現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. チリ地震
  5. 記事

Jアラート、津波で誤報 避難勧告解除直後にまた警報

2010年3月2日3時1分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

図拡大  

 南米チリの大地震で発生した津波で、総務省消防庁の全国瞬時警報システム(J―ALERT)が全国各地に警報や注意報を速報した際、津波警報が出ている地域にあらためて警報発令を流したり、注意報が解除された地域に誤って注意報発令を速報したりしていたことがわかった。自動的に速報内容を住民に流している自治体では、住民からの問い合わせが相次ぎ混乱した。消防庁は「システムがうまく対応できなかった」として、改善策の検討を始めた。

 神奈川県横須賀市では、2月28日午後7時過ぎ、市内406カ所の防災無線が「津波警報が発令されました。海岸付近の方は、高台に避難してください」と放送した。約2分後に市の職員が「東北地方の大津波警報が津波警報に格下げされたことをお知らせしたものです」と説明したが、その後、住民からは問い合わせや苦情の電話が相次いだ。

 同市では同日午前9時33分に警報が発令され、当時も継続中だったが、津波は20センチを超えず、約1時間前には避難勧告を解除したばかりだった。同じ放送が流れた同県三浦市では住民から「避難所に行った方がいいのか」などの問い合わせが市に約20件寄せられ、すでに閉鎖されていた避難所に出向いた60代の女性もいた。

 同様に警報発令中だった同県逗子市や千葉県勝浦市、和歌山県那智勝浦町でも横須賀市と同時刻に2度目の警報が流れ、住民から問い合わせや苦情が相次いだ。

 また、神奈川県茅ケ崎市では、1日午前8時40分に津波注意報が解除されたが、同じ時刻に「津波注意報が発令されました」と放送された。同市は15分後に「先ほどの津波注意報は誤報です。注意報は解除されました」と訂正した。

 混乱した自治体はいずれも消防庁のJ―ALERTの速報を受信すると自動的に防災行政無線が立ち上がり、速報内容をそのまま住民に知らせるシステムを導入している自治体だった。同庁によると、28日夜に警報が繰り返されたのは、大津波警報を津波警報に切り替える際には警報対象地域に改めて警報が流れる設定になっていたからだという。最大計30都道府県で同様の放送が流れた可能性があるという。茅ケ崎市の誤報では、注意報解除の情報が、システム上、発令と誤って速報されていた。

 消防庁国民保護室の担当者は「警報や注意報が順次切り替わっていく際にシステムがうまく対応できなかった」と説明。今後、システムを改良する方針だ。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内