DVは、DV加害者とDV被害者の二者だけでは成立しえず、
悪意無くDV加害者を支援し、
悪意無くDV被害者を追い詰める 第三者の存在があって初めて成立する。
これについての理解を深めました。
p.41-42から引用
次のチェックリストで該当する項目が六以上ある人は、虐待しているDVの加害者である可能性が大変に高いと思ってください。・・・・即座に援助を求めてください。・・・・DVは二人のあいだだけで解決するのは困難だからです。
チェックリストに適応する項目が四つ以上あった人は、DVが起きているのではないかもしれませんが、そうなる可能性があるので、やはり、誰か、相談する人が必要です。
感想:
加害者が気付いて、誰かに援助を求めることは、まず、ありえません。DVを継続することが、加害者の特になるから。
被害者が気付いて、援助を求めない限り、第三者が手を差し伸べようとしても、徒労に終わることでしょう。
加害者は、被害者の脳を、第三者の救いの手を払いのけるように作りかえていることが多い。
気付いて誰かに援助を求めるような加害者のほとんどは、加害者になりえないでしょう。
p.114から引用
ストレスはドメスティック・バイオレンスの原因ではない
彼は誰に対していつ暴力をふるうかを選んで行動に移しているのです。・・・・時と相手を選んで暴力をふるっています。
感想
そうです。どんなにストレスを感じても、強い相手には、そのストレスを見せさえしないことが多いでしょう。弱い相手に、暴力をふるっても何の不利益も不都合も生じない相手に、暴力をふるうのです。
p.115から引用
被害者の性格や言動がドメスティック・バイオレンスの原因ではない
感想
この言葉に、救われます。救われますが、疑問は少しだけ残ります。責任感がなく弱い人間であれば、程度が酷い暴力に長期間たえられず、刑務所か精神病院かあの世に引っ越してしまうため、DV生活が成立しないような気がします。その意味で、被害者の性格や言動にも原因があるケースが少なからず含まれるのではないでしょうか。
「例え妻がどんなに夫の怒りを誘発する態度をとったとしても、妻を殴る権利など夫は持っていないのです。」という言葉については、全面的に、そう思います。
p.231から引用
アルコール依存症は病気ですが、ドメスティック・バイオレンスは犯罪です。
「暴力をふるっても許容される社会があるから男性は殴り続ける。」
意訳
アル中は病気だが、DVは犯罪。
アル中の妻は、羞恥心により隠れるが、DVの妻は、恐怖心により隠れざるを得ない。起きていることを誰に話さずとも殴られるが、誰かに話せば、更に激しく殴られる。
アル中の妻は、未亡人になるが、DVの妻は、骨と灰になる。
p.232から引用
殴られる女性たちはアルコール共依存者と同様に、夫や恋人の問題を自分の問題としてしまう傾向がありますが、殴られる女性たちが暴力の関係から逃れられない最大の理由は、共依存関係にあるのではなく、二人のあいだの経済的社会的力関係の差異と加害者への恐怖とにあります。
感想
全く以てそう思います。
ACDはACAを含みますが、アル中を親に持った子とDVを親に持った子とでは、親に対する許しや受容の有り様が異なって当然だと思います。片や病人であり片や犯罪人なのですから。
もっと早くに、この本に出会いたかった。
p.232から引用
DV被害者は援助を求めようものなら、殴られるか家に監禁されるかなのです。
DV被害者は夫からの暴力的なレイプの対象になることがしばしばです。
アルコール共依存者は未亡人になるのに対して、DV被害者は死者になるということです。
感想
DV加害者とDV被害者の間で中立を保とうとする者は、悪気はないでしょうが、結果的に、DV加害者の共犯者になりうるでしょう。
p.233から引用
アルコール依存社の回復のためのかうんせりんぐで用いられる手法はDV問題に役に立つものもありますが、逆効果になることもあります。
どんなカウンセリングも、1)相手への共感、2)自虐的な行動様式や思考パターンの問題点への気づきをもたらす。3)行動様式の変化へのサポート、この三つの微妙なバランスを必要とします。
しかし、DV被害者の場合は問題点の指摘よりも、彼女の人間としての価値と尊厳を繰り返し認識させる言葉かけや、自分をいとおしく思えるような治療的経験を重ねることが最も大切になります。加害者からの身体的、経済的、心理的コントロールやマインドコントロールに対抗できる自尊感情を回復することです。
感想
逆をかえせば、DV被害者が、人格と知性と行動力を認める人物が存在せず、存在したとしてもその人物がDV被害者を発見して共感することがなければ、DV被害者は永遠に自尊感情を取り戻すこともなく、従って、気付くこともないということでしょうか。
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ドメスティック・バイオレンス〔小学館文庫〕 (小学館文庫 も 4-1) 文庫 – 2007/10/5
森田 ゆり
(著)
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DV問題を白日にさらした名著がついに文庫化。時代の変化にともなう法律の改正などにより大幅な加筆修正を加えました。DVの実例から暴力や暴言を繰り返す「する側」の心理と、逃げたいと思いながらも相手のもとを離れない「される側」の心理を分析し、具体的にどうすればいいのかを探ります。さらにDVの環境下で育った子どもに与える影響とその危険性についても警告。もはやこの問題を避けて現代社会は語れないのです。
- 本の長さ360ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日2007/10/5
- ISBN-104094082131
- ISBN-13978-4094082135
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登録情報
- 出版社 : 小学館 (2007/10/5)
- 発売日 : 2007/10/5
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 360ページ
- ISBN-10 : 4094082131
- ISBN-13 : 978-4094082135
- Amazon 売れ筋ランキング: - 72,753位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 394位小学館文庫
- - 1,408位社会学概論
- - 12,448位暮らし・健康・子育て (本)
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2015年6月15日に日本でレビュー済み
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とても、DVについて分かりやすく書かれています。男女共同参画のセミナーに参加しても、身体の暴力がDV。という貧困さです。そのために、私がうけてきたものが、精神的に追い詰められていく心の暴力だったことが明確にわかりました。そして、とても分かりやすいせつめいが、怒りの仮面、にこにこ仮面の裏には、たくさんの、傷ついた気持ちが隠れていて、その過去の傷ついた気持ちが刺激されて、DVがおきる。その加害者が自分が決めた相手だけを選んで、自分の意思で暴力という行動を選んでいる事。まさに、日本中に起きている日常茶飯事のいじめや、虐待の事件です。自分の感情を知り、それを言葉で、相手に伝わる表現が出来る事が、成熟した社会をつくってゆくのではと、思いました。
2015年1月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「日本女性の4人に1人が・・・暴力を受けている」ということを知り、思っていた以上に誰にでも起こりうる、深刻な問題に驚いた。まだ読み始めたばかりだが、非常に勉強になる良書と思う。女性だけでなく男性も呼んでほしい。
2005年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前半はDVの特徴について、
後半は被害者の人をどうサポートしていくか
今まで自分の中でDVに対して偏見を持っていたか、
改めて思い知らされました。
DVを受ける人は共依存だとか、あんないい亭主が
そんなことするはずがない、とか
夫婦間の問題だからとか、そうされるおまえが何か悪い
ことをしたんだろとか多くの偏見があり
そしてそれらの偏見によりさらに被害者が
追いやられつらい日々を過ごしているか、
被害者が逃げようにも逃げれない虐待のサイクルに
がんじがらめに合い、第三者の介入なしにでは絶対に
逃れられないほどの恐ろしいコントロール。
虐待のサイクルの仕組み、被害者への影響、
子供への影響、加害者はどのような人なのか、
なぜそのような事をするのか、
そして調査によるデータでの現状など
詳しく書かれています。
後半では、被害者・加害者のためにどう取り組むか(対応ガイド)
被害者の話を聴く事が大切な事、日本の法律の現状、問題点
DVとアルコール依存症について、ティーンエンジャーの事に関して。
などなどが詳しく書かれています。
全体を通して非常に分かりやすく書かれてあり、大変よかったです。
後半は被害者の人をどうサポートしていくか
今まで自分の中でDVに対して偏見を持っていたか、
改めて思い知らされました。
DVを受ける人は共依存だとか、あんないい亭主が
そんなことするはずがない、とか
夫婦間の問題だからとか、そうされるおまえが何か悪い
ことをしたんだろとか多くの偏見があり
そしてそれらの偏見によりさらに被害者が
追いやられつらい日々を過ごしているか、
被害者が逃げようにも逃げれない虐待のサイクルに
がんじがらめに合い、第三者の介入なしにでは絶対に
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虐待のサイクルの仕組み、被害者への影響、
子供への影響、加害者はどのような人なのか、
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そして調査によるデータでの現状など
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後半では、被害者・加害者のためにどう取り組むか(対応ガイド)
被害者の話を聴く事が大切な事、日本の法律の現状、問題点
DVとアルコール依存症について、ティーンエンジャーの事に関して。
などなどが詳しく書かれています。
全体を通して非常に分かりやすく書かれてあり、大変よかったです。
2013年11月13日に日本でレビュー済み
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著者の思いのよう、とにかく、男性の方、読んでください!気づかない内に、学習してしまった性差別の社会観念。暴力という選択された支配システムのメカニズム。男らしさ、女らしさから、生産されてしまう、決してあってはならない悲劇。また、これからの若者に託される希望で締めくくられており、啓発的な良書です。