新聞記事

2011年09月05日号から

間取りに影響を与え始めた

料理しないキッチン

 住宅は家族のくつろぎの城であり、主婦は台所仕事や洗濯など家事負担を軽減する間取りと設備を望む。ところが、それでも家事が十分にできない実態や、そもそも「料理はしない」というホンネもあるという。家事をやりきる建前や理想と同時に、やりきれない実態やホンネもしっかりくみ取ることが、重要になってきているのではないか。

働くお母さん10年で10%増
20110905_01_01.jpg 仕事を持つ女性が25~34歳の既婚者で大きく増えている。厚生労働省の最新の統計によると、2010年の仕事を持つ女性と就職を希望する女性をあわせた労働力人口の生産年齢人口に占める比率(労働力率)は、10年前の2000年に比べ年代別の30~34歳で最も上昇している(約11ポイントアップ)。
 これを既婚者と未婚者に分けてみると、伸びのほとんどが既婚者で、30~34歳と25~29歳がともに10年前のおよそ10ポイントアップ。実際に働いている人の割合である就業率で見ても、いずれも5割を超えた。10年前と比べ、やはり10ポイント程度アップしている。
 さらに、既婚者に子どもがいる場合はどうかという視点で見ると、子どもがいる場合にも25~34歳の女性の就業率は数ポイント上がっている。
 統計上は、子育て世帯で共働きが増えているということが言える。
 また国も25歳~44歳までの女性の就業率を9年後の2020年までに73%とする目標をかかげており、共働きの増加は止まらないだろう。

夕食を調理する時間がない
 このことは家事と家計にかなりの変化をもたらすと考えられる。家事にかける時間が不足する一方、家計の中での女性の経済力強化が進むことになる。これは総じて家庭内での女性の発言力強化につながる。
 インターネットポータル・ヤフージャパンの「Yahoo!知恵袋」お料理Q&Aという掲示板サイトでは、「夜ご飯の調理時間は」という質問に対し「短くて1時間半、ほぼ毎日2時間。朝・昼・夜と1日6、7時間はキッチンに立ってる計算になる」がベストアンサーとなっている。
 ところが東京電力「TEPCOくらしのラボ」が昨年8月に東電管内の自分で調理をする20代~60代の女性2060名を対象に行った調査では、調理時間は朝食が5~20分、夕食が30分~1時間という回答が多い。
 理想は2時間だがそんな時間はとれない。となると、おかずを1品減らすか減らさず購入するかいずれかになる。
 おかずを購入するのは子育て世代だけではない。60代以降の女性が台所に立つ時間の平均は、現在20分であると語るのがフードプロデューサーで食のプロデュース会社・(株)カルナ社長の小畑友理香氏。夕食の品数を3品とすれば、そのうち2品のお総菜を購入するのは、調理時間からみて当然だという。
 東電の調査によると、外食は減っていることが明らかだが、それは必ずしも調理することを意味せず、総菜の購入、レンジで「チン」の簡単調理傾向も見て取れる。
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