鋼殻のレギオス　アニメーション公式サイト

　　レギオスの様々な楽しみ方を検証するコラム。
　　今週は趣向を変えて、仮面プロデューサーに制作の裏話を聞きました。

　
●アバンタイトルの謎

　　
　オープニング主題歌の前に、短く本編が流れる、アバンタイトル。
　
　第１５話　『届かない気持ち』では、カナリスを絞め殺そうとする女王アルシェイラという、ショッキングなシーンからスタートしましたが・・・。
　
　　
　　　
　｢アニメ版レギオスの企画当初に、その話の、一番の見せ場を、アバンタイトルで見せよう、という試みがあったんですね。
　
　何の説明もなく、ポーンと、その話のクライマックスが流れて、そのままオープニングになだれこむ。
　で、ＣＭ明けから、普通にお話がスタートする。
　
　『第３話だったら、狼面衆の仮面が取れるシーンから』　『第４話だったら、フェリの着替えシーンから』みたいに、その話のクライマックスというか、インパクトのあるシーンから始めよう、というアイデアが、企画時にあったんです。
　
　結局、制作が進むうちに、『クライマックスを冒頭に見せると、ネタバレになるのではないか』という意見が出て、このアイデアはなくなったんですが、この第１５話のアバンタイトルは、その名残です。
　グレンダンという、主人公たちとは離れた場所の出来事だったので、ネタバレになりにくかったんですね。
　
　そう言えば、クライマックスのセリフを、まったく違う読み方をした『スパ・リゾート・カリアン』のアバンタイトルも、この【見せ場を二度　繰り返す】という試みの名残りですね｣（仮面プロデューサー）
　
　
●｢ヴァンゼく～ん｣の謎
　
　同じく第１５話。
　都市のあちこちで不具合が起きている事を懸念するカリアン。
　｢単なる老朽化ではないか｣というヴァンゼに対し、カリアンは｢そんな事なら、ヴァンゼく～ん、を呼んだりしないよ｣と、おちょくった様な口調で言うのだが・・・。
　
　　

　
　｢このシーンは、シナリオでは、カリアンはもっとイライラした感じで喋る予定だったんです。
　
　ところがアフレコ時に、カリアン役の子安さんが、ちょっと試しに、ヴァンゼをおちょくる様なお芝居をなさったんですね。

　その時の『ヴァンゼく～～ん』という演技が、いかにもカリアンっぽいというか、制作スタッフの皆さんも『こういう時は、まじめになるより、人をおちょくった方が　《カリアンらしい》　だろう』という話になって。
　
　急遽、ヴァンゼ役の上田さんに、ムッとするリアクションを入れていただき、二人の表情も描きなおして、あのシーンになりました。
　
　この話の他にも、カリアンとヴァンゼの会話シーンは、子安さんと上田さんが、いいお芝居でバチバチ火花を散らしてくださるので、制作スタッフもかなり刺激を受けていました｣（仮面プロデューサー）
　
　
●さよならメイシェンの謎
　　
　　
　
　｢メイシェンは、武芸者でも小隊隊員でもない　『普通の女の子』　として描いています。
　“一般人の視点”の代表・・・つまり、メイシェンは視聴者の皆さんの代表なんです。
　裏返すと、彼女は“一般人”であるがゆえに、レイフォンとは結ばれないだろうなぁ、という見方もありまます。

　この、武芸者と一般生徒との間にある溝というか、距離を描いたのが、第１６話ですね。
　　
　その他にも、１６話から先は、武芸者や天剣授受者を中心にして物語が動いて行くので、一般の生徒であるメイシェンは居場所がなくなる。
　ですので、【いかに、１６話で悲劇的な退場をさせるか】がテーマでしたね。
　そういう意味では、可哀想な女の子だったと思います。

　その代わりではないですが、エンディング主題歌　『愛のツェルニ』メイシェン・バージョンは、彼女が退場する１６話のためだけに、クロム・シェルドの皆さんに作っていただきました｣（仮面プロデューサー）
　
　

●最終回に向けて、今後の展開は！？

　
　｢完結していないライトノベル作品をアニメにする場合、どうしても終盤がオリジナル展開になる事が多かったので、今回は原作の要素をきちんと入れたいなぁ、という気持ちがありました。
　
　そこでシナリオ会議には毎回　ファンタジア文庫の編集さんに出席していただき、監修していただくと同時に、雨木先生からも、当時はまだ出版されていなかった『ブラック・アラベスク』編のアイデアや、アニメ用のオリジナル・アイデアをいただきました。
　
　まだ詳しくは言えませんが、深遊先生が最終回用に描き下ろしてくださったデザインもあります。
　
　あと、終盤は天剣授受者の皆さんも活躍します！
　人気の高いバーメリンは、伊瀬茉莉也さんが演じられます｣（仮面プロデューサー）