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できごと
【衝撃事件の核心】「暴力団と関係」と名を公開された兵庫露店組合、逆恨みで朝日記者を脅迫…警察「一から出直せ」
兵庫県内の露天商約200人でつくる「兵庫県神農商業協同組合」が6月、用心棒代を支払うなど暴力団と密接な関係があるとして、兵庫県公安委員会から県暴力団排除条例に基づき、全国で初めて団体名が公表された。兵庫県警は祭りを主催する各自治体や寺社に組合の排除を要請し、主催者側も対策に乗り出した。ただ、公表時期が夏祭りシーズンの直前となり、露店運営のノウハウがほとんどない主催者側は「どうしたらいいのか」と困惑する。一方で、今回の問題をめぐっては、記事を書いた朝日新聞記者の携帯電話に「大げさな記事を書きやがって。お前の家族も1週間以内に終わらせたる」と直接電話して脅迫した露天商が逮捕されるという事件も起きた。県警は「(組合が)暴力団と関係を断ち切るのは容易ではない」とみており、露店から同組合の徹底排除を目指している。
最後の“悪あがき”
「20年間ぐらい顧問料を払っていた。勧告を受けていたので条例違反になると分かっていた」
同組合の副理事長(70)は県警の調査に対し、指定暴力団山口組の3次団体の幹部2人に用心棒代を支払っていたことを認めた。支払った額は今年4月までの約1年間で計350万円。副理事長は「強制ではなく、友人みたいな感覚だった」と釈明した。
しかし、すでに組合の西宮支部が平成23年4~10月、西宮神社(兵庫県西宮市)の「十日えびす」の露店などをめぐるトラブル処理名目で、別の山口組系組員に計約80万円を支払ったとして、23年12月に県公安委から中止勧告を受けていた。副理事長らによる利益供与はこの中止勧告を完全に無視した行為だった。
県警から報告を受けた県公安委は6月27日、暴排条例の規定に従い、団体名の公表に踏み切った。勧告に従わない個人・団体名が公表されるのは全国でも初めてだった。とはいえ、団体名の公表のほかに法的な強制力はない。そこで、県警も組合を露店調整に関与させないよう、祭りを主催する自治体や寺社に要請を始めた。
「今後、どうさせてもらったらいいでしょうか…」
捜査関係者によると、ある組合幹部は公表後、県警にこう泣きついてきたというが、“後の祭り”だった。
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