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アメリカは、キリスト教原理主義・新保守主義に、いかに乗っ取られたのか? 単行本 – 2008/9/30
ブッシュ後、アメリカは変われるか?
デモクラシーは姿を消し、超格差社会の貧民大国となり教育の場では科学が否定され、子供たちの「愚鈍化」が進む。アメリカは“彼ら”の支配から脱出できるのか。
デモクラシーは姿を消し、超格差社会の貧民大国となり教育の場では科学が否定され、子供たちの「愚鈍化」が進む。アメリカは“彼ら”の支配から脱出できるのか。
- 本の長さ352ページ
- 言語日本語
- 出版社作品社
- 発売日2008/9/30
- ISBN-104861822181
- ISBN-13978-4861822186
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登録情報
- 出版社 : 作品社 (2008/9/30)
- 発売日 : 2008/9/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 352ページ
- ISBN-10 : 4861822181
- ISBN-13 : 978-4861822186
- Amazon 売れ筋ランキング: - 177,724位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 62位アメリカのエリアスタディ
- - 852位政治入門
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年10月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
十分に調べつくした名作。現代アメリカを知るために、必読の書。
2011年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1956年のSF映画『ボディー・スナッチャー恐怖の街』で、
宇宙人が寝ている間に住民の体を乗っ取っていることに気づいた主人公の台詞。
だが、当時は、共産主義の脅威を描いたものと理解されていた。
時は流れて、今日、この映画を見れば、それが、そのまま新自由主義の侵略に
置き換えることが出来るのだから皮肉なものだ。
それにしても、新自由主義者と超保守主義者の忍耐強さ、辛抱強さには恐れ入る。
これじゃあ、気まぐれでお人よしの進歩派は負けるよなとしみじみ納得。
かくいう私も、規制緩和とか民営化には、まんまと騙されました。だって、役人
の傲慢で非効率な仕事ぶりを見てると、いや、そのとおりだって思うもの。
しかし、それでも、規制緩和だの民営化よりはまだましだったということか。
経営の悪化した企業の代表者が、今後、一層のコスト削減につとめ…などという
コメントを発表するとき、それは、株主様の利益のために、株主様の利益のためだけに
って聞こえてくる。かつては、企業の社会的責任が第一だったような気がするけど
そういうものよりも利益が、利益が…って。
サッチャー主義者のレーガンとは、ロン・ヤスと呼び合う仲だった中曽根元首相を敬愛
していて、その教えを乞う野田首相って、馬鹿なのかな?
宇宙人が寝ている間に住民の体を乗っ取っていることに気づいた主人公の台詞。
だが、当時は、共産主義の脅威を描いたものと理解されていた。
時は流れて、今日、この映画を見れば、それが、そのまま新自由主義の侵略に
置き換えることが出来るのだから皮肉なものだ。
それにしても、新自由主義者と超保守主義者の忍耐強さ、辛抱強さには恐れ入る。
これじゃあ、気まぐれでお人よしの進歩派は負けるよなとしみじみ納得。
かくいう私も、規制緩和とか民営化には、まんまと騙されました。だって、役人
の傲慢で非効率な仕事ぶりを見てると、いや、そのとおりだって思うもの。
しかし、それでも、規制緩和だの民営化よりはまだましだったということか。
経営の悪化した企業の代表者が、今後、一層のコスト削減につとめ…などという
コメントを発表するとき、それは、株主様の利益のために、株主様の利益のためだけに
って聞こえてくる。かつては、企業の社会的責任が第一だったような気がするけど
そういうものよりも利益が、利益が…って。
サッチャー主義者のレーガンとは、ロン・ヤスと呼び合う仲だった中曽根元首相を敬愛
していて、その教えを乞う野田首相って、馬鹿なのかな?
2009年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ハイエクの流れを汲むシカゴ学派の新自由主義的なグローバリズムは、多国籍企業とそのオーナーが富を独占し彼らのような極少数の勝者と、アメリカという先進国にいながら満足な医療、教育すら受けられない無数の敗者を生み出した。
新自由主義について、著者が皮肉な喩えをもって批判するように、食事をするしないという自由は誰にでもある。だが、そもそも食べようにも肝心の食事すらない場合はどうすればいいのだ。これら日々の食事を事欠くレベルにまで落ちてしまった人たちは働いてないわけではない。週6日間50時間働いても時給5ドル程度という極端なまでに安すぎる最低賃金では生活できないのである。アメリカは一度貧困にはまると逃れられないシステムなってしまったのだ。日々の食事に事欠く人が人口の13%にものぼるという。これは発展途上国ではないアメリカでの話である。
では、そのシステムは誰が作ったのか。超リッチな多国籍企業オーナーなど新保守主義者いわゆるネオコンとキリスト教原理主義者が30年以上かけて入念に作っていったのである。その両方を代表するブッシュはまさに彼らにとって理想の大統領であった。
政府乗っ取りのカラクリは新自由主義経済によって潤った多国籍企業またはオーナーが、自分が設立したか、もしくは既存の新保守的思想の財団やキリスト教原理主義の教会に寄付をする。なんと税控除まであるので、呆れたことにまともに納税なんかしない。アメリカの大金持ちは寄付をするというが、こういうものに寄付をして美談にされてはかなわない。
そのお金を財団が新保守系のシンクタンクに流し、右派の新自由主義やキリスト教原理主義の思想を持った研究者かお金に弱い学者を抱え込む。そしてシンクタンクから政権に人材を送り込む。それによって政権中枢からアメリカをコントロールする。石油関連、自動車関連なら地球温暖化にCO2は関係ないという学説を広めたり、国際競争力が落ち雇用が守れないという理由で京都議定書を踏みにじる。食肉業界ならBSEの危険性を無視する。日本が米国産牛肉を輸入禁止し、BSEの全頭検査をするとヒステリックなまでに「アメリカの調査で安全だから、アメリカの牛肉はなんら問題ない。全頭検査など非科学的だ」と繰り返した担当官の顔が浮かんできた。そこには彼の支持母体である企業利益だけがある。
さらに念を入れて、メディアにも多額の金をばら撒いている。マードック氏率いるFOXなど新保守系メディアもあり、ニュースよりもゴシップやエンターテイメントを充実させ人々を誘導する。そのニュースも見解は新保守的で、中身はインフォメーションとエンターテイメントを組み合わせた造語インフォテイメントなる言葉が表すような政治や社会問題よりもゴシップ中心のニュースである。
最後は政治献金という札束をもったプロのロビーストがロビー活動を強烈に展開する。中にはイスラエルや韓国からの政治献金もあるという。これではまともな外交政策などできるわけがない。
この傾向は民主党が政権をとったとしても変わらないという。アメリカの闇はそれほど濃い。
キリスト教原理主義については本書を読まれること期待する。科学教育の否定とカルトのような黙示録的終末思想に思わず寒気がした。
新自由主義について、著者が皮肉な喩えをもって批判するように、食事をするしないという自由は誰にでもある。だが、そもそも食べようにも肝心の食事すらない場合はどうすればいいのだ。これら日々の食事を事欠くレベルにまで落ちてしまった人たちは働いてないわけではない。週6日間50時間働いても時給5ドル程度という極端なまでに安すぎる最低賃金では生活できないのである。アメリカは一度貧困にはまると逃れられないシステムなってしまったのだ。日々の食事に事欠く人が人口の13%にものぼるという。これは発展途上国ではないアメリカでの話である。
では、そのシステムは誰が作ったのか。超リッチな多国籍企業オーナーなど新保守主義者いわゆるネオコンとキリスト教原理主義者が30年以上かけて入念に作っていったのである。その両方を代表するブッシュはまさに彼らにとって理想の大統領であった。
政府乗っ取りのカラクリは新自由主義経済によって潤った多国籍企業またはオーナーが、自分が設立したか、もしくは既存の新保守的思想の財団やキリスト教原理主義の教会に寄付をする。なんと税控除まであるので、呆れたことにまともに納税なんかしない。アメリカの大金持ちは寄付をするというが、こういうものに寄付をして美談にされてはかなわない。
そのお金を財団が新保守系のシンクタンクに流し、右派の新自由主義やキリスト教原理主義の思想を持った研究者かお金に弱い学者を抱え込む。そしてシンクタンクから政権に人材を送り込む。それによって政権中枢からアメリカをコントロールする。石油関連、自動車関連なら地球温暖化にCO2は関係ないという学説を広めたり、国際競争力が落ち雇用が守れないという理由で京都議定書を踏みにじる。食肉業界ならBSEの危険性を無視する。日本が米国産牛肉を輸入禁止し、BSEの全頭検査をするとヒステリックなまでに「アメリカの調査で安全だから、アメリカの牛肉はなんら問題ない。全頭検査など非科学的だ」と繰り返した担当官の顔が浮かんできた。そこには彼の支持母体である企業利益だけがある。
さらに念を入れて、メディアにも多額の金をばら撒いている。マードック氏率いるFOXなど新保守系メディアもあり、ニュースよりもゴシップやエンターテイメントを充実させ人々を誘導する。そのニュースも見解は新保守的で、中身はインフォメーションとエンターテイメントを組み合わせた造語インフォテイメントなる言葉が表すような政治や社会問題よりもゴシップ中心のニュースである。
最後は政治献金という札束をもったプロのロビーストがロビー活動を強烈に展開する。中にはイスラエルや韓国からの政治献金もあるという。これではまともな外交政策などできるわけがない。
この傾向は民主党が政権をとったとしても変わらないという。アメリカの闇はそれほど濃い。
キリスト教原理主義については本書を読まれること期待する。科学教育の否定とカルトのような黙示録的終末思想に思わず寒気がした。
2010年12月20日に日本でレビュー済み
本書の原題は、“
Hijacking America: How the Secular and Religious Right Changed What Americans Think
”。
「不平等の拡大、終わりなき戦争、支配階級の貪欲、ますます多くのアメリカ人が絶望的
状態に陥っていること、これらのことは、本書で述べることの必要不可欠な背景であり
それを裏づける根拠でもあるが、それ自体は本書のテーマではない。本書の目的はむしろ、
どのようにしてこうしたことが起こったのかという問いを発することである」。
米ソ冷戦構造下ならばともかく現代において左‐右と言っても、その定義は些か不明瞭。
その曖昧さは例えば「ネオリベ」、「ネオコン」といった用語法についてもまた然り。
筆者にも多少はその自覚があるらしく、「アメリカ人自身が『新保守主義者』ないし
『ネオコン』という名のもとに実に多くのものをいっしょくたにしている」と語っては
いるのだが、「しかし、私は以下において、それほど厳密な区別をしないことにする」と
宣言してしまう。批判の射程も設定しないままに議論を進めてしまうというこの危うさを
指摘するだけで、本書の根本的な無内容は窺い知れてしまう。
論理的な稚拙、例えば「彼ら[アメリカ人の多く]は愚か者ではない」との実証例として
「大統領を言い表すのに最も適切だと思う一言」というアンケートを持ち出す。「2005年
2月には、上位の二つの言葉は『正直』と『善良』だった。だがその2年後の2007年
2月には、……『無能』と『傲慢』だった」。いや、少なくとも私にはこれほどの時間を
必要としたその一点において「彼らは愚か者」の証拠にしか見えないのだけれども。
おなじみの退屈なハイエク批判もまた然り。基本的にハイエクの議論は計画経済の
破綻と、未来への最適化解算出機能としての自由市場というだけの話で、決して公共的な
福祉分配を否定しているわけではない(こうした醜い誤読のコントラストはそのテキスト
『 隷属への道 』とフリードマンによる笑止千万な解題を見れば十二分に知られる)。
この有様ならば少なくともきちんとテキストを読むことを求めている分だけ、ネオコンの
教祖さまの一人、 アラン・ブルーム の方がまだまとも。
「理性から呪術へ」、そんなアメリカ宗教右派をこんな論理性なき体たらくで
どうして批判することができよう、所詮同じ穴のむじな、と切り捨てる他ない一冊。
「不平等の拡大、終わりなき戦争、支配階級の貪欲、ますます多くのアメリカ人が絶望的
状態に陥っていること、これらのことは、本書で述べることの必要不可欠な背景であり
それを裏づける根拠でもあるが、それ自体は本書のテーマではない。本書の目的はむしろ、
どのようにしてこうしたことが起こったのかという問いを発することである」。
米ソ冷戦構造下ならばともかく現代において左‐右と言っても、その定義は些か不明瞭。
その曖昧さは例えば「ネオリベ」、「ネオコン」といった用語法についてもまた然り。
筆者にも多少はその自覚があるらしく、「アメリカ人自身が『新保守主義者』ないし
『ネオコン』という名のもとに実に多くのものをいっしょくたにしている」と語っては
いるのだが、「しかし、私は以下において、それほど厳密な区別をしないことにする」と
宣言してしまう。批判の射程も設定しないままに議論を進めてしまうというこの危うさを
指摘するだけで、本書の根本的な無内容は窺い知れてしまう。
論理的な稚拙、例えば「彼ら[アメリカ人の多く]は愚か者ではない」との実証例として
「大統領を言い表すのに最も適切だと思う一言」というアンケートを持ち出す。「2005年
2月には、上位の二つの言葉は『正直』と『善良』だった。だがその2年後の2007年
2月には、……『無能』と『傲慢』だった」。いや、少なくとも私にはこれほどの時間を
必要としたその一点において「彼らは愚か者」の証拠にしか見えないのだけれども。
おなじみの退屈なハイエク批判もまた然り。基本的にハイエクの議論は計画経済の
破綻と、未来への最適化解算出機能としての自由市場というだけの話で、決して公共的な
福祉分配を否定しているわけではない(こうした醜い誤読のコントラストはそのテキスト
『 隷属への道 』とフリードマンによる笑止千万な解題を見れば十二分に知られる)。
この有様ならば少なくともきちんとテキストを読むことを求めている分だけ、ネオコンの
教祖さまの一人、 アラン・ブルーム の方がまだまとも。
「理性から呪術へ」、そんなアメリカ宗教右派をこんな論理性なき体たらくで
どうして批判することができよう、所詮同じ穴のむじな、と切り捨てる他ない一冊。
2016年6月17日に日本でレビュー済み
原著は2008年。著者は、国際的市民運動の理論的リーダーともいわれる評論家である。
曰く・・・
死刑廃止はEUへの加入条件。全米50州のうち38州で死刑は存続しているが、死刑についてはそれほど論争にもなっていない。
ネオコン系の学者が本を出すと、ネオコン系の財団が数千部を現金で買い上げ、これによって本は一気にベストセラー入りし、必然的に議論の対象となる、という噂がある。
多国籍企業は税金という形ではほとんどアメリカ財務省にお金を払っていない。その利益の多くはタックスヘイブンに行ってしまうため、アメリカの税負担は個人と純国内企業に大きくのしかかる。
アメリカの成人の76%は自らをキリスト教徒と答える。キリスト教徒の3分の1はローマ・カトリック教徒。福音派やボーンアゲイン派は、おおむね7000万人。
すべての原理主義者は、福音派やボーンアゲイン派であるが、その逆はそうではない。福音派の3分の1以上が民主党に投票しているといわれる。
キリスト教原理主義者が同じものを信じているとは限らないし、同じやり方で礼拝しているとも限らない。彼らはみな、キリスト教が唯一真実の宗教であると信じている。神は万人のための計画をもち、神の意志を実行する者は祝福され、死後たっぷり報われるが、この計画を実行しない者は地獄で永遠の責め苦を受ける。教義上の核心は、イエスが地上のありとあらゆる者の主であり救済者である、ということ。自分の人生におけるイエスの人格的で直接的な役割を受け入れることがボーンアゲイン派の特徴。イエスが信者たちから何を求めているかは別問題で、これはボーンアゲイン派の間でも論争の対象となっている。
アメリカのローマ・カトリック聖職者の半分は性的にアクティブであり、一部は女性と経験を持ち、20~30%は同性愛的傾向を持ち、6~10%は未成年者との性行為を経験したことがある、という調査がある。
アメリカ人の61%は、創世記の天地創造に関する説明が一字一句その通りだと信じている。プロテスタントでは4人に3人が天地創造を信じており(少なくとも調査員に対してそのように答えており)、79%は紅海が割れる話を事実と見なした。福音派プロテスタントを自称する者の9割は創世記の天地創造を信じている。アメリカのカトリック教徒の場合、天地創造を文字通り信じているのは二人に一人。無宗教を自称する人でも、4人に1人が天地創造を信じている。
宗教的な「在宅教育」で育てられた若者たちを受け入れるパトリック・ヘンリー大学(学生数250人の小規模大学)は、ロースクールへの合格率が高い。ワシントンの保守派業界では引く手あまたで、連邦議会やFBI、ホワイトハウスなどで下級職を得るようになっている。大学も、政治学など影響力のある職業に就けるように学生を訓練している。
アメリカの大統領が国をしたがえることができるのは、国民がみなその一員として関心と利益をもつからである。ゆえに「機会の国」は空虚な言葉であってはならない。無邪気でバカバカしいまで道徳的であろうとも。しかし、経済的不平等の拡大により、社会のまとまりと連帯は解体されていく。
金持ちの子弟は軍隊には入らない。兵士たちの家族は、お人好しで、愛国的で、しばしば福音派のキリスト教徒であり、伝統的に共和党に投票してきた人びと、といったところ。しかし、これらの家族は共和党から離れつつある。
日本では、下から大衆を右傾化させる組織化された大規模運動はほとんど存在しない。アメリカには、宗教右派による草の根からのヘゲモニー構築過程がある。日本の右傾化運動はかなり「風頼み」なところがあるが、アメリカでは宗教右派が独自の新聞雑誌、財団、研究機関、大学などをもっている。逆風が吹いても右へ進む基盤を持っている。
みたいな話。
曰く・・・
死刑廃止はEUへの加入条件。全米50州のうち38州で死刑は存続しているが、死刑についてはそれほど論争にもなっていない。
ネオコン系の学者が本を出すと、ネオコン系の財団が数千部を現金で買い上げ、これによって本は一気にベストセラー入りし、必然的に議論の対象となる、という噂がある。
多国籍企業は税金という形ではほとんどアメリカ財務省にお金を払っていない。その利益の多くはタックスヘイブンに行ってしまうため、アメリカの税負担は個人と純国内企業に大きくのしかかる。
アメリカの成人の76%は自らをキリスト教徒と答える。キリスト教徒の3分の1はローマ・カトリック教徒。福音派やボーンアゲイン派は、おおむね7000万人。
すべての原理主義者は、福音派やボーンアゲイン派であるが、その逆はそうではない。福音派の3分の1以上が民主党に投票しているといわれる。
キリスト教原理主義者が同じものを信じているとは限らないし、同じやり方で礼拝しているとも限らない。彼らはみな、キリスト教が唯一真実の宗教であると信じている。神は万人のための計画をもち、神の意志を実行する者は祝福され、死後たっぷり報われるが、この計画を実行しない者は地獄で永遠の責め苦を受ける。教義上の核心は、イエスが地上のありとあらゆる者の主であり救済者である、ということ。自分の人生におけるイエスの人格的で直接的な役割を受け入れることがボーンアゲイン派の特徴。イエスが信者たちから何を求めているかは別問題で、これはボーンアゲイン派の間でも論争の対象となっている。
アメリカのローマ・カトリック聖職者の半分は性的にアクティブであり、一部は女性と経験を持ち、20~30%は同性愛的傾向を持ち、6~10%は未成年者との性行為を経験したことがある、という調査がある。
アメリカ人の61%は、創世記の天地創造に関する説明が一字一句その通りだと信じている。プロテスタントでは4人に3人が天地創造を信じており(少なくとも調査員に対してそのように答えており)、79%は紅海が割れる話を事実と見なした。福音派プロテスタントを自称する者の9割は創世記の天地創造を信じている。アメリカのカトリック教徒の場合、天地創造を文字通り信じているのは二人に一人。無宗教を自称する人でも、4人に1人が天地創造を信じている。
宗教的な「在宅教育」で育てられた若者たちを受け入れるパトリック・ヘンリー大学(学生数250人の小規模大学)は、ロースクールへの合格率が高い。ワシントンの保守派業界では引く手あまたで、連邦議会やFBI、ホワイトハウスなどで下級職を得るようになっている。大学も、政治学など影響力のある職業に就けるように学生を訓練している。
アメリカの大統領が国をしたがえることができるのは、国民がみなその一員として関心と利益をもつからである。ゆえに「機会の国」は空虚な言葉であってはならない。無邪気でバカバカしいまで道徳的であろうとも。しかし、経済的不平等の拡大により、社会のまとまりと連帯は解体されていく。
金持ちの子弟は軍隊には入らない。兵士たちの家族は、お人好しで、愛国的で、しばしば福音派のキリスト教徒であり、伝統的に共和党に投票してきた人びと、といったところ。しかし、これらの家族は共和党から離れつつある。
日本では、下から大衆を右傾化させる組織化された大規模運動はほとんど存在しない。アメリカには、宗教右派による草の根からのヘゲモニー構築過程がある。日本の右傾化運動はかなり「風頼み」なところがあるが、アメリカでは宗教右派が独自の新聞雑誌、財団、研究機関、大学などをもっている。逆風が吹いても右へ進む基盤を持っている。
みたいな話。