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TOP > 政治  > どうなるニッポン〜自民党総裁選特集
日本 内閣 NA
安倍政権は国民の支持がカギ―平沢勝栄氏インタビュー
2006/09/08

 自民党総裁選は安倍晋三氏が圧倒的に優勢だと伝えられている。安倍氏は憲法改正を打ち出し、北朝鮮拉致事件での厳しい姿勢などで知られる。その政治姿勢や抱負はどこから生まれたのか、安倍氏が小学生のとき家庭教師をしていた自民党の平沢勝栄氏に安倍氏の人となりや、もし安倍政権になったら、今後の展開はどうなるか見通しを聞いた(インタビュアーは浜田秀夫)。

 インタビューは、このほど東京・永田町の衆院第一議員会館の平沢氏事務所で、JanJanのほかマスメディアの新聞3紙と共同で行った。平沢氏の日程の都合で、各社共同でという要請があったため。

 平沢氏によると、1964年(昭和39年)から2年間、当時、小学生だった安倍氏の家庭教師を務めた。大学のアルバイト案内を見て応募しただけで、安倍家が政治家一族であるとは知らなかったという。大学祭に安倍少年を連れて行ったとき、キャンパスに当時の佐藤栄作首相(安倍氏の大叔父)について「打倒せよ」などと立看板があるのを見て、安倍少年は「何でみんな佐藤さんをいじめているの」と言っていたそうだ。

 平沢氏が見るところでは、安倍氏は父親の故・晋太郎氏(自民党幹事長、外相など)のDNAと祖父の岸信介氏(元首相)のDNAの両方を受け継いでいるものの、晋太郎氏とは面倒見のよい情の厚さが似ているため、小泉首相のように権力者として非情にはなれないだろう、この点については苦しむのではないか、と語った。

 一方、安倍氏の政治家としてのこれまでの実績については、早くから北朝鮮拉致問題に取り組んできたことを挙げた。ほかの議員が見向きもしなかったときから安倍氏が被害者家族と会い、その後も信頼を得てきたと述べた。

 インタビューのうち、JanJanが尋ねた部分の一問一答要旨を以下に掲載する。

――安倍さんがお父さんのDNAとお祖父さんのDNAの両方を受け継いでいるというお話でした。憲法改正という話が出るのは、お祖父さんの岸元首相の時代の党是をやることを考えているからでしょうか。

 「日本は戦前、時計の針が右へ振れた。戦後は大きく左に振れた。それを真ん中に戻そうということです。左の立場からすればそれがタカ派ということになるのだが、外国の常識からすれば極めてノーマル。集団的自衛権やナショナリズムと安倍さんが口にするので右翼、タカ派と言われるが、そうじゃない。今まで左の立場の人からは右翼に見えるだろうが、それは戦前の右翼ではない。まともにしようというだけ」

――私どもは市民メディアです。その読者の多くは、安部政権となると不安だと思っているようです。では国民全体ではどのように支持されると思っていますか。

 「先日の靖国問題の議論を見ればわかる。小泉さんが8月15日に参拝すれば安倍さんの支持率もガタ落ちになるという見方をしていた国会議員が自民党にもいた。結果はそうはならなかった。国民は冷静にバランス感覚を持って見ていると思う。ナショナリズムを煽っていると言われるが、戦前のそれとは違う。集団的自衛権については、イラク問題でも(自衛隊が)きわめて動きにくい。こんなことは国際スタンダードに合わない。それをまともな普通の常識に合わせるのであって、武力行使しようとか、戦前の時代に戻って戦争をしようということではない。それを怖がる必要はない、それは安倍さんが普通にやっていけば国民にも理解してもらえると思う」

――安倍さんの『美しい国へ』(文春新書)を読むと、国家への思い入れが強い。支配者と、その下に被支配者がいて、上から見る傾向がある。本来、民主主義は国民が選挙で権力者を選び、支配する側と支配される側が同じ国民であるはずなのに、安倍さんは国家を上に置いて、上に立つものとして語っているように見えますが。

 「世界中どこの国も、国家があって国民がある。しっかりした国家を持たなければならない、日本はひ弱な国家になってしまった。国民の生命、安全を守る、領土を守ることが国家の最大の務めであるにもかかわらず、戦後日本はそれを怠ってきた。果たしてそれが国家と言えるだろうか、というのが安倍さんの原点にある。まともな国家にしようということだ」

――国家が国民の安全を守るのは当然だと思います。それは国民が契約(社会契約)によって権力をつくり、その権力が国民を守るのでしょう。しかし、権力が国民を抑圧するならば、それはおかしいぞと言う、それもまた国民の権利だと思うのですが、そのバランスが、安倍さんはどうしても国家に傾いているように見えるのです。

 「民主主義国家であって、国民は選挙で意思表示がいくらでもできる。ただ、安倍さんは弱い者に対して格差を固定化するなり、差別するとかいう考えはないと思う。安倍さんは安全保障とともに社会保障も詳しい。(安倍政権になった場合)バランス感覚のある人を側近に置く、一方だけの意見を聞くのでなくいろんな人の意見を聞くことを大切にする、そういう中で最後は安倍さんが判断したらいい」

――やはり『美しい国へ』で、安倍さんは自民党は政権だけが目的の政党ではない。場合によっては野党に転落することもあるかもしれないと書いています。これまで党の名の下に政権のためなら政策が違ってもまとまっていたのですが、安倍さんはしっかりと対立軸を打ち出して国民に問う、という考え方なのでしょうか。党内のハト派などまとまるでしょうか。

 「安倍さんは自分の考えをはっきりストレートに言う人。味方もできるが、敵もたくさんできるということだろう。その過程で国民の支持を失えば政権を失うこともあるということは覚悟していると思う。安倍さんは今日明日のことを考えるよりは、10年後、20年後を考える政治家。それが国民に支持されないのであれば、自分は政権から転げ落ちても仕方がないと考えているのだろう。その時々で、国民に受けることをやれば政権は維持できて楽かもしれないが、安倍さんは多くの反対があってもやる。例えば、憲法改正に国民の7割が反対しても安倍さんは実行すると思う」

――しかし、自民党で現実に起こっていることは、9割以上が安倍さん支持だとか。安倍さんの政策に反対の人もいるはずなのに口には出していませんね。

 「それは安倍さんの責任ではなく、自民党の議員が情けないのだ。安倍さんに完全に反対の人もいるのに、みこしを担がないといけない、バスに乗り遅れる、となる。一言で言えば醜い。総裁選は政策で争うべきなのに、バスに乗り遅れないようにしている。自民党の最も醜いところが出てしまった」

――来年の参院選は自民党は勝てるのですか。

 「厳しい。昨年の総選挙大勝の反動がある。小泉政権が残した色んな宿題もある。安倍政権になれば北朝鮮問題がすぐに解決するなどと思っている人もいるくらい、安倍政権への期待は大きい。しかし、実際は簡単にいかない。その場合の落胆も大きいだろう。何しろ自民党の支持基盤がぶっ壊れた。郵政、公共事業、農村などだ。浮動票頼りの政党になってしまった。いつ政権から転げ落ちてもおかしくない。来年の参院選は極めて厳しいと思う」

――公明党との関係はどうなりますか。本来、安倍さんは公明党と組むのは否定的のように思えますが。

 「公明党は自民党のゲタの雪だと思っている人が多いかもしれないが、いまや、自民党の方が、いつまでもくっついて離れないゲタの雪になってしまった。自民党の最大の支持基盤は公明党。自民党は絶対、離さない。だが、安倍政権になって安倍さんらしさを出そうとしたら、公明党との摩擦は避けられない。憲法や教育基本法、集団的自衛権など公明党の政策と相容れないもの。そうは言っても公明党なくして自民党は政権を取れない。だいたい公明党の支持をもらわないと当選できないバカばかりいる。私は支持してもらってはいないが。公明党との関係には、安倍さんは苦労するだろう。苦境に立つ可能性もある。一にも二にも国民が支持しているのかが注目される。国民が支持すれば公明党もノーと言えない」

――最後に、麻生さんや谷垣さんには国民の支持がない、どこがいけないのでしょうか。

 「国民へのアピールがへた。安倍さんはメディアを通じて北朝鮮問題などでアピールしてきた。谷垣さんは教育勅語がネクタイをしているような感じ。カリスマ性がない。麻生さんもアピールが足りない。漫画が好きだ、なんてところをPRすればいい。いろんな側面を国民が知れば人気も出てくるだろう」

(編集部)

     ◇

自民党総裁選特集

質問に答える平沢氏
衆議院会館の平沢氏事務所で





















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[21255] 安倍晋三氏で経済はどうなる? 集団的自衛権で安全保障は大丈夫か?
名前:矢山禎昭
日時:2006/09/08 22:36

安倍晋三氏で経済はどうなるでしょうか。同氏が中韓を叩けば、最近高まってきたネット右翼は溜飲を下げるかもしれませんが、経済界はたまらないだろうと思います。特に中国に進出して苦労して現在のポジションを築いてきた企業は、せっかく築いた橋頭堡を失うことになりかねないと思います。


安倍以上に経済オンチの平沢勝栄氏に聞いてもムダかもしれないが、どういう返事が返ってくるのか興味があります。


集団的自衛権というが、武力による安全保障は危なっかしいだけで、不安定な概念に過ぎなくなっていると思います。武力よりも経済基盤を共通にする安全保障のほうが強く確実なものになりつつある中で、経済をサポートしないでナショナリズム先行の政治をすすめるなら、安倍氏は大きく転ぶことになるような気がしてなりません。

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