尾道市十四日元町と向東町を渡船で結ぶしまなみフェリーは30日、航路を廃止した。燃料費の高騰や客の減少などが経営に影響。市民の生活を支えてきた航路は、約90年の歴史に幕を閉じた。
午前8時。十四日元町の桟橋に船が着き、高校生や通勤客ら40人余りが降りてきた。3年前からかじを取る藤原広一郎船長(63)は「この光景を見るのも最後。寂しいが、朝夕のラッシュ時以外は客を乗せずに運航する時もあった」と話す。利用者の多くが、1日から約200メートル西を行き交う尾道渡船を使うことになる。
【写真説明】30日で廃止となったしまなみフェリーから降りる乗客たち(尾道市十四日元町)
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