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在来線連立事業、上下線で高架供用開始

2015年3月30日(月)

 JR鹿児島本線などの在来線を高架化する連続立体交差事業が3月14日、上熊本駅を含む同本線上下線4qと熊本駅部上り約2qで供用を始めた。同時に4q区間にある13カ所の踏切を撤去。早速同日から車のスムーズな流れが見受けられ、渋滞解消など同事業の最大の目的である鉄軌道で分断された市の東西エリア一体化は、一歩前進した。県が01(平成13)年にスタートした事業は、総延長は約6q、総事業費は約606億円。事業完了は18年度を見込む。
 高架駅となった上熊本駅は建築デザイナーの水戸岡鋭治氏がデザイン。「森の都」を表現した新駅舎は県産の杉やヒノキがふんだんに使われ、ホームはウッドデッキ仕様になっている。今後は交通結節機能を高めた東西の駅雨広場が16年をめどに整備される予定。 
 14日は高架化と上熊本駅開業を記念した式典が同駅高架下で開かれ、蒲島郁夫県知事や大西一史熊本市長、青柳俊彦JR九州社長をはじめ、県選出国会議員ら約140人が出席。蒲島知事は「東西の一体化は沿線の拠点性向上つながる」とあいさつした。当日同駅一帯ではまちづくり団体や地元商栄会などによる開業を祝うミニコンサートや写真展などもあった。(川野)
 

通勤、通学客らで混雑する朝の上熊本駅下り線ホーム。ホームは1面2線、写真右側が上り線
撤去された本妙寺踏切を参道側から望む。県は13の踏切撤去で約9千台(午前7時から午後7時)の車の滞留解消を試算している
踏切廃止で車の流れもスムーズに。東西の交流促進で宅地開発など“まちづくり”の進展も期待される。写真は一新踏切付近
熊本駅の高架ホームも供用を開始。同駅発の下り線(写真)の一部もここから発車する
約140人が出席した記念式典。3月14日、上熊本駅