【12月3日 AFP】ウクライナ政府は2日、主要閣僚に米出身者など複数の外国人を起用することを決めた。同国にはびこる腐敗の一掃を目指す動きとみられる。

 ペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は長時間に及んだ議会公聴会で、ウクライナの財政破綻の根源は政治の行き詰まりと汚職にあるという見方が大勢を占めており、その危機から脱却するには「諸外国の経験」から学ぶ必要があると指摘した。

 その上でポロシェンコ大統領は、米国人で未公開株投資ファンドの代表を務めるナタリー・ジャレスコ(Natalie Jaresko)氏にウクライナの市民権を与える大統領令に署名し、議会はジャレスコ氏を財務相に迎えることを承認した。さらに、リトアニア出身で投資銀行に勤務するアイバラス・アブロマビチュス(Aivaras Abromavicius)氏を経済発展・貿易相に任命した。

 さらに議会は、米ニューヨーク(New York)を拠点としているグルジアの元保健相アレクサンダー・クビタシュビリ(Alexander Kvitashvili)氏を、ウクライナの保健相に任命することも承認した。

 パブロ・クレムキン(Pavlo Klimkin)外相とステパン・ポルトラク(Stepan Poltorak)国防相は留任する。

 識者らは、最も困難が予想される省のトップに外国人を起用する人事について、議会で乱闘騒ぎを起こしたり、高級車を乗り回したりしている既存の一部の政治家に対して国民が募らせている不信感の払拭(ふっしょく)につなげたい狙いがあるとみている。(c)AFP/Dmitry ZAKS