カプコンのキーマン3人への独占インタビュー!

 2014年9月2日および2014年9月11日発売の週刊ファミ通では、2015年初頭発売予定の『バイオハザード リベレーションズ2』(以下、『リベレーションズ2』)の情報を掲載した。カプコンのキーマンであるシリーズプロデューサー・川田将央氏、プロデューサー・岡部眞輝氏、ディレクター・安保康弘氏の3人に、本作へ込められた想いを語っていただいた。

『バイオハザード リベレーションズ2』スペシャルインタビュー_01
▲ディレクター・安保康弘氏(左)、プロデューサー・岡部眞輝氏(中央)、シリーズプロデューサー・川田将央氏(右)。

『リベレーションズ2』が目指すものは“島バイオ”

――本作の制作チームが川田さん、岡部さん、安保さんになった経緯をお聞かせください。
川田 私と安保は前作『リベレーションズ』にも関わっています。岡部は業界歴が長く、『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』の制作もしていたので、本作のプロデューサーをお願いしました。
――最初に孤島のイメージショットが公開されましたが、これが物語の舞台なのですか?
川田 はい。初代『バイオハザード』では洋館、『リベレーションズ』では豪華客船といった具合に、閉ざされた場所が舞台になることは多いのですが、『リベレーションズ 2』は絶海の孤島が舞台です。“島バイオ”と呼ばれるような作品に育てていきたいと考えています。
安保 豪華客船よりも広い舞台となりますので、前作以上にいろいろな仕掛けを取り入れています。
――現在公開されている、老朽した収容所のような場所は、島にある施設なのでしょうか?
川田 はい。島全体が収容所というわけではなく、島の中に施設があると捉えていただければ。
岡部 「孤島の画像にある鉄塔のようなものは何だろう?」とか、「収容所はどんな構造になっているのか?」、「この闇の奥はどうなっているのか?」などなど、眺めていると気になるものがたくさん見つかると思いますが、いまはいろいろと想像してください。
――タイトルロゴとキーアートも気になります。どちらも赤っぽいのは、メッセージが込められているのでしょうか?
安保 前作『リベレーションズ』は舞台が海ということもあり、青くしていました。今回の赤は血を表現しています。また、クレアのイメージカラーでもあります。
――タイトルロゴは、鉄条網で縛られているようにも見えますが?
川田 見た目が痛そうなデザインにして、「触れちゃいけないもの」というイメージを強調しています。

『バイオハザード リベレーションズ2』スペシャルインタビュー_02
『バイオハザード リベレーションズ2』スペシャルインタビュー_03
『バイオハザード リベレーションズ2』スペシャルインタビュー_04
『バイオハザード リベレーションズ2』スペシャルインタビュー_05

ふたつのコンセプトから成る『リベレーションズ2』

――『リベレーションズ2』のコンセプトについてお聞かせください。
岡部 コンセプトはふたつあります。ひとつ目は、『バイオハザード』シリーズが構築したサバイバルホラーを存分に楽しんでいただけるものを作ること。もうひとつは、これまで以上に深いストーリーを、いかにドラマティックな見せかたをするか? ということです。
川田 サバイバルホラーは初代『バイオハザード』から受け継がれてきた要素ですし、前作『リベレーションズ』でもホラー部分を何より高く評価していただいた実績があるわけで、今回もしっかりサバイバルホラーとして作っていることをアピールさせていただきます。
安保 僕は新旧『バイオ』両方の開発経験があるので、僕の中で理解している“クラシカルなバイオ”のよさと、最近の“モダンなバイオ”のよさをうまく融合することが、前作のコンセプトでした。今回の『リベレーションズ2』では、これらをより推し進めた形にして、クラシカルかつモダンなものをお届けできると思います。
――クラシカルという言葉が出ましたが、11月27日発売予定の『バイオハザード HDリマスター』も発表されたばかりで、“クラシカルなバイオ”を広める意図があるのですか?
川田 そうですね。クラシックというより「サバイバルホラーの原点として素材のよさはそのままに、当時こだわっていた臨場感を現在の技術で表現することで、改めて恐怖を体験していただきたいと思い、制作を行ったのが『バイオハザード HDリマスター』です。
安保 『リベレーションズ2』は、ホラーに特化した1作目のような側面を出しつつも、現在の“モダンなバイオ”を、うまくミックスしたものに仕上がってきていると思っています。

ナンバリング『バイオ』のミッシングリンク

――なるほど。ドラマティックな要素は、どういったものになるのでしょうか?
岡部 物語が進んでいく中で、「この先はどうなるんだろう?」と先が気になる展開を、具体的にどうやったらお見せできるかをテーマに開発を続けています。これは、現状かなり実現できていると思っています。
――本作の時代背景はいつごろですか?
岡部 時系列は『5』と『6』のあいだで、前作『リベレーションズ』の直後というわけではありません。前作をプレイしていない方でも楽しめるものとなっています。もちろん、本作が初めてという人も問題ありません。
安保 とはいえ、これまでの『バイオハザード』シリーズとのつながりはしっかり意識しています。れっきとした“正史”の一編になっています。『2』や『コード:ベロニカ』に登場したクレアが主人公という部分もそのひとつですね。濃いファンの方がニヤリとするような、『バイオ』シリーズのオマージュ的な部分もあります。
――冒頭でクレアが収容所に囚われるシーンは、『コード:ベロニカ』を意識して?
安保 そうですね。狙ってやっています(笑)。舞台が孤島という点も、『コード:ベロニカ』と共通している部分です。
――『コード:ベロニカ』以外にも、シリーズ作品をオマージュしている部分はあるのでしょうか?
安保 けっこうありますね。『バイオ2』からのオマージュとか。ほかにも、シリーズファンの方なら「おっ、これアレやん!」みたいな楽しみかたができるものも、いろいろと仕込んでいます。
川田 『リベレーションズ』シリーズは、ナンバリング作品の隙間を補完する、ミッシングリンク的なポジションになります。単体で完結しつつも、『バイオハザード』シリーズの裏にある“語られざる真実”が明かされるわけです。

『バイオハザード リベレーションズ2』スペシャルインタビュー_06
『バイオハザード リベレーションズ2』スペシャルインタビュー_07

モイラはストーリー上重要な役割を担う人物

――主人公のひとりがクレアに決まったのは、どのような経緯で……?
安保 候補はいろいろ挙がりましたけど、わりとすんなりクレアに。
川田 「最近出てないよね」とか(笑)。同期(?)のレオンはよく出てきていますが。
安保 ただ、ファンの皆様からこれまで、「次回作があるとしたらクレアがいいな」というご意見はいただいていました。
――時代的にはクレアは30代だと思うのですが、性格などは昔とは違うのでしょうか?
安保 今回はモイラが登場することで、クレアは保護者的、そしてお姉さん的な立場になっています。もっといい言いかたをすると、若いモイラに対して、大人に成長したクレアを描こうというのが、本作のテーマのひとつなんです。モイラとのやり取りを見ていると、クレアの成長がうかがえます。
――なるほど。前作はストーリーの節目で、テレビドラマのようにそれまでのあらすじを振り返る演出や、つぎの話の予告などがありましたが、今回も期待していいのですか?
岡部 はい。好評だった予告シーンは健在ですよ。さらに、“シリアルドラマ”自体をもっと楽しめる形として提案したいと考えています。乞うご期待ということで(笑)。
――楽しみにしています(笑)。もうひとりの主役のモイラは、どんな人物でしょうか?
安保 最初からかわいらしい感じではないですが、ゲームを進めていくうちに、きっとプレイヤーに気に入ってもらえるキャラクターになるだろうと感じています。
川田 20歳のモイラは、テラセイブに就職したばかりです。社会人としてさまざまな体験をし、成長をしていく……はずが、初日からとんでもない目に遭う、かわいそうな人物です。
安保 ちなみにモイラの名前自体は、1作目の『バイオハザード』ですでに存在していたんですよ。『バイオハザード3』では、ちらっと姿も垣間見れました。プレイヤーキャラクターとして登場するのは今回が初めてですが、ストーリー面から見ても、とにかく重要な人物です。
――モイラは戦いではなく、謎解きが活躍の場となるポジションなのでしょうか?
川田 主人公がペアで行動するのは『5』でもやりましたが、短所としてペアが強力だと頼もしすぎて恐怖感が薄れてしまうという短所もありました。その点、モイラはか弱い存在で、『2』でシェリーがパートナーだったときの感覚に近いかもしれませんね。クレアのサポートとして、前作のジェネシスのようにライトでアイテム類を探索できるほか、強い光に弱いアフリクテッドをひるませたり、バールで攻撃するといった形でのサポートも可能です。
岡部 今回のコンビは特徴がはっきりしているので、状況に合わせてキャラクターを切り換えるといった、少しストラテジーな感じで遊んでいただけるかな、と思います。
――クレアを操作していて、モイラが死んだ場合もゲームオーバーになるのですか?
安保 アシストキャラクターのせいではゲームオーバーにならないので、その点は大丈夫です。ただ、気絶して動けなくなることはあるので、死なないからと無茶できるわけではありません。気絶したモイラは、プレイヤーがクレアを操作して助けなければいけません。
――アシストコープ(ふたり協力プレイ)はどのような流れになるのでしょうか?
川田 プレイヤーどうしで相談しながら進めますので、よりスムーズにゲームが進められると思います。もっとも、チームワーク次第というところもありますが。
――なるほど。話は変わりますが、“レイドモード”のようなものはあるのでしょうか?
岡部 そうですね。レイドモードは前作でプレイヤーの皆さんに喜んでいただけた要素ですので、ご期待に応えたいですね(笑)。
――期待しています(笑)。それと、アフリクテッドはどんな存在なのですか?
川田 凶暴で異形な者たち、とだけ言っておきます。ゾンビやガナードなど、これまでのシリーズに登場した敵とは異なる存在です。
――クレアやモイラの腕につけられている腕輪が、何か関係しているのでは……?
安保 この腕輪は、『リベレーションズ2』でもっとも重要なキーアイテムなんです。
岡部 コンセプトティザー映像もヒントになっていますが、腕輪をつけている人とつけていない人が出てくることにまず注目ですね。そして腕輪の色は緑や赤に変化すること。腕輪に関して現在言えるのは、このふたつです。
――アレコレと想像しつつ、続報をお待ちします(笑)。最後に、東京ゲームショウ 2014のプレイアブル出展に関して、体験時の注目ポイントなどをお聞かせいただけますか?
岡部 何者かに監視されている点や、クレアとモイラの役割の違いなど、演出面とシステム面の両方を堪能していただきたいです。
川田 試遊台の一部の機材には、贅沢なヘッドフォンシステムを用意します。最高の臨場感と恐怖を堪能していただけたらと思います。
安保 据え置きハードに向けて最適化した操作感へのこだわりは、実際にプレイすることでわかると思います。ぜひ体験してください。


バイオハザード リべレーションズ2
メーカー カプコン
対応機種 PS4プレイステーション4 / PS3プレイステーション3 / XOneXbox One / X360Xbox 360 / PCWindows
発売日 2015年初頭発売予定
価格 価格未定
ジャンル アクション・アドベンチャー / サバイバルホラー
備考 プロデューサー:岡部眞輝、ディレクター:安保康弘、シリーズプロデューサー:川田将央