女子57kg級 芳田司
7月に開催された柔道グランドスラム・チュメニ2015に続き、女子57kg級で優勝した芳田司選手。
自分のペースを崩さず、決勝で見事一本勝ちを決めた芳田選手にインタビューしました。
2度目の柔道グランドスラム東京
昨年の柔道グランドスラム東京に比べると様々な部分が違いましたね。昨年は講道館杯全日本柔道体重別選手権大会でポンポンと勝って優勝して、柔道グランドスラム東京に出場。
あのときは特に何も考えていなかったのですが、今年はいろいろと考えました。思い返してみると、昨年よりも技術面・精神面ともに成長したと思います。練習や試合経験を積むことで自信も付きました。
あとは、対戦相手が組んだことのある相手ばかりだったということも大きかったですね。相手を知っていたことで、苦手意識なく戦うことができました。
柔道グランドスラム東京2015までの練習
10月に開催された柔道グランドスラム・パリでは5位という結果で悔しい思いをしました。
柔道グランドスラム・パリまでの期間は「こういう柔道をやろう」という考えをいろいろ持って練習をしていたのですが、いざ準決勝でモンテイロ選手(ポルトガル)と当たったときに頭が真っ白になってしまって。
敗戦から柔道グランドスラム東京まで2ヵ月と期間は短かったのですが、自分の中では短いという感覚はあまりありませんでしたね。柔道グランドスラム東京2015前の練習はいつも通り行ないました。
決勝戦について
決勝はエレーヌ・ルスボー選手(フランス)との対決でした。以前、他の大会でとても不甲斐ない負け方をしてしまってすごく悔しかったので、「今回は絶対にやってやるぞ」という気持ちが一番にありました。
あと自分は準決勝や決勝など、上にいくにつれて気持ちが高ぶっていくタイプなので、今回一番気持ちが強かったのは決勝戦ですね。
試合で相手が掛けてくる技は分かっていたので、それをやられないように注意しました。それがうまくいき、自分のペースで足技の一本を取ることができました。
取った瞬間は「あー、入った」と思ったのですが、実はその後のことはあまり覚えていません。
大会を終えて
柔道グランドスラム東京の優勝は今回が初めてだったので、嬉しかったのと同時に少し自信になりました。今回は「もうだめだ」と思ったときにも、気持ちが折れなかったことが勝因のひとつかもしれません。
いつも通り自分のペースで試合を進めることができたことは良かったですし、自分の自信にしても良いのかなと思っています。
試合後に南條充寿監督と話し、その中で「もう一回試合をしっかり見て、自分がどうしても勝てない相手にどうやったら勝てるかをしっかり考えていこう」と決めました。
今大会では日本の他の代表選手と当たることはありませんでしたが、正直海外選手と戦うよりも、くせなどを研究されている日本人選手と戦う方が苦手です。
とは言ってもやらなくてはなりませんし、リオデジャネイロオリンピックの代表になるためには勝たないといけないんですけどね。
これから代表が決まるまでにも出場予定の大会がありますし、大会が終わるたびにオリンピックの代表が絞られてきます。同じ57kg級には松本薫先輩という絶対的な存在がいるので、もっと頑張らなくてはいけないと思いますね。
今後の展望
今回柔道グランドスラム東京2015で優勝したことで、リオデジャネイロオリンピックの代表に近づいたと思います。そして、これから柔道グランドスラム・パリ、柔道グランプリ・デュッセルドルフ、全日本選抜柔道体重別選手権大会を経て、代表が決まっていきます。
柔道グランドスラム・パリに57kg級で出場するのは、私一人だと思いますが、対戦する選手の手の内はすべて分かっているので、試合中は練習を思い出しながら一試合一試合勝ちたいです。
組み手であったり寝技であったり、最近は関節技も多いので、そういったことをしっかり頭に入れながら、相手を細かく分析して練習をしていきたいですね。
インタビュー:2015年12月