フランス語使用者減少で最大50万人の雇用にリスク、リポート分析で

フランス語使用者減少で最大50万人の雇用にリスク、リポート分析で
 8月26日、世界のフランス語使用人口が減少した場合、フランスで失われる雇用は2020年までに12万人、2050年までに50万人に達する可能性があるとみられている。リポートの分析で明らかになった。写真はパリで7月撮影(2014年 ロイター/Philippe Wojazer)
[パリ 26日 ロイター] - 世界のフランス語使用人口が減少した場合、経済機会の減少から、フランスで失われる雇用は2020年までに12万人、2050年までに50万人に達する可能性があるとみられている。フランスのオランド大統領が委託したリポートの分析で明らかになった。
リポートを作成したエコノミストのジャック・アタリ氏は序文で「大規模な対策が取られないかぎり、フランス語人口は減少する可能性がある」と指摘。これは、フランス企業の市場シェア縮小のほか、フランスもしくはフランス語の大学や文化、商品の魅力低下などにつながる可能性があると述べた。
国際語として使用されていたフランス語は過去数十年で英語に座を奪われた格好で、現在の使用人口は2億3000万人となっている。主要言語としての使用人口は1億3000万人。
リポートは、教育や産業の分野で正しい政策を取れば、2050年までにフランス語人口を7億7000万人まで増やせるとしている。一方、対策が講じられなければ2050人までに2億人を下回る可能性があると指摘した。
リポートによると、公用語がフランス語、もしくは人口の20%以上がフランス語を話す「フランコフォン」(フランス語圏)の国は37カ国。このほか、イスラエルのように少数派ながらフランス語を話す人が多い国やナイジェリアなどフランス語圏に隣接する国が41カ国ある。

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