「各章の冒頭で引用する手紙はパスカルからフェルマーに宛てて書かれたものである。パスカルはのちの参照のために手紙の各節に番号をふっていた。この手紙は物語の進行にしたがって、各章ごとにだんだん示していく。」
静かに、じっくりと、丁寧に進んでいきます。薄く、軽く、持ち運び可です。
ある程度、数学である確率を知らないと読み進めることをつらく感じるかもしれません(タイプ1)。一方、数学である確率を知っているとこんなこと全部知っているよと感じるかもしれません(タイプ2)。
主としてタイプ2に該当する人のために、訳者による〔 〕註があり、より豊潤なものがすぐそこにあることを示唆しています。
ただ、自分が思うに、タイプ1とタイプ2との間に、思ってもみないような人々が本書のような書を求めているような気がします。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
世界を変えた手紙――パスカル、フェルマーと〈確率〉の誕生 単行本 – 2010/10/28
未来を数値的に捉えることが想像すらできなかった時代に、偶然の未来を数学的に覗き見るという概念、すなわち〈確率〉の基盤をつくった二人の数学者。彼らの往復書簡を紹介しながら、確率によって未来を評価しうるようになったことが人類の「未来」に対する考え方をどのように変えたか、数学的な確率の誕生と発展の歴史を眺望する。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2010/10/28
- ISBN-104000062778
- ISBN-13978-4000062770
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2010/10/28)
- 発売日 : 2010/10/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 192ページ
- ISBN-10 : 4000062778
- ISBN-13 : 978-4000062770
- Amazon 売れ筋ランキング: - 636,122位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年1月11日に日本でレビュー済み
2024年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
購入理由は、確率論のはじまりと言われるパスカルとフェルマーについて知りたかったから。
読んでみると、確率の歴史に触れながらパスカルとフェルマーについて話が進んでいく形だった。
最初は
早く2人の手紙について教えてくれ!
という気持ちだったが、確率論の歴史を知ることで、パスカルとフェルマーのやりとりについて理解が深まったと感じている。
読んでみると、確率の歴史に触れながらパスカルとフェルマーについて話が進んでいく形だった。
最初は
早く2人の手紙について教えてくれ!
という気持ちだったが、確率論の歴史を知ることで、パスカルとフェルマーのやりとりについて理解が深まったと感じている。
2011年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日経新聞の書評を見て買いましたが、期待したほどのスリリングさは感じられませんでした。
文化史(数学史)に関心がある方には面白いかもしれませんが、訳は原文が想像できそうな
直訳でいささか読みづらかったです。
「かなり豊かな人にとってさえ、財産の半分を失う痛みは財産を二倍にする喜びと利益より
ずっと大きい」(p120)のくだりは行動経済学の本にも出てきそうで、ちょっと面白かったです。
また、学生時代習った化学工学(流体力学)に出てきたベルヌーイの名前が懐かしかったです。
文化史(数学史)に関心がある方には面白いかもしれませんが、訳は原文が想像できそうな
直訳でいささか読みづらかったです。
「かなり豊かな人にとってさえ、財産の半分を失う痛みは財産を二倍にする喜びと利益より
ずっと大きい」(p120)のくだりは行動経済学の本にも出てきそうで、ちょっと面白かったです。
また、学生時代習った化学工学(流体力学)に出てきたベルヌーイの名前が懐かしかったです。
2020年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「往復書簡」とは、パスカルとフェルマーの間で、1654年の4か月間に交わされた一連の手紙のことです。しかし、この短い手紙の中には、その後の世界を大きく変えることになる「確率論」の深淵な問題が隠されているとは、当時の大天才である二人でも、さすがに全く気が付きませんでした。
そもそも、この「往復書簡」は、パスカルの友人のギャンブラーが、「未完のゲーム」(途中で中断されたゲームの掛け金の配分方法)の解法をパスカルに尋ねたのが始まりです。そしてパスカルは、自分の解法が正しいかどうかをフェルマーに手紙で問い合わせ、ファルマーがそれに答えていく形で交流は進んでいきます。
一見、簡単そうに見える問題でありますが、当代の二人の大天才が頭を悩ますほどの重要性が隠されており、これ以降、グラント、ホイヘンス、ベルヌーイ、ラプラス、ガウス、ベイズと受け継がれ、現代の保険・金融・政治・経済・インターネットなど、あらゆる方面の重要な基礎となる「確率論」へと発展してきたわけです。
こういった背景からすれば、この短い「往復書簡」は、まさしく「世界を変えた手紙」のタイトルにふさわしいものと申せましょう。また、手紙を通して議論を深めていく過程では、数学的議論のち密さはもちろんですが、文面に溢れるお互いの才能への認識と敬服、そして慈愛に満ちたやり取りには、一遍の文学小説を読むようなすがすがしさを感じます。
「確率論の本」と言うと、「統計本」と並んで、やたら数字ばかりが出てくる「確率計算の解説本」というイメージでしたが、「未完のゲーム」解法を探った経緯を縦糸に、当時の時代背景と多くの「知の偉人たち」の人間模様を横糸に、二人の心温まる交流をまざまざと再現してくれる、この本のキースの筆力は圧巻です。
また、訳者である原啓介氏は見事な翻訳に加え、訳者自ら「訳注」として原書の脚注に併記している点は、“よく分かっていなければできない事”であり、読み進める上で理解の大きな助けとなりました。とかく、脚注は読み飛ばしがちですが、この本に限っては、本文と併せて、脚注・訳注を丁寧に読むことをお勧めします。
今まで、確率・統計本には何度も挫折しましたが、この本でその恐怖症もなくなりましたので、再チャレンジしてみようと思います。尚、この本の趣旨から、確率計算の部分はかなり割愛してありますので、副読本として 「9つの確率・統計学物語(松原望著、SBクリエイティブ)」 をお勧めします。
そもそも、この「往復書簡」は、パスカルの友人のギャンブラーが、「未完のゲーム」(途中で中断されたゲームの掛け金の配分方法)の解法をパスカルに尋ねたのが始まりです。そしてパスカルは、自分の解法が正しいかどうかをフェルマーに手紙で問い合わせ、ファルマーがそれに答えていく形で交流は進んでいきます。
一見、簡単そうに見える問題でありますが、当代の二人の大天才が頭を悩ますほどの重要性が隠されており、これ以降、グラント、ホイヘンス、ベルヌーイ、ラプラス、ガウス、ベイズと受け継がれ、現代の保険・金融・政治・経済・インターネットなど、あらゆる方面の重要な基礎となる「確率論」へと発展してきたわけです。
こういった背景からすれば、この短い「往復書簡」は、まさしく「世界を変えた手紙」のタイトルにふさわしいものと申せましょう。また、手紙を通して議論を深めていく過程では、数学的議論のち密さはもちろんですが、文面に溢れるお互いの才能への認識と敬服、そして慈愛に満ちたやり取りには、一遍の文学小説を読むようなすがすがしさを感じます。
「確率論の本」と言うと、「統計本」と並んで、やたら数字ばかりが出てくる「確率計算の解説本」というイメージでしたが、「未完のゲーム」解法を探った経緯を縦糸に、当時の時代背景と多くの「知の偉人たち」の人間模様を横糸に、二人の心温まる交流をまざまざと再現してくれる、この本のキースの筆力は圧巻です。
また、訳者である原啓介氏は見事な翻訳に加え、訳者自ら「訳注」として原書の脚注に併記している点は、“よく分かっていなければできない事”であり、読み進める上で理解の大きな助けとなりました。とかく、脚注は読み飛ばしがちですが、この本に限っては、本文と併せて、脚注・訳注を丁寧に読むことをお勧めします。
今まで、確率・統計本には何度も挫折しましたが、この本でその恐怖症もなくなりましたので、再チャレンジしてみようと思います。尚、この本の趣旨から、確率計算の部分はかなり割愛してありますので、副読本として 「9つの確率・統計学物語(松原望著、SBクリエイティブ)」 をお勧めします。