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〈選択 09香川〉2区ルポ 多彩な地域性、訴え様々

2009年8月26日

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 8選を目指す自民前職の木村義雄氏の陣営は、かつてない危機感を募らせている。23日夜、丸亀市綾歌町のホールであった集会で、「『木村が危ない。何とか助けよう』とみなさんが来てくれた」と語り、詰めかけた人たちに感謝の気持ちを表した。

 前回選挙では民主新顔の玉木雄一郎氏に約3万票差を付けて勝ったが、今回は強い「逆風」を受けている。18日の公示日、陣営は坂出市とさぬき市津田町の2カ所で初めて出陣式を開いた。支援者回りやミニ集会を盛んに行い、地域の祭りなどに顔を出す。「暗い時代に明るく」というメッセージを込めて、ピンクのシャツに身を包むなど、きめ細かな選挙戦を展開している。

 86年、元衆院議員の父、武千代氏の地盤を継いで初当選し、その後も当選を重ねた。「厚生労働副大臣も経験し、障害者自立支援法の見直しでも中心となり、日本のどこに生まれ、住んでも安心な政策づくりをしてきた」などと、実績を強調する。

 その木村氏の固い地盤に、再び玉木氏が挑む。19日夜、東かがわ市の集会で「政治に新しい、より良い選択肢を提供したい」と強く訴えた。

 財務省の元キャリア官僚。05年選挙は投票日の1カ月前に退職して立候補し敗れた。その後の「浪人」時代は、駅前やスーパー前で演説を繰り返し、企業、団体、民家など地道にくまなく回っている。

 最近の集会で「『夜遅くまで働いているので集会に行けなかった』と言われた。姿を見せない人の思いを生かさなければ」と訴えた。「光のあたらないところに、光をあてる政治家になりたい」などと、地道な姿勢を打ち出す。

    ■    ■

 香川2区は、旧高松市を東西から挟むように広がる。東側のさぬき市、東かがわ市などの地域と、西側の坂出市や綾川町などだ。昔ながらの農業や漁業地域のほか、都市部、工業地帯、さらに新興住宅地もあり、有権者の関心も分かれる。無党派層が比較的多いとされる都市部では「風」を意識した選挙戦。田園地域などでは「縁故」「施策」など、より地域性や具体性が意味を持ってくる。

 23日の木村氏の集会。自民県議の1人が会場を見渡した後、「農家が民主から戻ってきてくれた」と言った。

 民主党が公約に掲げた農家の「戸別所得補償制度」に支持層を奪われると心配していたが、その後に民主党が米国との自由貿易協定(FTA)交渉に意欲を示した影響がでてきたと、この県議はみた。

 玉木氏は、寒川町(現さぬき市)の兼業農家の生まれ。綾川町のJA施設で開いた2日の集会では、「コメなどの関税引き下げや撤廃の考えはないという民主党の考えを、もっと丁寧に説明すべきだ」と語るなど、理解を求めている。

 幸福実現新顔の土居美佐子氏は、減税と国防強化などを訴えて浸透を図っている。(木脇みのり)

◇香川2区の候補者(届け出順、敬称略)

 木村義雄  61 自前 〈元〉厚労副大臣

 玉木雄一郎 40 民新 〈元〉財務省職員

 土居美佐子 50 諸新 幸福の科学職員

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