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印刷界OUTLOOK2010 【得意先】
■得意先上位3業種は流通、その他製造業、印刷
全日本印刷工業組合連合会「平成21年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によると、中小印刷業の受注先の業種別売上高順位は、全国順位で1位が卸売・小売、2位が昨年4位から大きく飛躍したその他製造業、3位が印刷、4位が新聞・出版、5位が昨年3位から順位を落とした広告・放送、情報サービス、6位が生活関連サービス、娯楽と続き、7位が食料品・飲料となった。
今回の調査より、受注先業種が前回までの18業種から20業種となり業種内容などに多少の変更も見られるが、推移を見ると、上位の卸売・小売や印刷業は安定して高い構成比を占めている。また前回調査で4位となっていたその他製造業も構成比を14.0%へと伸ばし、印刷業界にとってより身近な存在へと変わってきている。
逆に、数年来3位と印刷業界と密接な関係を持ち、重要な得意先であった広告・放送、情報サービスはリーマンショックによる広告市場縮小の影響を受け、4%弱数字を落とし5位になった。
■上位得意先業種に見る地域特色
地域別の上位業種を見ると、あらゆる業種と取引のある印刷業界らしく、各エリアの特色が色濃く表れる結果となった。
北海道は、1位が卸売・小売(21.2%)、2位が印刷(17.8%)と地場産業や同業他社との結びつきの強さが表れている。また、2位と微差で3位は新聞・出版となった。
東北と関東甲信越静は、1位印刷(16.0%と15.8%)、2位卸売・小売(13.1%と15.7%)、3位公務(13.1%と11.9%)と、上位3位までの得意先が類似している。関東甲信越静は4位にその他製造業、5位に食料品・飲料が続き、商業集積地らしい順位となった。
東京では、長年1位だった地場産業とも言える新聞・出版(16.8%)が2位になり、代わって生活関連サービス、娯楽(19.8%)が1位になるトピックがあった。昨年度、新聞・出版に迫る勢いだった広告・放送、情報サービス(7.2%)は6位と、大きく順位を下げた。
中部はメーカー集積地らしく、1位はその他製造業(33.2%)、2位は食料品・飲料(13.0%)となった。
近畿以西では昨年度と変わらず、いずれも卸売・小売(18.8~22.9%)が1位、印刷(12.3~17.5%)が2~3位である。近畿は2位にその他製造業(18.6%)が入るなど、メーカー系の構成比が高く、中国は教育、学習支援(7.9%)が3位、四国は新聞・出版(19.6%)が2位、九州は広告・放送、情報サービス(14.9%)と、地域差が表れている。