ケプラー62恒星系で新たに見つかった惑星と、内太陽系の惑星と軌道の比較。緑色で示した範囲がハビタブルゾーン(生命居住可能領域)。

Image courtesy JPL-Caltech/NASA Ames
 米航空宇宙局(NASA)の研究チームは4月18日、恒星から適度に離れた公転軌道をもち、生命の誕生に適した温度や水のありそうなハビタブルゾーン(生命居住可能領域)で、地球に似た3個の惑星を発見したと発表した。 NASAの宇宙望遠鏡ケプラーが観測したもので、発見したのは地球から「こと座」方向に1200光年離れたケプラー62恒星系にある惑星62eと62f、さらに「はくちょう座」方向に2700光年離れたケプラー69恒星系にある惑星69c。

 このうち62fは地球の1.4倍の大きさで、公転周期は267日。岩石でできており、これまでに知られたハビタブルゾーンにある太陽系外惑星のうちでも最も地球サイズに近い。

 62eはその内側の軌道を122日で公転し、地球の約1.6倍の大きさで、岩石から構成される。

 69cは地球の1.7倍の大きさで、何からできているかは不明だが、公転周期は242日と、太陽系の金星(公転周期約224日)に近い。

 こうしたハビタブルゾーンでの“岩石惑星”の発見により、地球のように生命を育む海が存在する可能性もあるという。

 ケプラーは2009年3月に打ち上げられた。惑星が恒星の前を横切るときの明るさの変化の観測を15万個以上の恒星について行い、これまでに約20.5光年離れたグリーゼ581や約36光年離れたHD85512などの恒星系で計2740個の太陽系外惑星を見つけ、うち122個の惑星を確定させている。

Image courtesy JPL-Caltech/NASA Ames