生まれ変わる「Y!mobile」の新戦略--レイトマジョリティ層をターゲットに

 イー・アクセスとウィルコムが合併して誕生したワイモバイルは7月17日、8月1日に開始する新ブランド「Y!mobile」の新商品とサービスの発表会を開催。代表取締役社長兼CEOのエリック・ガン氏から、価格とサービスに重点を置いた同社の戦略について説明がなされた。

  • 発表会に登壇したワイモバイルのガン氏

 ガン氏は冒頭、日本のスマートフォン保有率が53.3%程度であり、シンガポールや韓国などと比べ大幅に低いと説明。その上で「今スマートフォンを持っていない人にスマートフォンを持たせ、インターネットの魅力を伝えたい」と話し、ワイモバイルではスマートフォンをまだ所有していない、レイトマジョリティ層をターゲットとすることを表明した。

 またガン氏は、「Y!mobile」のブランドが持つ意味についても言及。Beauty、Happy、など語尾に“Y”が付く言葉を上げ、「Yを含む言葉が持つ力で、ユーザーに魔法をかけたい」と話した。

 その上で、ガン氏はY!mobileの具体的な戦略について説明。ワイモバイルは現在、PHSを中心としたウィルコムの顧客と、Wi-Fiルータを中心としたイー・モバイルの顧客、合わせて1000万の顧客基盤を持つ。だがY!mobileではスマートフォンに積極的にチャレンジし、従来より大きな3つ目のドメイン構築にチャレンジしていくとのことだ。

 新製品もそうした方針を踏襲しており、MIL規格準拠の防水・防塵・耐衝撃性能を備える京セラ製の「DIGNO T 302KC」や、軽量・コンパクトなファーウェイ製の「STREAM S 302HW」と、スマートフォン2機種を「フルコースのメインディッシュ」(ガン氏)と説明するなど、発表の中心に据えている。しかしながら従来の顧客も継続して重視していく方針のようで、コンパクトな「STOLA 301KC」などPHS4機種と、タブレットなどでテレビが視聴できる「PocketWi-Fi 303HW」も同時に発表している。

  • 日本のスマートフォン普及率は約5割と低いことから、Y!mobileはレイトマジョリティ層のスマートフォンへの取り込みを重視

  • 従来主流のPHSとWi-Fiルーターに加え、スマートフォンを新しい事業領域として力を入れる

  • スマートフォン新機種も「STREAM S 302HW」と「DIGNO T 302KC」の2つを発表

 さらにガン氏は「もう1つのメインディッシュ」として、スマートフォンの新料金プランにも触れた。日本でスマートフォンの普及が遅れている原因は、主要3キャリアの料金が分かりにくい上、通話定額になるとはいえ基本料を必ず2700円支払う必要がある、パケット定額サービスに1Gバイト程度の小容量のものが用意されていないなど、ハードルが高い点にあると説明。その上で「我々の解決策は『Easy』。料金を簡単にしたい」と話し、S・M・Lという3段階のドリンクサイズなどになぞらえた、3つの料金プランを用意したとしている。

 実際、新料金プランの「スマホプラン」は、定額通信容量に応じて1、3、7Gバイトの3段階に分かれており、最も安い「スマホプランS」では基本料、インターネット接続料、1Gバイト分のパケット通信料が全てセットで月額2980円という価格を実現している。いずれの料金プランも従来の「だれとでも定額」と同様の仕組みで、1回10分以内の通話が300回定額で可能。だが時間を問わずに通話定額をしたい人のため、月額1000円を追加で支払うことで国内通話がほぼ定額になるオプション「スーパーだれとでも定額」も用意されている。

 この料金プランについて、ガン氏は「ウェブ接続料などの古い概念をなくし、基本料やパケット通信料もセットにし、分かりやすい価格にしている。ワイモバイルは(ソフトバンクの)グループ会社と言われるが、料金は同じグループではない」と評価。その独自性と優位性を訴えていた。

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