『はじめに』を見ると、「細菌、カビ、酵母などの微生物は、私たちの周辺にたくさん棲んでいて、私たちに利益をもたらしたり、害を与えたり」することが示されています。「害」という面でいうと、「ある細菌がコンクリートを腐食してぼろぼろにすること」「床下の土の中に」いる細菌が「ある条件下では地面の不均衡な隆起」を引き起こしたり、硫酸を発生させたりして、柱を支える束石やコンクリートををぼろぼろにし、結果、「宅地の盤崩れによる家屋の被害」がある市の周辺では1000戸もあったという驚くべき報告もなされています。
その一方、「益」という面では、「細菌をふくむ微生物は、地球上の、“有機ごみ”を分解して環境をきれいにしてくれる大切な存在です。さらに、たとえば、窒素ガスをアンモニアに変化させて植物に供給する細菌がいるほか、アンモニアから亜硝酸塩を経て硝酸塩にして再び窒素ガスにする窒素の循環に、数種の細菌が関与しています。また、硫化水素が単体硫黄を経て硫酸になり、再び硫化水素になる硫黄の循環にも、数種の細菌が関与しているのです」と、あります。
著者は、「物質循環に関与している細菌には、無機物だけで生きることのできる無機栄養細菌(独立栄養細菌)が多いのです」と述べ、自身が、「約40年間、このような無機栄養細菌の研究をしてきた」者であり、「本書では、主に無機栄養細菌の特徴などを述べ、その地球環境および人間との関係について述べてみようと思います」と、執筆動機を示します。
さらにまた、「地球の表面(海底、大気を含む)には様々な微生物が生息していて、人間はそれらのおかげで生きてゆくことができるともいえます。微生物の中には病原菌など人間にとって都合の悪いものもありますが、ここでは地球環境と密接に関係した微生物を取り上げ、それらが人間の生活にどのように関わっているか考えたいと思います。このように(微)生物を介した人間と地球の相互作用を研究する学問分野を『生物地球化学』といいますが、本書ではその一端をご紹介することができると思います」とも記しています。
当該書籍は、技術評論社の「知りたい!サイエンス」シリーズの一冊として発行されました。新たに加えられた当該書籍も、専門的な情報を、かみくだいて提供してくれるものです。
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地球とヒトと微生物 ―身近で知らない驚きの関係― (知りたい!サイエンス) 単行本(ソフトカバー) – 2015/4/21
山中 健生
(著)
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ヒトが生きていく上で欠かせないもの、それが微生物。
肉眼では見えない小さな生き物が、地球という大きなものに多大なる影響を与えている。
微生物と地球の関係とは?
それがヒトの生活にどう関わっているのか?
そういう関係を追求するのが「生物地球化学」。
「生物地球化学」を通じて、微生物を介した地球とヒトの相互作用を見てみると、いろいろなことが見えてくる。
「生命地球化学」に興味のある方、勉強されている方にとくにお薦めな1冊です。
『地球とヒトと微生物』概要
第1章……微生物とは何か
第2章……シトクロム
第3章……自然界における窒素の循環と細菌たち
第4章……自然界における硫黄の循環と細菌たち
第5章……細菌による鉄の酸化と還元
第6章……炭素の循環と微生物
第7章……地球のマグマ活動と古細菌
第8章……生命の起源当時の生物は何を食べていたか
肉眼では見えない小さな生き物が、地球という大きなものに多大なる影響を与えている。
微生物と地球の関係とは?
それがヒトの生活にどう関わっているのか?
そういう関係を追求するのが「生物地球化学」。
「生物地球化学」を通じて、微生物を介した地球とヒトの相互作用を見てみると、いろいろなことが見えてくる。
「生命地球化学」に興味のある方、勉強されている方にとくにお薦めな1冊です。
『地球とヒトと微生物』概要
第1章……微生物とは何か
第2章……シトクロム
第3章……自然界における窒素の循環と細菌たち
第4章……自然界における硫黄の循環と細菌たち
第5章……細菌による鉄の酸化と還元
第6章……炭素の循環と微生物
第7章……地球のマグマ活動と古細菌
第8章……生命の起源当時の生物は何を食べていたか
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社技術評論社
- 発売日2015/4/21
- ISBN-10477417310X
- ISBN-13978-4774173108
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商品の説明
著者について
山中健生(やまなか・たてお)
1932年高知県に生まれる。
県立高知丸の内高等学校から大阪大学理学部に入学、化学生物学コース(生物学科)卒、同大学院で生物化学専攻、理学博士。
1960年大阪大学理学部助手、同助教授。
1982年東京工業大学理学部教授、1991年同生命理工学部教授。
1993年同大学を停年退官、同名誉教授。
1993~2002年日本大学理工学部教授。
2002~2012年高知工科大学客員教授。
1964~1966年米国カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員。
主要著書:文献に引用したものの他、「微生物のエネルギー代謝」(学会出版センター)、「微生物学への誘い」(培風館)など多数。
1932年高知県に生まれる。
県立高知丸の内高等学校から大阪大学理学部に入学、化学生物学コース(生物学科)卒、同大学院で生物化学専攻、理学博士。
1960年大阪大学理学部助手、同助教授。
1982年東京工業大学理学部教授、1991年同生命理工学部教授。
1993年同大学を停年退官、同名誉教授。
1993~2002年日本大学理工学部教授。
2002~2012年高知工科大学客員教授。
1964~1966年米国カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員。
主要著書:文献に引用したものの他、「微生物のエネルギー代謝」(学会出版センター)、「微生物学への誘い」(培風館)など多数。
登録情報
- 出版社 : 技術評論社 (2015/4/21)
- 発売日 : 2015/4/21
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 272ページ
- ISBN-10 : 477417310X
- ISBN-13 : 978-4774173108
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