朝日放送の「おはよう朝日です」で、視聴者から集まった天気の情報をもとに解説する気象予報士の正木明さん(左)=4月28日、大阪市福島区、向井写す
みんながお天気リポーターです――。テレビの天気コーナーや気象情報会社のサイトで、市民から天候の情報を募る「参加型」の企画が盛んだ。参加者の数は気象庁の観測地点数をはるかに上回る万単位で、きめ細かい内容が持ち味。相次ぐ天候不順などを背景に、空模様への関心が高まっているようだ。(向井大輔)
先月28日、朝日放送(大阪市福島区)のスタジオ。午前6時50分ごろ、情報番組「おはよう朝日です」の天気コーナーで「今の空は?」という字幕が出ると、モニター画面の地図上に4色の小さな丸印が次々と現れた。
青は「雨」、赤は「曇り」、黄は「晴れ」。この日は黄砂の飛散が予想されていたため、緑は「空が黄色っぽい」という意味だ。すべて視聴者が送ったデータで、この日の参加者は1万2657人だった。約20分後、気象予報士の正木明さん(49)が「西のほうはすでに晴れてきているようです」と解説した。
3月29日に始めた「近畿のみんなでソラをライブ」。インターネットに接続されたデジタルテレビの視聴者ならリモコンの4色のボタンを押すだけで参加でき、携帯電話のサイトからも発信可能だ。
参加者は毎回1万人を超える。ディレクターの木戸崇之さん(37)は「景品もないんですが、朝の忙しい時間に予想以上の反響です」と驚く。
気象庁が全国約1300カ所に設置するアメダスではとらえきれない0・5ミリ未満の「ポツポツ雨」や局地的な大雨なども、この方法なら把握できる。20年にわたって番組に出演している正木さんは「最近は予測しにくい天候が多く、視聴者の関心の高さが表れている」と話す。
この企画を持ち込んだのは民間気象情報会社「ウェザーニューズ」。同社も携帯電話サイトで同様の取り組みに力を入れている。