2013年 12月号
中山七里Shichiri Nakayama
大の映画好き。ブルーレイ・DVD・レーザーディスクあわせて数千作品のコレクションが並ぶ自室は、大型スクリーンや音響装置を完備したシアタールーム仕様。この部屋が執筆を行う「書斎」でもある。
デビュー3年で著書13作。睡眠時間を削るハードな執筆生活を送っている。「どんな商売でも無理しなければいけない時期があります。それは28年間のサラリーマン生活で身に染みた経験則。僕にとって今は無理して高いハードルを越えるべき時なんです」
最新刊『追憶の夜想曲(ノクターン)』は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』の続編。あの悪徳弁護士・御子柴礼司(みこしばれいじ)が再び法廷に立つ。著者によるキャッチコピーは「悪から善へのどんでん返し」。終盤へと加速する極上のスピード感はさすが中山作品だ。「ジェットコースターのようにノンストップでラスト一行まで一気読みしてもらうことを目指していつも書いています。自分が享受してきためくるめく読書体験に恩返ししたい思いもあるから」。『贖罪の奏鳴曲』はこのほど文庫化。「ぜひ二晩連続で読んでください」
執筆スペースはとてもコンパクト。ワープロとして使うノートパソコンだけが机上に。「僕は基本的に取材をしないし、資料も読まないので。そして余白にフィギュアが増えていくから、さらに他の物は置けなくなる(笑)」。写真左端は「ダークナイト」のジョーカー。ドアには「ドルビーデジタル」のロゴパネルが。本は別室書庫に収納。「僕がいま小説を書けているのは、これまでに観てきたたくさんの映画と読んできた多くの本、その財産があるからなんです」
(日販発行:月刊「新刊展望」2013年12月号より)
今月の作品
- 追憶の夜想曲
- 少年犯罪の過去を持つ“悪徳弁護士”御子柴礼司が甦った!「王様のブランチ」に絶賛された『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』の続編、刊行。 やり手ではあるが、依頼人に高額報酬を要求する“悪徳弁護士”として名高い御子柴礼司。
中山七里さんにとっての「トクベツな3冊」
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