米フロリダ州がナマコの漁獲量を制限へ、乱獲に警鐘

[マイアミ 16日 ロイター] -米フロリダ州の野生生物保護当局が、同州海域でのナマコの漁獲量に上限を設定した。アジアでの需要の拡大を受け、2013年には同州海域でのナマコ漁獲量は従来の4倍に増えていた。
フロリダ州魚類野生生物保護局(FWC)は16日付の通達で、今年の6月1日以降、1日当たりのナマコ漁獲量は船舶1隻につき最大200匹に制限するとしている。
キーウェスト周辺の海域では、これまでの年間捕獲量は1万6000匹前後だったが、昨年は約6万匹に増えたという。
FWCの広報担当アマンダ・ナリー氏は、ナマコは「生態系の重要な一部」だが、動きが極めて遅い生態のため乱獲につながりやすいと指摘。コスタリカやインド、エクアドルなどの海域でも乱獲で個体数が急減していると警鐘を鳴らした。
フロリダ州南部でナマコ輸出会社を経営するエリック・リー氏によると、中国では、高級品とされる日本産のナマコは1ポンド(約0.45キロ)当たり5000ドル(約51万円)で取引されることもあるという。
ただ、習近平国家主席が進める「倹約令」で豪華な接待や宴会の数が減ったこともあり、最近は高級食材であるナマコの値段も急落。リー氏は、フロリダ産ナマコを中国に輸出するための大掛かりな販促活動を計画しており、1ポンド当たり200ドルで売りたいと話している。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab