その場しのぎで不正改造整備……大阪府警が業者に初の強制捜査

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大阪府警は30日、道路運送車両法違反で整備命令を受けたクルマを検査に合格するノーマル仕様に戻し、検査登録事務所で改善確認の後に再び不正な改造を施したとして兵庫県宝塚市内の自動車整備会社に対して同容疑での強制捜査を行い、このクルマの改造に関わった男2人を逮捕している。

大阪府警・交通捜査課の調べによると、発端となったのは4月下旬に大阪市内で行っていた不正改造車一斉検問の際、19歳の少年が所有する乗用車が摘発を受けたことだという。

少年の乗用車は車高を低くするローダウン化が施されたほか、マフラーも排気音を大きくするタイプのものに交換されており、騒音基準値をオーバーしていた。国土交通省・近畿運輸局は少年に対し、車高を上げる、マフラーを車検対応品に交換するなど、数項目の整備命令を言い渡した。

少年は5月9日、大阪運輸支局・なにわ自動車検査登録事務所にクルマを持ち込み、改善確認を受けたが、この直後にクルマの改造を担当した宝塚市内の自動車整備会社に戻り、再び車高を下げ、マフラーを付け替える復元作業を依頼。店側もこれに応じたという。

その後の調べで、改善確認の際に取り付けられていたマフラーはこの整備会社が一時的に貸したものということが判明。少年に対しても同社の整備スタッフが「確認が終わったらまた元に戻せばいい」などと言っていた疑いも濃くなった。

このため警察では整備命令が出ていることを知りながら、一時的に改善確認をクリアさせるための工作を行った判断。その行為はあまりにも悪質だとして今回の強制捜査に踏み切った。

調べに対し、逮捕されたうちの1人は施行の事実を認めているが、もう1人は「こちらから推奨した覚えは無い」と否認を続けている。

改正道路車両運送法は今年4月から施行され、不正改造を行った業者も摘発対象となったが、同容疑で業者を強制捜査するのは全国でこれが初めてのケースだという。

《石田真一》

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