猛暑日(読み)モウショビ

デジタル大辞泉 「猛暑日」の意味・読み・例文・類語

もうしょ‐び〔マウシヨ‐〕【猛暑日】

最高気温がセ氏35度以上の日。→酷暑日真夏日夏日
[類語]夏日真夏日酷暑日熱帯夜超熱帯夜

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「猛暑日」の意味・わかりやすい解説

猛暑日
もうしょび

日最高気温が35℃以上の日。気象庁天気予報や気象情報などで2007年(平成19)から使うようになった予報用語の一つ。気温が上昇して猛暑日となるのは、高気圧に覆われて風が弱く、晴れて日射が多いときである。猛暑日は、沿岸部よりも日中の気温が上昇しやすい内陸部や盆地で多い。山越え高温気流が吹き込むフェーン現象が重なっていることも多い。都市化によるヒートアイランド現象も猛暑日に至る高温に関係している。

 2007年8月16日に、それまでの国内の最高気温40.9℃が埼玉県熊谷(くまがや)市と岐阜県多治見(たじみ)市で観測された後は、41℃以上がたびたび観測されるなど、厳しい暑さの日が多くなった。猛暑のような高温が続くと、暑さで体温調節ができなくなるなど身体への負担が大きく、熱中症にかかる人が多くなる。地球温暖化が進むと猛暑日が増加すると予測されているが、とくに関東地方から西の地域で猛暑日が大きく増加するとみられる。

[青木 孝]

『国立環境研究所地球環境研究センター編著『ココが知りたい地球温暖化』2冊(2009、2010・成山堂書店)』『青木孝監修『図解 気象・天気のしくみがわかる事典』(2009・成美堂出版)』

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知恵蔵 「猛暑日」の解説

猛暑日

気象庁では、天気予報や気象情報、解説などで用いる「予報用語」に、新たに、最高気温が35℃以上の日を猛暑日と定義し、2007年4月から使い始めた。これまで気象庁で使う暑さを表す用語に「真夏日(1日の最高気温が30℃以上)」などがあったが、地球温暖化や都市化の影響で、1日の最高気温が35℃以上の日が1990年以降急増し、東京などの大都市では20年前の約3倍になり、特別な名前で呼ぶべきという意見が強まり、お天気キャスターの森田正光氏が数年前から酷暑日と呼ぶなど、いろいろな呼び方がされ始めていた。07年8月は、ラニーニャ現象の影響で日本付近では下降気流が発生して勢力の強い太平洋高気圧が形成され、各地で記録的な暑さとなり、8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9℃を観測し、74年ぶりに国内最高気温を更新するなどしたため、「猛暑日」はマスコミ等で大きく取り上げられた。07年の真夏日(日最高気温30℃以上)は、東京54日に対し大阪はその1.5倍の79日であったが、猛暑日は、東京で7日に対し大阪はその2倍以上の16日と、猛暑日でみても、07年の夏は、西日本で特に厳しい暑さであったことが分かる。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 2008年)

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百科事典マイペディア 「猛暑日」の意味・わかりやすい解説

猛暑日【もうしょび】

気象庁が2007年4月1日から使用し始めた気象予報に関する用語で,最高気温が35℃以上に達した日のこと。気象庁では,最高気温25〜29℃を夏日,同じく30〜34℃を真夏日,夜間の最低気温が25℃以上の日のことを熱帯夜と定義している。1990年以降,日本では最高気温が35℃以上になる日が急増,1997年から2006年の10年で,東京,名古屋,大阪,福岡の主要4都市で35℃以上となった日が計300日以上にのぼる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「猛暑日」の意味・わかりやすい解説

猛暑日
もうしょび

最高気温が 35℃以上の日。気象庁では 2007年4月から定義し使用を始めた。おもな都市の平年値(1981~2010)は,稚内 0日,札幌 0日,仙台 1日,新潟 3日,東京 3日,名古屋 12日,京都 15日,大阪 12日,福岡 6日,鹿児島 4日,那覇 0日。

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