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“文化界ブラックリスト”9473人名簿確保…朴槿恵政府、韓仏交流行事で大々的工作

登録:2018-04-10 23:53 修正:2018-04-11 07:49
-ブラックリスト真相結果発表- 
大統領府の指示で国家情報院・文化体育観光部を総動員 
60ページに及ぶ時局宣言者名簿作成 
実務者は名簿と照らし合わせ支援排除を実行 
 
イ・ウンノの名前削除し、チュ・ジェファン招請は取消 
チェ・スンシルの韓国料理体験展は拙速に予算決定 
「文書管理事務官が配布・実行を供述」
「文化芸術界ブラックリスト真相調査および制度改善委員会」(以下、調査委)が10日、ソウル光化門の調査委会議室で記者会見を行い、朴槿恵政府の時に起きた韓国-フランス国交正常化行事ブラックリスト事件について明らかにしている/聯合ニュース

 朴槿恵(パク・クネ)政府が2015~16年に歴代最大規模の国際交流事業として進めた「韓国-フランス相互交流の年」行事当時、国家情報院と文化体育観光部などの部署や機関を総動員し、大々的なブラックリスト工作を行った事実が明らかになった。特に2016年10月「文化芸術界ブラックリスト」の実体としてマスコミに1頁だけ公開された9473人の時局宣言文化人名簿目録が、韓国-フランス行事に関与した進歩指向の芸術家をあぶり出すブラックリスト指針として実際に活用された事例も相次いで確認された。

 「文化芸術界ブラックリスト真相調査および制度改善委員会」(以下、調査委)は10日、記者会見を行い、朴槿恵政府の「韓国-フランス国交正常化130周年相互交流の年」事業当時に文化体育観光部が作成していた9473人の時局宣言者名簿文書を根拠に、政府に批判的な文化人を多数排除する作業がなされた事実が明らかになったと発表した。

 調査委は、大統領府が「韓仏相互交流の年」事業全般に左派指向の人々をあぶり出さなければならないとして、ブラックリストの実行を指示し、国家情報院関与の下に文化体育観光部芸術政策課などの各部署と行事実務を準備した海外文化広報院(以下、広報院)、駐フランス韓国大使館などが排除対象、事後措置などについて事前に謀議した物証と情況を確保したと明らかにした。

 調査委は、主な根拠として調査過程で入手した9473人の時局宣言者名簿が載った60ページの文書全体を公開した。文書は広報院職員から入手したもので、セウォル号時局宣言、文在寅(ムン・ジェイン)候補支持宣言、パク・ウォンスン候補支持宣言など4個の範疇に分けて9473人の芸術家の名簿が記されている。イ・ウォンジェ報道官は「文書は2015年4月、大統領府の指示により文化体育観光部がインターネットで確認しながら、整理報告用に作成し、その年の5月に出力した実物」として「韓仏交流事業で名簿に上がった芸術家の参加を排除するための指針として使ったという内部供述を確保した」と説明した。

 調査委によれば、韓仏行事の準備に従事した広報院実務者は、文化体育観光部の事務官から時局宣言名簿を受け取り出力した後、一つひとつ照らし合わせながら支援排除の可否を検証した。その結果、フランスのセルヌスキ美術館の展示に参加したイ・ウンノ美術館は、大統領府の指示で展示名称からイ・ウンノの名前が削除され、館長の出張費支援が撤回された。写真家のノ・スンテク氏は、出品しようとしていた『非常国家』の連作が大統領府の指示で事実上検閲され、政治性の低い作品に交替させられた。国立舞踊団の『すでに・まだ』(already but not yet)公演に参加が確定していた作家のチュ・ジェファン氏も、国家情報院の排除指示で招請が取り消された。一方、2016年に朴前大統領がフランス訪問中に訪れた韓国料理体験展の「K-CON 2016フランス」は、行事に関与した側近のチェ・スンシル氏に特典を与えようと、不良審査で政府がわずか3日で予算を配分していた事実を確認したと調査委は付け加えた。

 イ・ウォンジェ報道官は「文化体育観光部でブラックリスト文書を管理した事務官が、膨大な時局宣言名簿を各部署に必要のつどに配り、この名簿が実際にブラックリストとして使われたという供述もした」として「韓国文化芸術委と芸術経営支援センターのブラックリスト作業にも活用されたかを継続追跡中」と話した。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/840000.html韓国語原文入力:2018-04-10 19:16
訳J.S

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