【10月30日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は29日、イラク西部アンバル(Anbar)州で同組織と戦っていた部族民40人以上を「処刑」した。複数の情報筋が明らかにした。

 地元の指導者と医師によると、アルブ・ニムル(Albu Nimr)部族の男性らは、首都バグダッド(Baghdad)の北西にあるヒート(Heet)地域で殺害された。同地域は今月、イスラム国によって制圧されていた。警察幹部と反過激派の治安組織「サフワ(Sahwa)」幹部も、部族民の殺害を確認した。殺害された人数は情報筋によって異なっており、多くて48人ともされている。

 イスラム国はアンバル州の広範囲を制圧、今回の部族民殺害は、同州奪還において重要な役割を担う地方の諸部族の抵抗を抑えるのが狙いとみられる。

 ツイッター(Twitter)上では、「公開処刑」後の現場を写したとされる画像が拡散。うち1枚には、平服の男性30人以上が横たわり、血だまりができている路上を見つめる若い男性や子どもたちが写されている。犠牲者は裸足で、多くが目隠しをされ、手は背中で縛られている。

 イスラム国は今のところ犯行声明を出していないが、これまでイラクとシリアで掌握している各地域では数百人を「処刑」している。(c)AFP