2011年6月4日22時25分
「オービス」の名で知られる速度違反自動取り締まり装置の老朽化が進んでいる。検挙件数全国一の兵庫県では、フィルムを用いる古いタイプの更新が進まず、取り締まり件数も年々減っている。故障で作動していない装置もあり、にらみが利かない状態だ。
阪神高速や中国道など多くの自動車専用道や高速道路が通る兵庫県。自動装置による取り締まり件数は10年以上も前から全国の都道府県で最多で、昨年は1万700件にのぼった。しかし、件数は年々減少。2000年の1万8806件に比べ、約4割も減少した。
その一因が、装置の老朽化だ。県警によると、県内に現在設置されている65台のうち27台は旧式のフィルムで撮影する装置で、このうち5台が故障したまま作動していない。
1976年からフィルム式の装置を製造してきた東京航空計器(本社・東京)は、90年代に製造をやめ、デジタルカメラで撮影する方式に切り替えた。県警交通指導課は「故障しても交換する部品がない」と嘆く。