昔の日本人ランナーは速かった。
特に1980年代の日本人マラソンランナーは本当に速かった。（女子は95年くらいから2005年くらいまで）
どんな大会においても必ず優勝候補の筆頭として挙げられ、そして必ず優勝争いを演じた。
走れば常に世界記録更新の期待もあった。まさに今のケニア勢のようだった。
それが今や、世界で戦える選手はゼロ。30年前に普通にマークされていたサブ９をクリアできる選手はほんのわずか。
世界はサブ３、４で戦っているというのに・・・。
とは言え、私は現在のプロ及び実業団のトップ選手たちを糾弾するつもりは全くない。
何故なら遅くなった原因は我々日本人全体が抱えている様々な問題から起因していると思うからだ。
この本を読めばそれが解決できる というわけではないし問題はもっと複雑だ。
しかし、ここに登場するレジェンド達のインタビューを読めば、彼ら彼女らが何故レジェンドたるかを感じることができるし、その一言では表現できない、レジェンド達の哲学を読み取ることが日本マラソン界復活のヒントになるのは間違いない。
特に私は中山選手が現役中に「ラーメン５杯食べた」という件は笑いとともに、雑草から這い上がってきた男の強さのようなものを強く感じた。現役時代、実直、誠実そうに見えた森下選手なんて、実は若かりし頃はヤンキー兄ちゃんみたいです。こういうわけのわかんない強さが今のマラソン界に必要なんですよ。
そう思わせるレジェンド達の逸話が盛りだくさんです。いいなぁこういう話。
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