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“朴槿恵令嬢”を批判した元教師に35年ぶりの無罪

登録:2014-10-04 07:33 修正:2014-10-04 07:42
今年8月15日の光復節慶祝式’で祝辞を述べる朴槿恵大統領。大統領府写真記者団

教壇で「他人が書いた祝辞を読んた」などと発言
反共法違反罪で執行猶予判決
再審裁判所で「統治秩序を脅かさなかった」

 朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領と令嬢だった朴槿恵(パク・クネ)大統領を卑下したという理由などから反共法違反罪で懲役刑を宣告された元教師が再審で無罪を宣告された。ソウル高裁刑事2部(裁判長キム・ヨンビン)は、35年前に反共法違反などの容疑で起訴され懲役1年執行猶予2年を宣告されたキム氏(70)に無罪を宣告したと3日明らかにした。

 1979年に京畿道にある女子高校の教師だったキム氏は、授業中に「大統領令嬢の朴槿恵さんが政治や社会活動をするのは望ましくない」、「いろんな慶祝式場で朴槿恵さんが読む祝辞は別人が書いたものを読んでいる」、「朴槿恵さんが『新しい心の道』という本を書いたとされているが、高等学校を出た実力ではあんな本を書けない」などの発言をした。

 また、1974年に起きた大統領夫人の陸英修(ユク・ヨンス)女史狙撃事件当時、朴元大統領が演壇の下に隠れる姿勢で銃弾を避ける姿を滑稽に表現し、「その一方で(犯人の)文世光(ムン・セグァン)は勇敢だった」と話した。「北朝鮮は韓国より通信施設が発達している」、「北朝鮮住民はいい暮らしをしている」と話した容疑も受けた。

 当時の検察は「事実を歪曲して伝播し、北朝鮮の指令を受けて潜入した文世光の活動を称賛して北朝鮮を助けた」として反共法と緊急措置9号違反などの容疑でキム氏を起訴した。同じ年の9月、1審裁判所は容疑をすべて有罪と認定し、懲役3年と資格停止3年を宣告した。朴正煕大統領暗殺事件直後の1979年12月の控訴審は、緊急措置9号の解除を理由に緊急措置9号違反容疑は免訴判決を、反共法違反容疑に対しては懲役1年執行猶予2年と資格停止1年を宣告した。判決は最高裁で確定した。

 今回の再審裁判所は「キム氏の発言は大統領を戯画化し、北朝鮮の実状を友好的側面で誇張したに過ぎない」として反共法違反容疑も無罪と判断した。裁判所は「こうした発言だけで北朝鮮体制の正統性と優越性を強調したと見るには不足で、大韓民国の統治秩序を維持させにくくしたとは言えない」と説明した。

キム・ウォンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.10.03 21:14

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/658172.html   訳Y.B(936字)

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