エジプト死者600人超に、モルシ派は「数百万人デモ」呼びかけ

エジプト衝突の死者578人に、国連安保理は緊急会合開催へ
8月15日、エジプト保健・人口省は、モルシ前大統領支持派の強制排除などに伴う衝突の死者数が578人になったと明らかにした。写真はカイロで撮影(2013年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh)
[カイロ 16日 ロイター] - エジプトのモルシ前大統領の支持母体であるムスリム同胞団は、治安部隊によるデモ強制排除で数百人が死亡したことに抗議するため、16日金曜日正午の礼拝の後に、全国的な「怒りの数百万人デモ行進」を行うよう呼び掛けた。
ムスリム同胞団は16日の声明で、「われわれの殉教者をめぐる痛みや悲しみはあるが、クーデター勢力による今回の犯罪は、彼ら(の統治)を終わらせようとするわれわれの決心を強化した」と表明した。
国営テレビが伝えたところによると、内務省は政権側や行政庁舎に再び攻撃があった場合、治安部隊が実弾で反撃すると警告した。
エジプト保健・人口省は、強制排除などに伴う衝突の死者数が623人になったと明らかにした。この他、数千人の負傷者が出ているとしている。
だが、当局がまだ把握していない遺体は数百に上るとされ、ムスリム同胞団は、死者数は当局の発表をはるかに上回っていると主張している。
エジプト情勢の混乱を受け、国連安保理は緊急会合を開催。国連安保理はエジプトのデモ強制排除を受け、国内のすべての関係者に対し暴力の停止と最大限の自制を求めた。
国連安保理はエジプト情勢を協議。アルゼンチンの国連大使は協議後、記者団に「エジプトの暴力停止と最大限の自制が重要だというのが、安保理の見解だ」と述べた。
オバマ米大統領は15日、エジプト暫定政権によるモルシ前大統領支持派の強制排除を激しく非難するとともに、来月予定されていたエジプト軍との合同軍事演習を中止したと明らかにした。
大統領は休暇先のマサチューセッツ州マーサズビンヤード島で「米国はエジプト暫定政権および治安部隊の行動を激しく非難する」とし、「われわれは市民への暴力を非難し、平和的な抗議活動の権利を含め、人間の尊厳に不可欠な普遍的権利を支持する」と述べた。
一方、エジプト政府は16日声明を発表し、オバマ米大統領の発言について「事実」に基づいていないと反論し、暴力的な集団を勢いづかせると批判。エジプトは現在、「テロリストによる行動」に直面していると主張した。
ムスリム同胞団の支持者ら数百人は15日、カイロにある政府の建物を襲撃、放火した。国内第2の都市、アレクサンドリアでも、前大統領の復権を求めて数百人が行進するなど混乱が広がっている。
*内容を追加して再送します。

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