スペインのバレンシア州が中央政府に支援要請、財政不安高まる

[マドリード 20日 ロイター] 多額の債務を抱えるスペインのバレンシア州は20日、中央政府に対し金融支援を要請した。
中央政府は前日、地方政府向けの180億ユーロ(221億ユーロ)の緊急融資枠を決定したばかり。中央政府に支援を要請したのは、同州が初めてとなる。
バレンシア州の支援要請を受け、包括的な国際支援の要請の回避に努めているスペイン政府の舵取りがが複雑化する恐れが出てきた。
バレンシア州政府は声明で、「バレンシア州は、他の自治州と同様、経済危機に起因する流動性不足に苦しんでいる」とした。
同州は債務返済のために上半期中にすでに中央政府の与信枠を利用してきたが、年末までにさらに28億5000万ユーロの債務を返済する必要がある。
モントロ財務相はこの日の定例閣議後、地方政府向けの緊急融資には財政状態の定期的な報告などの義務が課されるとし、「バレンシア州政府には緊急融資を受けるにあたり、新たな条件を満たす必要が出てくる」と述べた。
バレンシア州政府による支援要請を受け、スペイン国債のリスクプレミアムはユーロ導入後の最高水準を更新。スペイン10年債利回りも一時7.317%に上昇し、ユーロ導入以来の高水準をつけた。
ユーロ/ドルは一時1.2143ドルと、2010年6月半ば以来の安値に沈んだ。
スペイン政府はこれまでに数々の緊縮財政措置を発表してきたが、カタルーニャ州、バスク州、アンダルシア州などは中央政府が決定した緊縮措置のすべては実行できないとの立場を示している。
アナリストの間では、スペイン自治州の多くが2012年の財政赤字削減目標を達成できないとの見通しを示している。
*内容を追加して再送します。

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