もともと楕円関数は楕円積分,すなわち3次または4次の多項式の平方根を含む積分の逆関数として定義された.しかし本書では,2重周期をもつ有理型関数として,ワイエルシュトラースのペー関数による構成的方法に基づく理論を展開している.したがって,snやcnで知られるヤコービの楕円関数に関する記述は全くない.また楕円テータ関数についての記述もない.本書では,こういった解析学的な側面よりも代数学的理論構成に重点が置かれている.楕円関数の2つの周期の比 τ の関数である楕円モデュラー関数や,類体論へと導かれる虚数乗法論,5次以上の多項式の平方根を含む超楕円積分,そしてリーマン・ロッホの定理などの紹介がなされる.
証明はあまり細部の厳密性にこだわらないで,文献を引用するかたちをとっている.解析関数論に関しては一通りの説明がなされているが,抽象代数学については解説がない.読者は群,環,イデアル,体などについて十分理解しているものと想定されている.本書の記述で特徴的なのは,式や定理の番号が一切ないことである.引用する定理には言葉で名前を付けている.式は使う時にもう一度書いている.論文ならばこういう書き方をすると叱られるのだが,読者にとってはあちこちページをめくって探さなくても読めるのでありがたい.
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥2,750¥2,750 税込
ポイント: 83pt
(3%)
無料お届け日:
4月5日 金曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥2,750¥2,750 税込
ポイント: 83pt
(3%)
無料お届け日:
4月5日 金曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥2,250
中古品:
¥2,250

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
楕円関数概観 ―楕円積分から虚数乗法まで― 単行本 – 2015/6/25
三宅 克哉
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥2,750","priceAmount":2750.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,750","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"zN40TOJUrVGXcp202Z%2FBsTV25fPNp2%2Fwv%2BbF3%2BFpB%2FMVta%2Bdwhu5EDTu1kYgP%2B9zjKO6jPwcfhsT0DaMaTbnXrcr5rIF1XvJj1x9skfrLu%2F7pLNH%2BOTQOHtpQm21473jR%2B%2FuSCwpEHg%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥2,250","priceAmount":2250.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,250","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"zN40TOJUrVGXcp202Z%2FBsTV25fPNp2%2Fw6azz3Vn2sqon%2BqSQ2KcqDFvwTAY0TzMaT%2F5BlNt78EF6TfezlWLEPdfOfEpPL4WxhFLGxV8muHnQrZ8CPtYL3QF3JXjME3z8NQvxmJnZCAI2INKsVE%2FWcY19B6VU%2B2Ju%2BBMDvbnHiHv0dhCTCJtNDg%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
本書は,話題を楕円関数に特化し,それを歴史的な流れに沿って解説することで,数学の面白さに対する興味や関心が自然に繋がり高まっていくように試みたものである。楕円関数は,近年情報系分野の人たちにも注目されているが,何にもまして19世紀から20世紀の数学の方向を導いて来た話題である。クラインの言っていた三つの「A」,すなわち Arithmetic, Analysis, Algebra の統合・発展の契機となった話題であり,文化的な教養として取り上げるにふさわしい。また,本書の他に類を見ない特徴として「虚数乗法」の記述がある。楕円関数論にとって重大な役割を果たし,結局は100年をかけた類体論への道標となったものであり,アーベル,ヤコビ,クロネッカーらの系譜に流れているものを数学文化として顕在化しておくことは価値がある。本書は概観でしかないが,広大な数学世界へのひとつの足掛かりとしての役割を果たしてくれるだろう。
- 本の長さ136ページ
- 言語日本語
- 出版社共立出版
- 発売日2015/6/25
- 寸法15.3 x 1.3 x 21.7 cm
- ISBN-104320111109
- ISBN-13978-4320111103
よく一緒に購入されている商品

対象商品: 楕円関数概観 ―楕円積分から虚数乗法まで―
¥2,750¥2,750
最短で4月5日 金曜日のお届け予定です
残り2点(入荷予定あり)
¥3,300¥3,300
最短で4月4日 木曜日のお届け予定です
残り3点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 共立出版 (2015/6/25)
- 発売日 : 2015/6/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 136ページ
- ISBN-10 : 4320111109
- ISBN-13 : 978-4320111103
- 寸法 : 15.3 x 1.3 x 21.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 889,188位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,844位数学 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年6月14日に日本でレビュー済み
内容紹介
楕円積分から楕円関数の虚数乗法まで解説。また超楕円積分や超楕円曲線とそのJacobi多様体について、Riemann-Rochの定理に依拠して第一種微分の空間を決定し、これを用いて紹介する。
内容
第1章 楕円積分とそのRiemann面(円の弧長とレムニスケートの弧長;楕円積分 ほか);第2章 複素関数論から(複素平面上の基本的な図形;区分的に滑らかな曲線とJordanの曲線定理 ほか);第3章 楕円関数と周期加群(楕円積分の積分関数と逆関数;周期加群とWeierstrassの〓(ペー)関数 ほか);第4章 虚数乗法(複素輪環面の間の同型写像;Abelの意味での虚数乗法 ほか);第5章 超楕円積分とそのRiemann面(超楕円積分とそのRiemann面;超楕円曲線のJacobi多様体 ほか)
共著に「類体論講義」があり。第4章では類体論に関連した虚数乗法が登場。
参考文献として佐武一郎著「現代数学の源流」を勧めている。
レヴュアーには難い書き方なので内容紹介のみ。
まずyou tube動画: 350年間解かれなかった難問フェルマーの最終定理【なぜ1994年に解けたのか?数学的に背景ときっかけを解説】
:楕円関数論(19):保型形式への入り口
:楕円関数論しょーとこーす(1)Jacobiの楕円関数
などを見るのが非常に理解に役立つ。
もっと理解しやすい本は
「楕円積分と楕円関数 おとぎの国の歩き方」武部 尚志
「わかりやすい リーマン面と代数曲線(上) 」繭野 孝和
「保型関数: 古典理論とその現代的応用」志賀 弘典
「リーマン面と代数曲線」今野 一宏
楕円積分から楕円関数の虚数乗法まで解説。また超楕円積分や超楕円曲線とそのJacobi多様体について、Riemann-Rochの定理に依拠して第一種微分の空間を決定し、これを用いて紹介する。
内容
第1章 楕円積分とそのRiemann面(円の弧長とレムニスケートの弧長;楕円積分 ほか);第2章 複素関数論から(複素平面上の基本的な図形;区分的に滑らかな曲線とJordanの曲線定理 ほか);第3章 楕円関数と周期加群(楕円積分の積分関数と逆関数;周期加群とWeierstrassの〓(ペー)関数 ほか);第4章 虚数乗法(複素輪環面の間の同型写像;Abelの意味での虚数乗法 ほか);第5章 超楕円積分とそのRiemann面(超楕円積分とそのRiemann面;超楕円曲線のJacobi多様体 ほか)
共著に「類体論講義」があり。第4章では類体論に関連した虚数乗法が登場。
参考文献として佐武一郎著「現代数学の源流」を勧めている。
レヴュアーには難い書き方なので内容紹介のみ。
まずyou tube動画: 350年間解かれなかった難問フェルマーの最終定理【なぜ1994年に解けたのか?数学的に背景ときっかけを解説】
:楕円関数論(19):保型形式への入り口
:楕円関数論しょーとこーす(1)Jacobiの楕円関数
などを見るのが非常に理解に役立つ。
もっと理解しやすい本は
「楕円積分と楕円関数 おとぎの国の歩き方」武部 尚志
「わかりやすい リーマン面と代数曲線(上) 」繭野 孝和
「保型関数: 古典理論とその現代的応用」志賀 弘典
「リーマン面と代数曲線」今野 一宏