が遅れてしまいましたが、また書かせていただきます。

 ここ数回の説明で、『戦力』を活かす『操作』の重要性を書かせて頂きました。 同質の戦力同士がぶつかった場合のパターンを紹介し、 『NEW SPACE ORDER』の艦隊戦力の特性を知っていただけたかと思います。
 ただ、大まかな戦力の特性を紹介するために同質の戦力として説明してきましたので、 『操作の重要性』のみの説明になり、『戦いの幅』の部分の説明がおろそかになってしまいました。

 今回は、『NEW SPACE ORDER』の多数のユニット組み合わせによる『戦いの幅』というものを 2回にわたり説明をしたいと思います。一例として、惑星攻略兵器を取り上げてご紹介します。

 惑星攻略方法は、ゲームの初期段階からから中期にかけて、 ユニット特性による3つの『戦いの幅』があります。
1. 強襲制圧艦での占領(初期以降に可能な方法)
2. 戦艦での爆撃(多数の戦艦を揃えられる中期以降に可能な方法)
3. 惑星爆撃艦種(プラネットバスター等)での爆撃(中期以降に可能な方法)

 そして、下記のような特徴があります。
1. の強襲制圧艦は、初期段階から繰り出せる占領ユニットです。 惑星占領後は、敵の資金と資源を奪取できます。 兵士のままだと、資金資源を産出しませんので、兵士は住民にした方がよい場合もあります。
2. の戦艦は、威力は落ちますが、対惑星攻撃弾で敵惑星の兵士や住民を減少させることができます。 この攻撃でトドメを指すと、敵惑星の持つ資金と資源も消滅してしまいます。 本来は戦闘ユニットですので、敵中深く進攻し交戦しながら内政を攻撃できる利点を持ちます。
3. の惑星爆撃艦種は、兵士や住民の殲滅速度が早く、かつ都市地帯、 工業地帯にもダメージを与えられる利点があります。

 次回は、このユニットの特徴から考えられる惑星の制圧、占領方法とその効果を書かせていただきます。

総統
blank
2005/2/10 戦いの幅2/2

帝國軍艦隊の行軍  前回お話ししました、ユニットの特徴から考えられる惑星の制圧、占領方法とその効果を書きます。

1. 強襲制圧艦1隻でより多くの敵保有資源を減らす
 敵資源を減らすのは、スターラインの資源共有ルールを考えれば、星系の端(●-○-○ -○-○)を占領するより、 星系の途中(○-○-●-○-○)を占領した方が有利です。 そうすれば、敵が使用できる資源量を大きく減らせる上に、敵が使用できずに増え続けた資源を後ほど奪える可能性を残せます。

2. 戦艦群による内政破壊
 戦艦による爆撃は、敵艦攻撃と内政破壊を行えるバランスのある惑星攻略方法です。
 内政破壊から一転して、対艦戦力としても使用できます。
 中世の騎士のように、戦闘に応じない国に対し略奪行動を行い、敵を戦いに引きずり出すような戦い方も考えられます。

3. リーズナブルな惑星爆撃艦種
 プラネットバスター等の惑星爆撃艦種による攻撃は、攻略惑星が多くなればなるほど、最もリーズナブルな惑星制圧方法です。 ただこの場合、武装を持たない惑星爆撃艦種を敵の攻撃から護ることが必須となります。

 この『戦いの幅』はルールやコストから想定できる極めて常識的な戦法です。
 しかし、戦況やマップ、あるいは他の方法によって(※1)、多くの『戦いの幅』が存在しますし、 この特徴をあえて無視した外し技的な運用で、さらなる『戦いの幅』を広げることも可能です。 あくまで一例ですが、プラネットバスターは常識的には惑星攻略兵器ですが別の使用法もあります。 撃沈時の広範囲わたる衝撃波は、その円範囲内にいるユニットを敵味方関係なく巻き込む特徴が有ります。  これは言い換えれば住民殲滅のみならず威圧的な対艦移動爆弾としての活用も考えられます。

 これらを自分の戦略思想とその時々の戦況に応じて、プレイヤーが発見し活用することで『戦いの幅』はより広がるのです。

※1: 軌道上施設は破壊後、惑星へ落下し人口を減少させます。 施設の大きさにより住民被害は変化します。(プレイヤーが自壊されせば落ちません)
 他にも、神聖宗教国の特殊コマンド「異端狩り」は、攻撃能力のない住民に対人攻撃力を持たせ敵住民を減らすことができます。 (兵士は減らせません)
 また、軍事帝國で作られる特殊ユニット「惑星間噴進弾基地」の対人ロケットも、敵兵士や住民を遠距離から殲滅することができます。

総統
blank
2005/2/18 兵器と人物

右舷次元跳躍反応!攻撃を受けつつあり!  私は歴史、その中でもとりわけ戦史、が好きなのですが、特に二点に着目して読むのが好きです。
 一つは「兵器」です。つまり、新技術や新兵器です。
 もう一つは「人物」です。この新兵器を運用する人物の発想や行動です。

 例えば、「兵器と人物の好例」では、中世の最新兵器であった火縄銃と、 傑出した人物である織田信長がリンクした時、世界史上初の鉄砲の集中運用が行われ、戦国時代の終焉を早めました。
「兵器だけの例」では、第一次世界大戦で登場したエンジン付き戦車は、新兵器でしたが当初はそれほど役にたたず、 効果的な「兵器」となるには、第二次世界大戦のグーデリアン(※1)の登場まで待たねばなりませんでした。
 新たな「兵器」と、それを効果的に運用する傑出した「人物」が重なったとき、加速的に歴史が進展することは非常に多いのです。

『NEW SPACE ORDER』も同様に新兵器の登場がゲームを急加速させます。 沢山の新兵器が登場しますが、私はRTSゲームにおいて、ユニットの性能バランスこそが一番大切な部分であると考えています。
『NEW SPACE ORDER』でも、数多くの兵器の性能設定に最も力を入れました。 そして、これらの「兵器」の性能バランス調整は現在も継続中です。
 しかし、このユニットという「兵器」とともに、戦局を変え、戦争終結を早めるためには、 これらを効果的に運用する「人物」が必要なのです。

 そしてこの「人物」とは、まさしくプレイヤーの皆様なのです。

 次回はユニット数値調整の話をしたいと思います。

※1: ハインツ・グーデリアン
 近代戦車戦の実行者。歩兵主力、戦車補助戦力の従来の考えを逆転した。
歩兵、輜重も機械化し戦車と同じ速度で動ける機甲師団を創設し、アッという間に敵領深くに設定した目標地点に到達するという、有名な『電撃戦』を実行した。
 戦車だけでなく、航空機という「兵器」も電撃戦の補助に利用した。

総統
blank
2005/2/25 決戦艦の役割

右舷砲戦を開始!  前回は、『NEW SPACE ORDER』の「兵器」を操る「人物」が、プレイヤーの皆様であるとお話ししました。
 その「人物」である皆様に、納得して使用していただける兵器の性能を設定する事が、 『NEW SPACE ORDER』で最も力を入れた部分でした。 数値調整によるゲームバランスこそがRTSの一番大切な部分であるからです。
 そして、その「兵器」を最初に手にした「人物」である私は、 その使用法や組み合わせによって生じる用兵方法も含めたバランス調整を行いました。 なお、基本的な用兵方法はシナリオモードでゲームを通じて憶えていただけるようにしています。

 これらの兵器性能を設定する上で一番苦労したのが「決戦艦種」です。
「決戦艦種」の主な役割は、大艦隊戦を誘発させ決戦を生じさせることです。

 惑星破壊兵器「決戦艦種」の登場
 ↓
 内政力を維持する惑星や、母星をも破壊する可能性を持つ決戦艦の侵攻は阻止せざるを得ない状況
 ↓
 決戦艦随伴戦力と対決戦艦阻止艦隊による総力戦

 この流れの中で「決戦艦種」は大艦隊の中核となり、惑星破壊能力は膠着した戦況を打破し、逆転の兵器としての役割をも持つ事になります。 また、決戦艦を建造しなくても、決戦艦という兵器が存在する事自体が、ゲームに緊張感を持たせる事になると考えます。

 しかし、「決戦艦種」の能力は、一歩間違うと、「決戦艦さえ作れば勝てるゲームになってしまう」、 「劣勢からの決戦艦の一発逆転は面白いが、積み重ねた戦略や戦術の結果の勝利というRTSの醍醐味が台無しになる」という問題を含んでいます。

 これらを解決するために、どういった事を考えて調整したかを、次回にお話ししたいと思います。

総統
blank
2005/3/25 決戦艦と操作量

各砲塔!各個に照準せよ!  インフルエンザA型の猛攻等で、長らく更新が遅れました。 毎日のうがいは大切ですね。季節の変わり目ですので、皆様もお体にはお気を付け下さい。

 前回に続き、決戦艦の説明をしたいと思います。
 惑星破壊能力という特殊能力、高い攻撃力、戦線突破が可能な耐久力を持つ決戦艦は、膠着した戦況の打破と逆転要素を持たせています。 しかし、逆転兵器は劣勢側が使用してこそ意味のあるものです。 優勢側が使用すれば、有利な状況がより加速するだけになってしまいます。 なによりも劣勢側が優勢側に一矢報いるというのは非常に燃えるシチュエーションです! ゆえに、劣勢側が決戦艦を使用しやすい状況を創り上げる為に、決戦艦の建造過程にいくつかの手順を持たせました。

手順は以下となります。

四角に16枚の空間台座を設置
 ↓
空間台座上に決戦艦工廠を建造
 ↓
資源輸送船6隻/移住船10隻の生産
 ↓
これらユニットを決戦艦工廠へ移送/格納
 ↓
決戦艦の建造を開始
 ↓
決戦艦の完成と決戦艦工廠の消滅

 刻々と変化するゲーム展開の中で、決戦艦の建造の為の操作量は大きなものとなります。 なぜ、この様な建造方法にしたかといいますと、劣勢側が優勢側に勝る唯一のアドバンテージが「プレイヤーの操作量」だからです。 優勢側は、多数のユニットと惑星を保有します。すなわち、その維持に操作を多く必要としています。 逆に、劣勢側は少ないユニットと惑星ですが、言い換えれば、維持するのに操作は少なくて済むということなのです。
 したがって、建造のために大きな操作量を消費する決戦艦は、劣勢側にこそ建造しやすい状況が作れると考えました。
 もし、優勢側が決戦艦を建造したとしても、多数保有するユニットと惑星の操作がおろそかになり、劣勢側への侵攻は遅延すると考えられます。 また、コスト的に見ても、決戦艦は資源換算で戦艦20隻分に相当します。戦艦20隻とは、決戦艦1隻を仕留める可能性のある戦力です。 圧倒的な優勢側にとって、決戦艦の建造は必ずしも有効とは言えないのです。

…と、まあこう言い切ってみましたが、理屈ではそうでも、実際の戦場では理屈通りにいかない場合の方が多いのは皆様も御存知かと思います。 恥ずかしながら、私も劣勢の時に決戦艦とその護衛部隊から成る、いわゆる逆転用の艦隊を作りましたが、決戦艦が完成した瞬間に、敵航宙機の攻撃で決戦艦が撃沈、 その爆発衝撃で護衛部隊及び母星周辺防御施設まで巻き添えにし、劣勢どころか一気に戦力が0にまでなった事もあります。
 逆転要素として用意された決戦艦であっても、ただ作れば逆転できる訳ではありません。 結局これを活かすも殺すも、これを効果的に扱う腕次第なのです。

 よく人から聞かれます「どうすれば勝てるのか?」と。
 やはり、有効な戦術を積み重ねた結果、優勢になったプレイヤーの方が総合的に勝利する可能性は高いのです。 しかし、人は完璧では無い以上、常に有効な戦術を積み重ねることは非常に難しく、必ずやスキが生じます。 そのスキを狙い、逆転できうる機会を与える事、これが決戦艦の調整の要目なのです。
(私は、一戦場に執着しやすい性格で、戦術的に勝利しても戦略的に負けることが多いです。 その為、戦術の勝利が最終的勝利に行き着きやすい軍事帝國をよく使います。自分の性格に合っている国家なのかもしれません)

総統
blank
2005/4/1 BGMについて

トーロイド 『NEW SPACE ORDER』では、各国毎にBGMが異なります。
 民主連邦は壮大なオーケストラ。神聖宗教国は繊細で美しく悲しげな曲。封建王朝国は古代中国音楽をベースに京劇音楽の要素も取り入れた曲です。
 軍事帝國は、軍艦マーチ、地上軍行進曲、鎮魂歌、国家が流れます。
 軍事帝國の曲は、全編に声楽が入っており、「ゼビウス(※1)」の世界で使われているゼビ語(※2)で歌われています。

タルケン  そう…ゼビウスは、私が小学生の頃、近所の駄菓子屋さんに突如現れました。
 金属質の敵が「キャリキャリ」砕けるサマは私を虜にしました。眼を閉じれば、今でもゲーム開始時の音楽が脳内で再生されます。
「♪タータ タラララッタ タタタタータラタ タータタララッタ タッタタター♪ ティティ ティロリ キャリ!キャリ!」と、ドーナツ型の敵「トーロイド」を倒したものです。
 当時はゼビウスに関する色々な憶測が流れましたね。(って、30代の人でないと わかりませんよね)
『破壊不能の板のような敵「バキュラ」は壊せる!』と聞けば、鉄の定規をザッパ ーボタンに当て、定規の震動で連射したものです。 結局、バキュラは壊れず、ボタンが壊れただけでした…。
 私の田舎 では「タルケン」はカシオと呼ばれてました。一発弾を撃って逃げる賢い奴、だからカシオ。地方ごとにローカルネームがあったのかもしれませんね。
 時間も気にせずゲーム浸りの幼き日々…戻りたい…あ、軍事帝國のBGMの話をしようと思ったのですが、脱線してしまいました。
 次回は、なぜ、軍事帝國と言う国家が、ゼビ語を使用しているのかという点を簡単に書きたいと思います。

※1: 1983年発売の縦スクロールシューティングゲーム。戦闘機(ソル・バルゥ)が、対空砲(ザッパー)・対地攻撃(ブラスター)を使いわけて敵と戦うという内容。
※2: ゼビウス星で話されていたとする言語です。16000年前に存在した前地球文明の汎用語で、実際はゼビウス星だけではなく、地球・アウス・シオウス・オリウス・レフウス・ファーウスでも使用されていました。 現地球標準進数である10進数ではなく、16進数による数体系を持ちます。「ガストノッチ」「ガッシャ」という言葉もゼビ語です。 もし『NEW SPACE ORDER』の設定コンセプトはなんでしょうと問われれば、ゼビ語でこう返すでしょう。「ファー・ドラウト・ピターミル・フォルサ・レプケ」

総統
blank
2005/4/8 軍事帝國言語

 軍事帝國の言語は、歴史分類上、三種あります。
 古い順から、古語/旧語/新語となります。それらを説明すると下記のようになります。

・古語
 軍事帝國の言語の原型です。帝國内では、遠い過去に使用されていたとされる伝説の言語です。
 これが、我々地球人がいう所のゼビ語です。軍事帝國の人々は、この文字の存在のみは帝國母星に残る遺跡で知っています。 しかし、その読み方、発音、意味は『ある恣意的な力』によって、理解できないようにコントロールされ、 「遠い過去に使用されていた」という偽の伝説の知識を植え付けられています。

・旧語
 軍事帝國が宇宙に進出する前に行われた、総統による惑星統一戦争以前に使用されていた言語で、惑星内の各国家が使用していました。 原型が古語なため、読み、発音、意味はかなり古語と類似しており、唯一字体のみが違うだけです。 しかし軍事帝國では、古語との関連性は、上記の『ある恣意的な力』により、直接的な関連はないと理解するように仕向けられているため、 旧語をいつ、誰が、いかようにして創ったかは不明となっています。

・新語
 軍事帝國は、とある惑星に多数ある国家の一つで、惑星統一戦争の勝利により惑星国家となりました。 統一時に、総統令によって各地方の方言で話されていた旧語の言語統一が行われ、その際に、公用語として定められた言語です。
 旧語を元にした新語もやはり発音方法等、古語(=ゼビ語)と酷似しています。
 この言語の使用を軍事帝國は国民に強制していませんが、公的文書、公的な場所での発言は、『新語』の使用しか認められていません。 当然、軍隊でも使用され、軍歌等もこの言語で歌われています。

ジアラ  説明が長くなってしまいましたが、軍事帝國のBGMとして使用されている歌は、正確には完全なゼビ語ではなく、ゼビ語に酷似した『新語』で歌われています。 つまり、軍事帝國の国民は、自分達の発音がゼビ語に似ていると知らずに、言語を使用している訳です。
 設定上、『古語』はゼビ語、『新語』は新ゼビ語と通称しております。

総統
blank
2005/4/15 【新ゼビ語】禁断の果実

「ゼビ語の歌を作ろう!」
と、いうのは『NEW SPACE ORDER』のサウンドを作るに当たり、サウンドリーダーLinda AI-CUE(※1)と決めていたことでした。 しかし、モノが20数年前の製品である『XEVIOUS』です。 しかもその設定の一部でしかないゼビ語は、社内と言えど知る人が乏しく、我々がまず最初に始めなければならなかったのが、ゼビ語の資料収集でした。 RPGの主人公のごとく、社内中の資料棚を片っ端から探索(※2)し、『XEVIOUS』関連資料をかき集めました。 さすが古い時代のものだけあって、鉛筆書きの仕様が時代を感じさせてくれます。
 調査の結果は芳しくありませんでした。ゼビ語は、原作あるいは続編製品などで拡大され、簡単な辞典になる程度の語彙がありましたが、 さすがに歌を作れるほどの単語数を得る事はできなかったのです。それが分かった時は、正直諦めが脳裏をよぎりました。

エンスーT :「現存するゼビ単語だけでは無理だ…」
総統:「俺達はとんでもない間違いを…」
Linda:「無いモノは作る!!」
Ω ΩΩ:「な、なんだってー!!」

 新しいゼビ語を作る!?何とも甘美な響き…いや待て!それは原作を創った先人達にしか許されない業なのでは… 先人達の偉業を引き継ぎ、それを汚すことなく発展させることは、エンスーTの言う通り(※3)、並大抵の事ではないことは充分に理解している…
 しかし、私はここで問いました。この偉大な原作の発展の為に、我々はナムコSF史を調べていたのではないか?

???・カピ  更なる『XEVIOUS』史の発展を望むか?
 ナムコSF史を発展の為に自ら苦労を望むか?
 古き良き『XEVIOUS』を愛する者との闘争を望むか?
エンスーT & Linda:「新ゼビ語! 新ゼビ語! 新ゼビ語!」
総統:「よろしい、ならば新ゼビ語だ!」

 こうして、エンスーT、Linda AI-CUE、総統という、色々な意味でアレな感じのトリオで新ゼビ語の制作は始まったのです。
 次回は、『NEW SPACE ORDER』のサウンドリーダーLinda AI-CUEが初登場です。皆さん生暖かく見守って下さい!

※1:Linda AI-CUE
『X-DAY2』に始まり、『Dancing Eyes』『Tokyo Wars』『ゆめりあ』等を担当したサウンドスタッフ。 効果音を作らせたら右に出るものはいないナムコサウンドの重鎮。彼の動力源は、アニメ/コミック/特撮の知識。
※2:資料棚の探索
『XEVIOUS』以外にも、古いゲーム資料が多数ありました。『源平討魔伝』『ドラゴンバスター』『妖怪道中記』…数々の企画書達… 一時は資料集めが面白くなり、「こりゃあマニア垂涎だな…」と当初の目的を忘れる程でした。 実は、私が入社して最初に行った事が、子供の頃遊んだゲームの企画書を探し出し見ることでした。 鉛筆書きの切り張りだらけの企画書をウットリ眺めた新入社員の頃が思い出されます。
※3:エンスーTの言う通り
『2004/10/29 世界設定の苦労話』の回で、既存の設定に『NEW SPACE ORDER』を組み込む上での苦労話をしています。

総統
blank
2005/4/22 流されて軍事帝國の1

LindaAI-CUE 「今日も朝からガスト・ノッチ(※1)!」
 というわけでナムコサウンドの文鎮…もとい重鎮(ホントか?)LindaAI-CUEです。

 ええと、先週から流れを引き継いで新ゼビ語の話ですね。
 その前に、全ての発端となった軍事帝國BGMリテイクのお話しから。

 アノ頃のボクといえば、夢世界(※2)で萌え萌えし終わり、一段落していたころでした。
 あらたに『New Space Order』のサウンド担当となり、情報収集(※3)に明け暮れる日々でした。

 当初、軍事帝國には『Tokyo Wars』の流れを汲んだ楽曲をあてる予定で既にプリプロダクション版(※4)を用意していました。
が、それを軽く聴かせてみた所、総統の方からはこれといったリテイク要求もありません。
ボクとしても無問題…いや、全く何も言わない総統とはおかしい…、
「なんか言いたいことありそうだなゴルァ!」
と詰め寄ると

「いや…そのぉ…。今のでもいいのですが…」
となんとも煮え切らない総統。アンタ支配者だろうに。

 総統不在の時に情報収集(※5)すると、いつも以上に机にうず高く詰まれちゃってた軍歌CDの数々。
「(…こンの、三国一の軍ヲタめが…)」

 やれやれだぜ、とため息をつきつつ、総統をひっ捕まえてスタジオへと監禁したのでした。 このとき、総統の隣席でニヤリと笑ったエンスーT氏には気づかず…。
 そもそも総統の脳裏には、既に軍事帝國の完成予想図があったみたいで、その中に「海軍的/全体主義的なマーチを背景に宇宙に進出する帝國」というのがあったのです。

 いろいろ理由をつけて違うネタをあてようとするボク。
一方、上手く帝國魂を伝えられない己の無力さに悩む総統。
 やがて総統の苦悶は表現者のLindaAI-CUEに向かってマックスハート!
が、根本的に善人な?総統なので、それを言えないまま時が過ぎ…。
って、どこの純愛系エロゲーですか?てな展開。

総統曰く、
「…このゲームでは「『NEW SPACE ORDER』世界の人たちが普段聴いてるであろう 音」を表現しないといけないのです。 その国のイメージに合う曲じゃない、その国の人々が歌う文化が欲しい。で、軍事帝國では2/4拍子の軍歌なんです。それじゃないとダメなんです…」
などと軍歌の心について3時間もボクに懇々と説教をした挙句、
「…やり直しっす…」
とリテイクを出されたのです。
「LindaAI-CUEさん、今度はちゃんと軍歌で、ズバリ軍歌で」
低い声で宣言する総統の目に、狂気の焔がくすぶっていたことに、ボクはまだ気づいてないのでした。
ううーむ。

 そんなこんなでイチから作り直すことになった軍事帝國BGM。 次回はその抜粋を聴きながら、新ゼビ語の深遠を探ります。 って、作ったのも解説するのもボクなわけですが。

※1:ゼビ語で「絶好調!」という意味。
※2:夢世界=ゆめりあ内の世界。LindaAI-CUEはゆめりあのサウンドリーダーでもありました。
※3:CD聞いたり、ストアチェックしたり、こういうのもサウンドクリエイターのお仕事です。
※4:こんな方向でどうよ!という音楽の方向性を検討する叩き台の音源。
※5:人の机を物色したり、周囲の人に聞き取りしたり、こういうのもサウンドクリエイターのお仕事です。

LindaAI-CUE
blank
2005/4/28 流されて軍事帝國の2

LindaAI-CUE  LindaAI-CUEです。
 さて、予告どおり新ゼビ語の話です。
 ゴールデンウィークに数年ぶりの「春休み」を取るつもりのLindaAI-CUEですので、2回目にして大増量ムチャっぷりでお送りします。


[新ゼビ語への道(ショートカット版)]

 ゼビ語探索の過程で最初に困ったのは「実は文法の定義が無い」ことでした。 そんなことはなかろうと調べてみましたが、2〜3の例文があるだけで、文章の構造に言及したものは一切ナシ。
 ならば!と新ゼビ語ではそのへんからデッチあげることに。 まあ、「英語とほぼ同等の繋ぎ方でいいよね?」と総統を丸め込んだだけです。

ちなみに時制表現、代名詞、複数形…と旧資料では体系化されてない事柄はいっぱいあったのですが、こちらは旧資料を読み解きつつ法則性を箇条書きに書き出すことで解決。
これは後続の製品によって新ゼビ語が補強される際、基本ルールが明示されてたほうが扱いやすかろうという副次的効果も期待してます。
ちゅーわけで資料一式ありますので、新ゼビ語を使いたいナムコの方はLindaAI-CUEまでご連絡を(笑)。

 次いで問題になったのは「純粋に語彙が少ない」問題。 これらについては社内の関係者に了解を取りつつ、作詞作業にあわせてとある手段でデッチあげることに。 もちろん旧ゼビ語資料にあった単語はすべて採用しつつ、です。
…嗚呼、エルフ語を創作したトールキン博士はエラい!

 かくして「新ゼビ語資料」はエンスーT氏および総統の認可を経て公認の実用資料となることに。 ここでもニヤリんぐなエンスーT氏。もしかしてボク、いいようにコキ使われてる?


戦列艦艦橋 [早くも解題!?軍事帝國あの歌この歌]

軍事帝國BGMの歌詞は、具体的には以下のような流れで製作を行いました。

(1) 総統⇔LindaAI-CUEによる楽曲プラン作成
(2) 総統による「イメージ案」の作成。並行してLindaAI-CUEによる作曲
(3) 総統から受け取った「イメージ案」をLindaAI-CUEが新ゼビ語に翻訳。ここでいったんメロディに詞を乗せてみる
(4) メロディに合わない箇所を中心に歌詞のリテイク作業。これはふたりで逐次確認しつつ修正

 (1)の段階で総統にはワガママを吐き出してもらいました。ちゅーかワガママすぎです(笑)。
「海軍と陸軍とではマーチのノリが違うから気をつけろ」 「メロはシンプル上等で」 「でもテクノじゃないんだからオケは工夫して」 「軍事帝國軍楽隊士の気持ちで作曲しなきゃ!」 「歌を歌うとき一兵卒も将官もない、上下一つになりみんなで歌う!そこに生まれる将兵の精神的一体感!そんな感じでヨロ!」 …ウガアっ!
 資料として主にドイツ軍ものCDなんかを聴いてみましたが…なんか例外いっぱいあるじゃん…。 ま、完成品では「やっちまった」箇所もあったりです。

 (2)(3)の段階ではボクがYMOにおけるピーター・バラカンみたいな作業をやったというわけです。 ま、よく見りゃ中学●年生レベルなのですが、そのへんはご愛嬌。総統による「イメージ案」はこんなかんじです。

『軍艦行進曲』〜航空宇宙総軍〜 (イメージ案)
宇宙を制する我が艦隊
誇り高き旗がマストに翻る
我が艦隊の一斉射撃の前に敵は存在できない

四海を制した我らが先祖
宇宙の海も制せんものか
我々に流れる英雄の血が敵を粉砕する

軍旗に誓いし我が忠誠 帝國に捧げし我が命
見敵必戦!最大戦速で敵を阻み炎の鉄槌を打ちつける

戦いを前にして我々は恐れない 帝國の為に死ぬことは 我らにとって最高の名誉だ
戦いのただ中へ我が艦隊は突き進む

いつの日か戦いの中で 幸運の神に見放された時
我々はふるさとには帰れない しかし我々の命を奪う一弾が目の前に迫っても
我々は恐れはしないだろう なぜなら我が艦が我らの名誉を示す墓標となるからだ

我々の名誉は不滅である 戦友が子孫が
千年の時を経ようとも我が艦隊の名と共に我が名誉も語り継ぐだろう

栄光ある我が帝國艦隊 誇り高き旗の下に集まった英雄達よ
万里の波濤を乗り越え立ちふさがる敵を撃滅し 帝國の力を示せ

我々の名誉は不滅である 戦友が子孫が
千年の時を経ようとも我が艦隊の名と共に我が名誉も語り継ぐだろう

千年の時を経ようとも我が艦隊の名と共に我が名誉も語り継ぐだろう

千年の時を経ようとも我が艦隊の名と共に我が名誉も語り継ぐだろう

 最後に(4)で修正作業。軍ヲタのロマンを損なわないよう言い回しを変えるのはなかなか骨の折れる作業です。

 それでは歌詞を解題、実はこんなことを唄ってるのよ… ぜひ高田馬場 or 新横浜の『知・好・楽』に来て聴いてみてください。…と小軽く宣伝。

『軍艦行進曲』〜航空宇宙総軍〜
ア、シオ、オリ、ゼヴィ!

ガラク ナイトディ ジグラ アルハイム
フレイキン ハンガ イリ ドフ アク
ウ ミスブレストー、ウ グルアテーク
カレ ダ トイ ガラク エルダ

ガラク ブラジグルフ ドナ ゼビ ジフディ
ガルゾ ガー バズ ゲラ
ヴィン ミスブレストー、ヴィン グルアテーク
ダガ クリフト ラ イル・ドークト

    ガラク トライゴー、ガラク リーヴ
    レイタ ガルゾ クリフト
    ガー ハサロー グルアテーク
    ガー ボット オラズ タルケン

ガラク スコア ダ オーダグレブ
ベレル サイガ、ガルゾ カムラド サイガ
トイ ミルツ ナーバスディ、
トイ レゲエ ム オーラ ガラク ナイトディ

ヘイムギュル ナイトディ トイ スコアー
ヴァルウディ クラプ ゾ トルキー
ラー フャルエグド、ラー エイゴウ
ガー ヴィナガ ヴィン ガルゾ デフ

ア イタ ガー ダガ イフィーゲファゾ
テ ガー カレ エ ゲグナ
ウ オータスト、ウ ダプーリキ
ナイト ダ ガラク グラフィシ

    ガラク マドゥー! ガラク アインニング!
    ベグ エセ ローレ ア コーニ
    ガー デフ ピトル トーグゼーグ
    ガー フォッサ ピトル グルアテーク

 ※くりかえし

 ※くりかえし

  トイ ミルツ ナーバスディ、
  トイ レゲエ ム オーラ ガラク ナイトディ

  トイ ミルツ ナーバスディ、
  トイ レゲエ ム オーラ ガラク ナイトディ
1、2、3、4!

宇宙を制する我らが艦隊
誇り高き旗がマストに翻る
どんな障害も、どんな敵も、
我が砲火の前には存在できない

四つの海を征した我らが先祖
我らも同じく宇宙を制する
どんな障害も、どんな敵も、
英雄の血が打ち砕くだろう

    我らが忠誠!我らが命!
    見敵必殺!
    我らは敵を阻み
    我らは鉄槌を下す

「我らが名誉は不滅なり」
子供らは話すだろう、戦友らが話すだろう
一千年を経て、
偉大なる我らが艦隊の名とともに

名誉ある帝国艦隊
軍旗の下に集う英雄たち
長い距離、長い時間
我々は全てを乗り越えて往く

いつの日か神に見放され
ふるさとに帰れなくなっても
怖れは無い、悲しくない
船が我らの墓標だ

    我らが力!我らが団結!
    宇宙をひとつにまとめよう!
    我らは戦場へ行く
    我らは敵に突入する

 ※くりかえし

 ※くりかえし

  一千年を経て、
  偉大なる我らが艦隊の名とともに

  一千年を経て、
  偉大なる我らが艦隊の名とともに

 手元に『XEVIOUS』資料をお持ちの方はぜひ見比べてみてください。
 どのへんが継承要素でどのへんが追加要素か? また、これを叩き台に軍事帝國BGMの他の箇所はどういうことを歌ってるのか? ゲームやりながら聴き尚且つ調べるのはタイヘンだと思いますが、ちょっと意識を傾けてみるのは面白いかもしれません。

 さて、そんなこんなでこれを含む全15分の軍事帝國BGMが作られていったわけですが、 実はこれ以外にもゼビ語が使われてる箇所が本製品にはあります。そしてそれがプロジェクトにややこしい波紋を生み出すことに…!
 次回はこぼれ話としてそのへんのドタバタと、それにまつわる軍事帝國ウンチク話をお送りします。

LindaAI-CUE
blank
2005/5/6 流されて軍事帝國の3

帝国軍士官  LindaAI-CUEです。
 ゴールデンウィーク真っ只中の更新というわけで、今回はこぼれ話です。

 前回お話したとおり、新ゼビ語が使われてる箇所は他にもあります。それはどこでしょう?
…そう、当Webでもダウンロードできる、ムービー用楽曲の冒頭なのです。
 そもそもここでこういう言葉を使った動機はいたって単純で「歌の要素はほしいけど言葉の意味はボヤけさせたい」だけ。 最近のヲタク向けアニメでよく聴く女声コーラスものと似たような理由ですね。
 せっかくなのでナムコ社にいくつかある架空言語のうちゼビ語を使っちゃえ、というわけでこちらはLindaAI-CUEによる作詞。 実はそれなりに意味があるっぽいつくりにしましたが、このときひとつだけ新造した単語が物議を醸すことに。

「…Lindaさん、あのですね、軍事帝國の死生観なのですが…」
またも不気味な足取りで近づく総統。今度はバッチリ見えた瞳の焔にたじろぐLindaAI-CUE。
「な、なんでしょう」
「軍事帝國には『天国』の概念は無いのです。将兵は戦死した後、神の下僕である戦乙女に導かれ…」
いきなり何を言うかこの軍ヲタ!と内心で毒づくも表情に出すのが怖い。
「『ハイ=ブラゼル』てナンですか?!西方浄土という意味ですよね」
「いやほら、『指輪物語』ちゅーかケルト神話ちゅーか、神々はみんな西の国に去っていくわけだし」
「ケルト?ケルトですと!軍事帝國のイメージソースは北欧神話だってあれほど言ったじゃないですか!」

 今度は3時間にわたって「ヨーロッパと神話の歴史」について延々と説教されるLindaAI-CUE。
 とはいえもう収録もTDもやっちゃったのでどうしたものかと。 それに収録時は総統も居たけど気付いてなかったジャン。
 まあ、結局「ムービー用楽曲は別に軍事帝國の世界観無関係なので無問題!」というセンで決着。
 ついでなので当のムービー用楽曲冒頭部の歌詞を掲載しちゃいます。

ノセト ピーク ム ロフ
ノセト バ ゼーグ オング
セモ ハイ=ブラゼル

  ミルツ イタ
  ミルツ ブルターク
  ミルツ ポラハ

イリ ホルス!
ノイス ゾ ウス
聞けよ 人々の響き
聞けよ 勝ち鬨の声
常世へと連なる

  一千の昼
  一千の夜
  一千の大地

飛び立て、今!
星を越えて

 さて次回は、そんなこんなで軍事帝國BGM話の、いったん最終回。
「君にも軍事帝國BGMは作れる!」をお送りします。

LindaAI-CUE
blank
2005/5/13 流されて軍事帝國の4

 LindaAI-CUEです。
 いやぁ、なんかホントに「チェック入れてもらうたびに説教された」思い出が走馬灯のように…


軍事帝國兵士 [君にも軍事帝國BGMは作れる!]

 というわけでとりあえずのラストなので、前回までで書き漏らしたことをいくつかご紹介。
 軍事帝國BGMは、実際には3分程度の楽曲をメドレーで繋いであります。他陣営のBGMが「15分の長いひとまとまり」なのと比べるとけっこう異質です。 そもそも「長時間プレイが前提の製品だから、BGMも聴きすぎて飽きちゃわないよう15分/陣営くらいのボリュームは必要だね」と言ったのもボクなわけですが、なんでみんなズバリ15分で曲を作ってくるんだか(笑)。


[余談]

 もうちょいおまけ。
 ゲーム中では曲名とかそういうのは出ないので、そのへんのちょっとした解説を載せておきます。


『前奏』
 いきなり『軍艦行進曲』からはじめるのが腑に落ちなかったので、最後に急遽付け足しました。出だしの歌唱は、こんなことを歌ってます。
ルー ダ アインニング!
ルー ダ トライゴー!
ルー ダ ヴィナ!
団結だ!
忠誠だ!
勝利だ!

『軍艦行進曲』
 先日歌詞を発表したモノ。読んで字の如しです。

『突撃行軍歌』
 駆け足用のテンポとリズムです。『ファ○○ンウォーズ』のCMみたいだとかツッコむのはごカンベンを。
 軍事帝國BGM中唯一、旧コンセプトの名残がある「やっちまった」サウンドです。ベースとドラムだけってDAFとかNitzer Ebbの方法論だよねぇ。DAFといっても「ドイツ労働戦線」じゃないですが。
 曲名を考える際、「小○生のとき『駆け足行進曲』とか言ってたものって、もうちょいそれらしい名称はないのかな?」と思い辞書で調べてたところ、出てきた単語にズバリ『突撃行軍歌』とあって、ほほーっ、と感心しました。
…「駆け足」の表現について総統に1時間ほど説教された覚えアリ。軍ヲタは怖いよう。

『葬送曲』
「軍歌で」というオファーからすると本当はアウトですね。
 こちらは総統の作詞で、死生観についてのレクチャー後の作曲でしたので齟齬は無いはず(笑)。
「死してなお常世で勝利を」と歌ってます。なにげにヲタクロマンチシズムとしてカッコ良いのではないか?と思います。
 そういやゼビ語では「ゼーグ」→「戦い」、「グルゼーグ(グルゼーガと訛る場合もアリ)」→「楽団」なのですが、ということは、音楽をやる集まりは軍団ってことですか!?
…背後で「いいですか、軍団というのは師団が集まって…」と説教をはじめる総統。うひゃあ今晩も帰れない〜。

『国歌』
 そのとおりのアレです。
「コンセプトどおりに作ると、どおくまん『花の応援団』ちゅーか、応援団っぽい響きになるなぁ」と深夜に苦笑しながら作ってました。自分で自分を応援しちゃう、まさに軍事帝國の応援歌ですね。
「ガッシャ!」とか歌ってるし。
…と、当原稿を書くにあたって総統に話したら「ナニ!そんな気持ちで作曲してたンですか!?」と涙目で訴えられてしまいました。 いや、ちゃんとヒトの話を聞いてよ(苦笑)。

 今回で軍事帝國BGMの話はいったんおしまい。
 次回からは架空言語つながりで神聖宗教国BGMのお話をちょこっと書きたいと思います…と思ったら、ただいまニュース速報が作業ブースに。
 ええと「来週水曜日に軍事帝國BGMの抜粋をアップするので作業すれ」…マヂかよ!

LindaAI-CUE
blank
2005/5/18 流されて軍事帝國の5

軍事帝國参謀将校  お久しぶりです。総統です。

 軍事帝國のBGMの説明をしてまいりましたが、皆様により楽しんで頂こうと思い、BGMの一部をアップいたしました。
「DOWNLOAD」内の「サウンド」より、『軍艦行進曲』がダウンロードできますので、御試聴頂ければ幸いです。
※この曲については、2005/4/28【流されて軍事帝國の2】を参照下さい。

 当初、ゼビ語という言語が歌として発声された時、どのように響くか不安でした。 しかし、完成した歌は、非常に美しく力強く響きました。
 ゼビ語のポテンシャルの高さ、そしてLindaAI-CUEの作曲力の賜だと思います。
 この歌を通じ、国家の命運を賭けて、未知の異星人との戦いに従事する帝國軍人の心意気が、皆様に少しでも伝わればと思います。

…『軍艦行進曲』の中盤で、ソロで歌っている所がありますが、ウットリするほど素敵な歌声です。 いぶし銀の重厚な声、こんな声で命令されたい!(笑)

総統
blank
2005/5/27 疾風!バイク番長登場!

バイク番長  始めまして。
 『NEW SPACE ORDER』プロジェクトに参加させて頂きましたバイク番長です。神聖宗教国のBGMを担当しました。

 さてさて、音屋として様々なジャンルのゲームに携わりたいと常々思っていたので、RTSである『NEW SPACE ORDER』のお話を頂いた時は嬉しかったですね。 嬉しい反面、どうやって曲作りをしようか悩んでしまいました。
 企画、ビジュアルの方と打合せをして「神聖な雰囲気だが宗教色の濃いものにはしない」というイメージは固まったのですが、 今まで携わったゲームは「ノリ」を重視するものが多く、「イントロは短く」「すぐリズムが入ってくる」「むしろサビから始まる」といったような注文が多く、 いざプリプロ(2005/4/22【流されて軍事帝國の1】の※4参照)を作ってみるとイントロが短くすぐ展開するせかせかとした曲になってしまいました。
 慣れとは恐ろしい、人生せかせかと生きて来たからだろうか?どちらかと言えばのんびりタイプだが…
 なんて考えながら、もう一度イメージし直そうと背景や船の画を見直す。巫女さんが独りで船を操る→萌えぇとなり出来上がったのが今の神聖宗教国のBGMです。
 ではなく(笑)、孤独の中で戦場に向かう心境とはどんな感じなのか?をイメージしメロディー製作しました。
…嘘付きました、やっぱり萌えです。

 とにかく萌えながら作曲したわけですが、懐かしい雰囲気を醸し出したかったのです。 往年の…何…というわけではありませんが、言い方を換えると「ベタ」なのかな。 そう言うの大好きなんです。懐古趣味とまでは言いませんが。
↑を感じて頂ければニヤリなんですけど、果たして…?(自信なし。笑)

 おっとと、LindaAI-CUEさんから振りがありました架空言語のお話を一つしたいと思います。
 この曲の歌詞は「メルニクス語」で出来ています。 メルニクス語とは、第二外国語として専攻する人が最も多い言語ですね。 自分は専攻していなかったので、N○K教育の「メルニクス講座」を毎週録画して勉強しました。
 え!?履修していない??早くしたほうが良いですよ。

バイク番長
blank
2005/6/3 その名は兄弟拳バイク番長〜♪

 こんにちは、バイク番長です。
 皆様いかが御過ごしでしょうか。季節の変り目は風邪を引き易いので体には気をつけましょう。

ブレーザービンタ!  本日も仕事をせずにインターネッツに勤しむワタクシですが、もやしっ子なバイク番長としては見逃せない記事を発見しました。
『痩せは肥満や標準体格の人より死亡率が高い。』そうです。その率は倍以上!?
 いやぁ、納得しましたよ。「仕事がしたくない気持ち」が人より「若干」強いと思っていたのですが、本能がそうさせていたようです。
 残り少ない人生を有効に使おうと……くぅ、健気なバイク番長の本能!っと下らないことを考えながら、毎日シッカリと働いております。

 さてさて、前回メルニクス語で歌詞が出来ていることを紹介しましたので、今回は歌詞を載せたいと思います。

『神聖宗教国』
ウィス デディクムンス
リン ウ フウガティ
アル リムンルウムンス
ウ ヂ ミティ アエヌン エ アンエディティ

ウ ギ エリグ
ウ ヂ ミティ リイク ベワク
ウ ギ エリグ
ティアン ウムスウンドゥン イフ デディクムンスス

ウ ギ エリグ
ウ ヂ ミティ リイク ベワク
ウ ディンルヤ イム スティディエウガティ レトゥプルウガティ
エ ディイエドゥ バウティアイオティ エ ディイエドゥ

エ テム イフ テワアウムン ドゥンヌウワン
ウ テヤ ヴン エネウレヴルン シトゥンティウトゥン

ティアン ティディオン リヌン ティアエティ
ウス ミティテワアウムン ドゥンヌウワン

 これだけでは何のことやらサッパリですので、日本語訳を載せようと思いましたが資料が見当たりません。
 散々探したのですが出てきません。あぁ、サウンドで1、2位を争う机の汚さを呪いましたよ、えぇ。 ハードディスクの中も捜したのですが、こちらも汚くてどこに何があるのやら…。
 スミマセン。本当に資料が見つかりません。m(_ _)m
 でも、第二外国語でメルニクス語を履修した皆さんなら、大丈夫ですよね!
 因みに言っときますが、心はキレイです。

バイク番長
blank
2005/6/9 さらばバイク番長!

聖戦討伐船  バイク番長です。こんにちは。

 実を言うと、バイク番長は自動二輪の免許を持っていたりします。意外でしたでしょ?
 今はバイクを2台所有しているのですが、一時期は4台持っていました。バイク狂なのです。
 てっきりバイク屋さんとばかり思っていたのですが、良く考えたらナムコ社員でした。
 今回も関係ないことを書いてしまった…orz
 バイクに乗ると「風」を感じますが、神聖宗教国BGMでも音の「風」を感じて頂ければと思います。(無理やり?笑)

 それでは、神聖宗教国BGMの抜粋を「サウンド」にアップしたのでお聴き下さい。
 皆様を『NEW SPACE ORDER』の世界に誘うキッカケ(お手伝い)が出来れば幸いです。
 でわでわ、いつかどこかで! ドゥルルバゥウウーーーンン!!
 
バイク番長
blank
2005/6/17 その名は民主連邦

Number one!  NEWSPACEORDER.COMをご覧の皆さん、こんにちわ。
 今回、民主連邦国BGMを担当させていただいた、ライカー副長です。
 普段は、某格闘系ゲームのサウンドを担当したり、某飛行機系のゲームのお手伝いをしたりと、 なかなかこういったRTS系にはご縁がなかったのですが、密かに興味は持っていて、 PCでRTS系のDemo版をダウンロードしては、同僚と「戦争ごっこ」を楽しんでます。

 そんなライカー副長に、LindaAI-CUEさんからお誘いがあったのは・・・いつだっけ、データ?(笑)
 彼の記憶によると、それは暑い夏の事でした。
「RTS系のBGMを作ってみませんか? 4つの国があってそれぞれに特色を出す感じで、長さは15分くらい」
 じゅぅうごふ〜ん!!!?
 まぁ今まで生きて来た中で最長の制作記録ですね、これは。 普通は長くても5〜6分の世界なので、その3倍というのがどれくらいの大変さなのか、 お誘いを聞いた時はピンと来なかったので、「あ、いいっすよ〜」と、気安く引き受けてしまったのでした。

「どの国がいいですか?」と選ばせてもらえたので、色々な設定資料を見つつ、 何となく直感で「じゃ、民主連邦を」と答えた後で、宇宙・連邦・RTSのキーワードから、 当時深夜に再放送をやっていたスタート○ックがひらめいたんですねぇ。
 宇宙のイメージはばっちりだし、連邦もぴったり、おまけに開拓って雰囲気も合ってるし、これしかないなと。 (宇宙・連邦とくると、LindaAI-CUEさんはガン○ム系に行くでしょう)
 それからは、スタート○ック関連のサントラを引っぱり出してきて聞きまくったり、 関連サイトを閲覧しまくってスタート○ックのふかぁ〜いふかぁ〜い世界観に、 改めて驚いたりしながら、気分はすっかり宇宙へ飛び出していました。 ちなみに比較的初期のスタート○ックが一番好みだったりします。

 そしていよいよ、本格的な制作を始めようと作業を開始した頃、ライカー副長は驚愕の事実を知る事となるのでした…
 
ライカー副長
blank
2005/6/24 遠すぎる目的地

移民船内より宇宙を望む  NEWSPACEORDER.COMをご覧の皆さん、こんにちわ。 今週も引き続き、ライカー副長です。
 月日が立つのは早いもので、あっという間に次の原稿締め切りが来てしまいました。
 思い起こせば『NEW SPACE ORDER』のBGM制作をやっていた時期も、すごいスピードで(まるでワープでもしたみたいに)時間が過ぎていた様な気がするなぁ…

 さて、15分の民主連邦国BGMのオファーを引き受けたライカー副長ですが、色々な資料を読みあさったり参考になるCDを聴きまくったりと、 しっかり準備を整えて万全の体制で制作に取りかかりました。
 まず、大まかに全体の構成を検討します。色々な展開も盛り込みたいので全体を5つのパートに別けて、 ゲーム中に起こる様々なシチュエーションに対応できる様に構成して…

1. 最初のパートは序章っぽく始めて、スタート○ックみたいなナレーションが入る雰囲気がいいなぁ…
2. 次のパートからは旅立ち(出航)っぽくだんだん盛り上げていくのがいいかも…
3. その次にいよいよ敵と遭遇して緊迫したシーンを煽る雰囲気に持っていって…
4. 次は戦闘モード突入!撃ちまくれぇ〜って感じで…
5. 最後に戦いが終わった後の静けさとか安堵感みたいな雰囲気を表現しよう…

 という具合に、全体の構成を先に考えてから、実際に作曲を始めた訳です。
 実際に曲を作る時には、まずコンピュータの音楽ソフト(シーケンサーと呼ばれる)でオーケストラのシミュレーションを行った後に、 本物の楽器(ストリングスやブラス等)を録音して仕上げていきます。
「とりあえず全体で15分っていったら、どれくらいの小節数になるんだろうか?」ふと気になったライカー副長は、ざっと計算してみました。すると… 「358小節」!!
 なんだこの小節数は?!
 楽曲にも寄りますが、普段制作している楽曲の小節数は、100を超える事はまずないので、いかにこの数字が尋常でないかご想像頂けるでしょう。
 意識が遠のいて行くのを必死でこらえながら、ライカー副長は最初のパートから制作を開始したのでした。 しかし作っても作ってもなかなか進みません。 それもそのはず、オーケストラ系の楽曲の場合、楽器やパートの数が多い為、1小節進むのに何回もデータを打ち込まなければなりません。
 結構進んだかなぁと思っても、まだ2つ目のパートだったりする訳です。
 そうこうしながらもだんだんと作曲が進んできた頃、ライカー副長に新たな非常事態が襲いかかります。
「シーケンサーが再生できない!」
 あまりの曲の長さとデータの多さに、曲の途中(第3パートの後半あたり)からコンピュータがフリーズしたり、 シーケンサーの反応が鈍くなったりするので、ますます、制作ペースが遅くなってきたのです。
 いったい最後のパートにたどり着けるのだろうか…?
 ライカー副長は出口の見えないブラックホールに迷い込んだ心境のまま、刻一刻と迫る締め切りに怯える日々を過ごすのでした。
 果たして、ライカー副長は目的地にたどり着く事ができるのでしょうか?

 次回は、様々な難関をくぐり抜けた果てに産まれた民主連邦BGMの一部をアップさせていただきます。お楽しみに。

ライカー副長
blank
2005/6/30 旅の終わり

旅の終わり  NEWSPASEORDER.COMをご覧の皆さん、こんにちわ。3週目に突入した、ライカー副長です。
 今回は完成した民主連邦BGMの一部抜粋を「サウンド」にアップしましたので、それを聴きながら話を進めましょう。
 あまりの曲の長さにコンピュータも暴走寸前の症状が出ている中、なんとか最後のパートまで打ち込み終わって、ほっと一息ついたライカー副長でしたが、 ふと周りを見渡してみると、他の国々(神聖や軍事、封建)のBGMには全て歌が入っている事に気がついたのでした。
 もともと民主連邦BGMには歌を入れる予定は無く、出来上がったプリプロ(スケッチみたいな状態の曲)にも入っていません。 しかし、他の国のBGMを聴いてみると、歌が入っているパートはとても華やかに聴こえて、より宇宙っぽく壮大な雰囲気を醸し出していたのです。
 ライカー副長は考えました。
「まずいな…この航路を維持していると強大な引力を持つ空間に引き込まれてしまう…(※)

 そしてライカー副長は、民主連邦BGMにも歌を入れる事を決断したのです。 決して「他がやっているから」とか「歌を録音するんだったら、1曲くらい増えても平気でしょ」といった安易な理由からではありません。(たぶん)
 民主連邦BGMに流れる歌の歌詞は、民主連邦の言葉で書き上げたものです。 言葉の響きとしては、少しだけラテン語やドイツ語に似たところを持つ言語なのですが、歌詞の意味はネイティブな民主連邦国民しかわからないかもしれません。 (ライカー副長は、インターネッツの翻訳サービスで歌詞を翻訳しました)

 そして迎えた録音の日、慣れない言語に四苦八苦しながらも無事に素晴らしい歌を録り終える事ができ、長きに渡って制作を進めてきた15分の超大作BGMが完成したのでした。
 旅の目的地に到着したライカー副長は、ほっと一息ついた後に思いました。
「今度はもうちょっと短い曲にしてください…」

 とても印象的な音楽と共に、『NEW SPACE ORDER』をお楽しみください。
 それではまたどこかでお会いしましょう。

※:わかりやすく翻訳すると、「う〜ん、俺の曲だけ歌入ってへんかったら、ぱっとせーへんなぁ…どないしょーかな?」という意味です。(何故か関西弁ですが)

ライカー副長
blank

2004年 [ 9月〜12月 ] / 2005年 【 1月〜6月 】 [ 7月〜12月 ]
2006年 [ 1月〜12月 ] / 2007年 [ 1月〜 ]

blank
(C)2004 NAMCO BANDAI Games Inc.
blank
はじめにお読みください blank サイトマップ blank トップページ
blank