白倉伸一郎×小林靖子「仮面ライダーアマゾンズ」残酷すぎてNGとなった伏線とは

101

2088

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 1078 936
  • 74 シェア

トークイベント「白倉伸一郎プロデュース作品を振り返る。」の第1回が5月23日に東京・LOFT9 Shibuyaにて開催された。

左から小林靖子、白倉伸一郎。

左から小林靖子、白倉伸一郎。

大きなサイズで見る(全10件)

ビールジョッキ片手に登場し、観客を沸かせた白倉伸一郎。

ビールジョッキ片手に登場し、観客を沸かせた白倉伸一郎。[拡大]

このイベントには、特撮ドラマ「仮面ライダー龍騎」「仮面ライダー電王」「仮面ライダーアマゾンズ」などで知られるプロデューサーの白倉伸一郎と、それらを手がけた脚本家の小林靖子が登壇。まずは2人が初めて本格的にタッグを組んだ「仮面ライダー龍騎」の話題からスタートした。ライダー13人の戦いを描く同作だが、当初50人のライダーを登場させようとしていた白倉は「田崎竜太監督に『うーん、それは難しいですね。造形費のことを考えて、できて13体じゃないですか?』って言われて。なんで造形費のことを監督に心配されなきゃいけないんだ!って思った(笑)」と自虐的に振り返る。一方当時「仮面ライダーが実は幽霊だった!っていうのはどう?」とアイデアを出していた小林は、「(その後『仮面ライダーゴースト』で)やってるじゃない!」と観客を沸かす。

小林靖子

小林靖子[拡大]

さらに占い師である仮面ライダーライア / 手塚海之はもともと僧侶の設定だったと明かされると、司会から「『ゴースト』(の御成)じゃないですか!」と声が飛ぶ。小林と白倉は「袈裟の上からベルトを巻くのはどうかなって思った」「今や(『仮面ライダーエグゼイド』で)白衣の上から巻いてるけどね」と笑い合う。さらに白倉は、連続殺人犯である仮面ライダー王蛇 / 浅倉威に関して「死刑囚っていう設定だったけど、日曜の朝から死刑囚はきついよねって。だから言わないようにしよう、セリフに書かなければいいか!って話したんです(笑)」と暴露した。

観客と乾杯する場面。左から小林靖子、白倉伸一郎。

観客と乾杯する場面。左から小林靖子、白倉伸一郎。[拡大]

現在もシーズン2がAmazonプライム・ビデオにて順次配信中のドラマ「仮面ライダーアマゾンズ」は、残酷描写や大人向けのストーリーで地上波シリーズとは一線を画する作品だ。白倉は「シーズン1は結果的にテレビ放送できた。それじゃ変わらないじゃないかと思って、今回は絶対に放送できないことをやろう!と考えていた」とこだわりを主張する。5月26日配信の第8話以降に関して「ここから先がとんでもないことになっていく。第2話あたりを観ても踏みとどまってくれたお客さんすら、振り落としていきます」と宣言。また観客から、シーズン1後半でマモルが人肉ハンバーグを食してしまうくだりについて「ハンバーガー好きの設定はそのための伏線だったのか?」と質問が上がる。小林は「伏線じゃないから!」と笑うが、白倉は「実は、マモルが大好きな仲間にハンバーガーを『半分あげる』って言うのが伏線だった。後々、半分こする対象がハンバーガーではなく人体になるはずだったんですけど、さすがの靖子にゃんもそれは忍びないということで、別の形で伏線を拾うことになった」を裏話を披露した。

「仮面ライダー電王」

「仮面ライダー電王」[拡大]

そして「仮面ライダー電王」の話題では、タイムトラベルものになった経緯が説明された。白倉は「電車で行き着く先をどこにするか。長石多可男監督に撮ってもらいたかったので、さいたまスーパーアリーナとか、監督の好きなロケ場所を使いたかったんですよ。そうなるとMAXでも10年前くらいの過去か、精神世界か、パラレルワールド、選択肢は3つくらいでした」と話し、「精神世界は後に『ウィザード』で、パラレルワールドは後に『ディケイド』で使ったんですけど(笑)」と続ける。また野上良太郎らが時の列車デンライナーで訪れる過去について「何年何月何日のこの地域って、飛ぶ先の天気を全部調べていたんです……Yahoo!天気ってすごい便利なんだよね」と率直に述べて笑いを起こす。司会から「そうすると、物語がロケ場所の天気に左右されるのでは?」と聞かれると「逆に、ロケ場所の天気に合わせて細かい日付を決めていたんです。こんなに過去の天気を気にしたのは、小学校の頃に捏造していた宿題の絵日記ぐらいですよ(笑)」と答えた。

白倉伸一郎

白倉伸一郎[拡大]

白倉は自らの学生時代を「“スタッフミーハー”だったから、エンドロールが大好きだった。メインタイトルとスタッフクレジットを、スケッチブックに書き写していたんです」と回想。特に「宇宙刑事」シリーズや「スケバン刑事」「特捜最前線」などを好んでおり「予告編を観れば、次の話の監督とカメラマンを当てられた。照明は……微妙にわからないくらいかな」と観客を驚かせる。プロデューサーを志したきっかけを「素晴らしい脚本家がいて素晴らしい監督がいる。その夢の組み合わせでも駄作になってしまったとき、学生時代の僕は仲立ちをしたやつが悪いんだと思ったんです。脚本家や監督のために、その仲立ちの仕事をやりたいと思った」と語った。そのほかにもイベントでは、2人が携わった2003年の実写ドラマ「美少女戦士セーラームーン」の思い出話や、観客からのQ&Aコーナーを展開。最後に白倉は、このあと小林に新たな作品のオファーをかけるつもりだと明かし「今後とも靖子にゃんをよろしくお願いします!」と締めくくった。

今後「白倉伸一郎プロデュース作品を振り返る。」では、6月9日に監督の田崎を迎え第2回を、7月29日に脚本家・井上敏樹を迎え第3回を開催。第2回のチケットは現在チケットぴあにて販売中だ。なお「仮面ライダー電王 Blu-ray BOX1」が現在発売中で、「BOX2」は7月12日、「BOX3」は9月13日にリリースされる。

※田崎竜太の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

関連する特集・インタビュー

この記事の画像(全10件)

読者の反応

昇進 S.S.S.P. @shoushin03

白倉伸一郎×小林靖子「仮面ライダーアマゾンズ」残酷すぎてNGとなった伏線とは - 映画ナタリー https://t.co/76em7QMB5P 9話が見た目、展開的にも残酷すぎて、このトークが霞むくらいであった。

コメントを読む(101件)

関連記事

関連商品

リンク

このページは株式会社ナターシャの映画ナタリー編集部が作成・配信しています。

映画ナタリーでは映画やドラマに関する最新ニュースを毎日配信!舞台挨拶レポートや動員ランキング、特集上映、海外の話題など幅広い情報をお届けします。