RobbinsのPathologic Basis of Diseaseを読んで以来の感動。２～３日で８０頁程（結構夢中で）読んだ内では、内容は解かりやすかった。何故そうなるのか？についてここまで詳しく、解かりやすく書いた理論書は見たことが無い。同著者の新音楽理論ワークブック（上巻）も適宜併用すれば良いかもしれない。上巻P３５の倍音系列のページが本書に乗っていれば更に良かった。この手の本は受験参考書と同じで、何故そうなるのか？を理解するための本（理解書）で、暗記用の安直本（記憶書）は別に用意すればいいだろう。他の教本でも同様の内容の記載もあったが、イキナリ結論が明示されているだけで何故そういう結論になるのか解からず（そうなると暗記するしかない）挫折したが、この本を読んだ後では”ナルホド”と理解でき、暗記量を減らせた。
和音は波動の重ね合わせなので、重ねる音の振動数がどのような関係にあるのは（これは物理学の常識です）非常に重要な因子ではあるが、フーリエ変換（級数）などの周波数解析数理が無い昔に、それを音の距離で割り出した”先人の知恵”は実に素晴しいと思う。天体の運行を司る法則を解明するための学問として、天文学や幾何学があったが、音楽もそうした学問の一つとして発展して来た事を想起すると（詳しくはのダメカンタービレを見てね、笑）感懐深いモノがあります。
因みに上巻P３５の倍音系列だが、８８鍵盤のピアノではもっと低い音まで出るが、ベートーベンが使っていたピアノはもっと鍵盤数が少なく、この倍音系列になるらしい。実際にサックスで倍音系列を出してチューナーで確認したが、個々の倍音が完全８度、５度、４度の距離にあったのが確認できた時は、チョッと感動モノだった 笑。
追記
筆者は1935年大連生まれ・・・例えが”大旦那”とか古いのには、”時代”を感じるが・・・読み返すほどに示唆に富んだ記載があり、頭脳明晰な方であるのが解かる。
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