常陽銀行と足利HDが経営統合で基本合意 地銀3位グループに

[東京 2日 ロイター] - 常陽銀行 と足利銀行を傘下に持つ足利ホールディングス(HD) は2日、2016年10月1日付の経営統合を目指すことで基本合意したと正式発表した。持ち株会社の傘下に常陽銀と足利銀がぶら下がる。資産規模は約15兆円となり、全国で3位の地銀グループが誕生する。
株式交換による統合で、常陽銀1株に対して統合持ち株会社(現足利HD)株1.170株を割り当てる。統合により、バックオフィスなどのコスト削減を図るとともに、IT(情報技術)の活用や海外進出する地元企業への支援などを拡充する。統合持ち株会社は東京に置くことも検討する。
常陽銀の寺門一義頭取と足利HDの松下正直社長は同日夕、東京都内で記者会見した。寺門頭取は「他の地域金融機関にも開かれた金融グループを目指す」と述べ、他の地銀の参画も排除しないとの見解を示した。統合のメリットについて松下社長は「(サービス展開が)広域になればなるほど、サービス力は強まる」として、顧客利便性が高まるとの考えを示した。
常陽は茨城県で、足利は栃木県でそれぞれ最大手の地域金融機関。すでに統合を決めている横浜銀行 と東日本銀行 のコンコルディア・フィナンシャルグループ、ふくおかフィナンシャルグルー に次ぐ規模となる。
足利HDには、野村ホールディングス 傘下の自己投資部門、野村フィナンシャル・パートナーズが36.8%、オリックス が12.0%が出資しているが、両社のスタンスについて「統合には賛同を頂いているが、(売却するかどうかは)我々から答えられない」(松下社長)とした。

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