中国の「盲目の人権活動家」陳光誠氏(40)が治安当局の軟禁を逃れて米国政府に保護された事件で、陳氏が自宅を脱出して北京市内に到着するまでの4日間にわたる命懸けの脱出劇の一端が分かった。陳氏と北京で会った人権活動家の胡佳氏(38)が28日、警察当局に連行される前に明らかにした。
自身も当局の監視を受けている胡氏は、先週半ば、陳氏と北京市内で1時間10分ほど話をしたという。2人が会った具体的な日時や場所は伏せた。
胡氏によると、山東省沂南県東師古村の自宅に軟禁されていた陳氏は、3カ月ほど前から脱出を計画。血便が出るなど体調を崩していたが、22日、深夜に監視態勢が薄くなるのを待ち、塀をよじ登って自宅を抜け出した。
橋などの要所には見張り要員が先回りしていることが予想されたため、川につかりながら歩いて渡った。その後、「200回以上転倒した」といい、村を出たところで江蘇省南京市の支援者、何培蓉氏(40)らに連絡。支援者が車で到着するまで20時間余り、1人で身を隠して待っていたという。