殿堂表彰者も、イチローの殿堂入りに太鼓判―。シアトルの地元紙「シアトル・ポスト・インテリジェンサー」紙は、大リーグの殿堂表彰者の多くが、マリナーズのイチロー外野手の、将来の殿堂入りを支持したと報じた。

 同記事は、ニューヨーク州のクーパーズタウンで開催されている殿堂入りの記念式典に出席した数人の殿堂表彰者に、イチローの殿堂入りの可能性を取材したもの。「実際は、野球記者の投票で決まるものだけれど、殿堂入りを果たした人間は、クーパーズタウンの地に行くためには、何が必要か知っているはずだ。(中略)週末に約60人の殿堂表彰者が集まったクーパーズタウンで、その数人にイチローについて尋ねてみた」と、ルー・ブロック、フランク・ロビンソン、デニス・エカーズリー、レジー・ジャクソン、ポール・モリター、グース・ゴセージのそうそうたる6人の名前を挙げ、その総意として、イチローの殿堂入りは「間違いない」と伝えている。

 「イチローが殿堂入りできないのは、単に時期尚早だから。(最低資格の)10年にはまだ届いていないからね。今で8年? それじゃあ、足りない。でも、5年目から彼の殿堂入りは固いとみていたね。きっと、殿堂入りする。それくらい、いい選手だ」と口火を切るのは、フランク・ロビンソン。続いて、レジー・ジャクソンは「彼は特別。もう少し、現役を続けなきゃいけないけど、メジャーで凄いことをやってきたからね」。

 グース・ゴセージは言う。「イチローは、メジャーに来てからというもの、我々が今まで見たこともない選手になった。今までとは違うタイプ。試合をつくるし、毎年200本もヒットを打っている。毎年毎年、それをやるのは、本当にスペシャルな選手なんだ」。更に、ルー・ブロックは続ける。「イチローは他の誰とも違う。野球が本当に旨いんだ。他の打者と同じなのは、バットを手から離す時だけさ」。

 ポール・モリターは「イチローが将来、殿堂入りすることは間違いない。今でも、ほとんど、(米国で)2000安打を放っているし、先週、彼と話をしたら、40歳になってもプレーしたいって言っていた。そうすれば、米国で3000本安打も打てる。彼をクーパーズタウンから締め出すものは、何一つないだろう」と、メジャー3000本すら夢でないと語る。最後に、エカーズリーは言う。「イチローの殿堂入りに何の疑いもない。日本から来て、メジャーの試合までも変えてしまった。今まで見たこともない打者だよ」と。イチローは、すでに、殿堂入りを果たした諸先輩からも、“お墨付き”を貰っているようなものだ。