会見する有働アナ（モニター内）と阿部アナ

　今年大みそかのＮＨＫ「紅白歌合戦」（後７・30〜11・45）の両軍司会者が、ＮＨＫの有働由美子（32）阿部渉（34）両アナウンサーに決まり８日、東京・渋谷の同局で発表された。局アナが司会コンビを務めるのは、56年以来、45年ぶり５回目。仕事先の大阪から中継画面で登場した有働アナは「何かあったら、選んだ方が悪いということで」と、自然体を強調した。出場歌手は今月下旬に発表の予定。

　21世紀初頭の「紅白」で、ＮＨＫはタレント司会者の起用を45年ぶりに見送った。司会の有働・阿部コンビに加え、総合司会の三宅民夫アナ（49）審査員リポーターの膳場貴子アナ（26）ら６人はすべて局アナ。56年に宮田輝（紅）高橋圭三（白）コンビが進行して以来の「アナ主導」紅白になる。

　有働アナは、新装オープンした大阪放送局での番組収録のため、異例の中継スタイルで会見。数年前から司会候補にあがりながらの“初当選”に「いつも私はブラフでしたから、今年もそう思ってました。きのう電話で聞き、ドッキリテレビかと思った」と感想。昨年は審査員席でのリポーターを担当しているが「なんで私が？という気持ち。何かあったら、選んだ方が悪いということで、自然にやらせてもらいます」と話し、笑いを呼んだ。

　一方の阿部アナは、衛星テレビで97年から続く「ＢＳ日本のうた」の司会者。歌謡曲ファンの支持が高く、ＮＨＫが今夏、視聴者対象に行った紅白司会者アンケートでも「意外なほど上位」（制作スタッフ）に食い込んでいるという。

　阿部アナは「誰だこいつは、と思っている方が多いのでは…」と緊張の面持ち。45年前に司会した高橋氏と同じ岩手県出身。「緊張するとなまりが出るので、気をつけたい」と笑った。

　局アナコンビによる司会は、数年前からの海老沢勝二会長の念願でもあり、３年前には制作現場が久保純子アナ（29）を紅組司会に抜てきしている。海老沢会長はこの日「なかなかいい人選。ＮＨＫでもそれだけ人材が育ってきたということだろう」とコメント。天海修一芸能番組部長は「21世紀初頭でもあり、もう１回白紙に戻って、紅白もゼロから始めようということ」と説明した。　■紅白歌合戦歴代司会者

　◆有働　由美子（うどう・ゆみこ）1969年（昭44）３月22日、大阪府生まれの32歳。府立北野高―神戸女学院大卒。91年入局後、大阪局を経て94年から東京勤務。「おはよう日本」「サタデー・サンデースポーツ」などを担当。シドニー五輪の現地キャスターも務めた。趣味は読書、料理。

　◆阿部　渉（あべ・わたる）1967年（昭42）10月７日、岩手県生まれの34歳。県立水沢高―早大卒。90年入局後、秋田、横浜局に勤務。これまでの担当番組は「ＡＳＩＡライブ」「青春メッセージ」など。早大では「オフコース愛好会」に所属。趣味はマッサージ。