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任天堂、岩田聡氏が基調講演でRevolutionのコントローラを初公開!
片手で遊べる、さわる感覚の斬新なコントローラ

9月16日 発表

会場:幕張メッセ 国際会議場

ポインティングデバイスを拡張端子で接続した“ヌンチャク型”のコントローラを披露した岩田聡代表取締役社長
会場には宮本茂氏も姿を見せていた。6月の経営方針説明会で「コントローラにはお金をかけている」と語っていたが、その通りのワクワクさせてくれるデバイスに仕上がっている
 任天堂株式会社は、16日に開幕した東京ゲームショウ2005の岩田聡代表取締役社長の基調講演で、次世代家庭用ゲーム機「Revolution」のコントローラーを初めて公開した。E3でRevolutionが公開されたが本体のみで、コントローラーは公開されていなかった。6月に開催された経営方針説明会においても「2005年中に発表する」という発言にとどまり、注目を集めていた。

 基調講演では、岩田氏は2003年の基調講演を振り返るところからスタート。ゲーム市場が縮小する中で任天堂が行なってきた施策をデータを交えながら紹介し、一定の効果があらわれていると分析。ニンテンドーDS、そして対応ソフトとしてこの春から発売されている「nintendogs」、「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」、「やわらかあたま塾」の例を挙げ、ハードを牽引しているソフトと紹介。年齢や性別を超えて売れ続けているとクラブニンテンドーのデータを披露。基本的には経営方針説明会で説明されたことと同じだが、任天堂の方針に沿ってのゲーム業界への働きかけが功を奏していることを示している。

 講演の半ばで岩田氏は、「前置きが長くなりましたが」と話し始め、「任天堂のミッションは据え置き型でも(ニンテンドーDSと)同じ。操作系が高度になることに危機感を憶えている。両手でもって左右の指を別々に動かすことで操作が高度になり、食わず嫌いになっている。自分でもできそうだと思わせるところが重要。DSのアプローチと同じだが、TVを2画面にしてタッチペンで操作するわけにはいかない。そういったところから、『Revolution』のコントローラは、両手で持つと言うところから検討に入った」と説明。ここでビデオ上映となった。

 公開されたコントローラーはテレビのリモコンのような形状で片手で持つ事ができる。しかし、コントローラーの位置情報を認識するダイレクトポインティングデバイスを搭載しており、テレビのどこを指し示しているのか、テレビとの位置のねじれ、距離を測定する。ビデオでは新コントローラーでどのようなことが可能になるのかを示したもので、全く新しいプレイスタイルとなる。

 たとえば、コントローラーを釣り竿に見立てつりをするシーンや、コントローラーをドラムのスティックにして音楽を演奏、指揮棒にしてオーケストラをコントロール、フライパンの持ち手を持つようにコントローラーを持って炒め物をつくるゲーム、歯医者になって治療、懐中電灯のように前につきだして探索するシーン、コントローラーを剣として振りかざすシーンなどなど……ニンテンドーDSでも示されたように、まさに“ゲームをさわる感覚”を大切にしたデバイスに仕上がっている。

 このほかにもアイディアの一例として、アクションゲーム(マリオのゲームプレイ音だけが流れている)でジャンプするシーンでは、“ジャンプボタン”を押すのではなく、コントローラーを上に向けるのである。ゲームの操作系はこの20年間、全く変わらずに来たが、ここで全く新しいものになることを予感させる。岩田氏も、「これでマリオやゼルダのアクションがどのように変わるかが非常に楽しみでワクワクする」とコメントしている。

 Revolutionのコントローラーにはおしりのところに拡張コネクターが用意されており、いろいろと新しい要素が追加できる仕組みになっている。今回示されたアイディアは2つアあり、ひとつはポインティングデバイスのようなものをつけてFPSゲームを操作すること。ポインティングデバイスで移動を行ない、Revolutionコントローラーでどこを向くか直感的に操作する。頭の向きを直感的に操作できるという点で大きい。岩田氏は「このコントローラーをFPSの操作体系の新しいスタンダードにしたい」と意気込みを語った。

 この拡張コネクターを使う例としてもう一つ示されたのが、クラシックコントローラの存在。すでに発表されているとおり、ファミコンソフトなどのソフトがプレイできる、バーチャルコンソール機能が搭載される。このような旧来のゲームをプレイする場合はどうするのか? とするとき、この拡張コネクターにクラシックコントローラを接続し、プレイするのだという。

 岩田氏は開発者に向かってもラブコールを行なった。「次世代機用ソフトは開発コストが上がって開発することができないと、小さいソフトハウスの方たちは疎外感を感じていると聞いています。このコントローラーとマシンでアイディア勝負でいける」と語りかけ、一例として「『脳を鍛える大人のDSトレーニング』も、開発の最盛期でチームは10人を切っていました。開発期間も、本開発にかけた時間は4カ月です」とあげてこれまでにない方面からゲーム業界への参入を促したい意向を示した。その一方で、アイディア勝負なソフトだけでもダメで、これまでのゲームファンを対象としたようなスタンダードなゲームも重要で、その両方が存在しなければゲーム市場の拡大はあり得ない。ダイナミックレンジの広いソフトが求められる」とアピール。

 基調講演の会場はかなり広いのだが、壁際までぎっしり立ち見で埋まった。会場内にはセガの中氏や、株式会社ポケモンの田中氏など業界関係者も数多く見られた。これはRevolutionの新しい方向性はコントローラーにありと言う点で、注目を集めていると言えよう。そして、このコントローラーがこれまでのゲームとは全く違った市場を生む予感を感じさせ、基調講演終了後、会場は大きな拍手に包まれたことは言うまでもない。

ついに公開された「Revolution」のコントローラ。これまでの両手で持つという概念は全く跡形もなく消えている。きちんと拡張コネクターも用意されており、これまでのコントローラ用としてクラシックバージョンも発売される カラーリングが複数存在することをにおわせるバリエーション ダイレクトポインティングデバイスで、どこを指し示しているか認識。たださしている場所だけでなく、ねじれや距離感も認識するという
コントローラと言うより、テレビのリモコンと言った感覚だ 拡張コネクターにポインティングデバイスをつなぎ、ヌンチャク型にすることも可能。これでFPSをプレイできるという
拡張コネクターはおしりにある。裏にボタンがあることが確認できるが、このほかにもあちこちにボタンが隠されているようだ コントローラーを4台接続できる。インジケーターで自分がどのコントローラーか視認できる こちらは拡張コネクターに接続したポインティングデバイスの方のボタン
これまでのアクションの操作体系ががらりと変わる予感。ビデオでは寝そべった女性がマリオらしきゲームをプレイ。ジャンプはボタンを押すのではなくコントローラーを上に向けるだけ! コントローラー紹介ビデオから。子供とおじいちゃんが仲良くつりをしている。あたりがあればコントローラーを釣り竿に見立てて引けばよい フライパンを持っているかのごとくコントローラを使う新しいゲームも考えられる。距離を認識するのも新しいところ
2つのコントローラーを持ってドラムのスティックをたたくような動作もOK。音楽ゲームのスタイルも変わるのか? 虫歯治療をイメージしている。会場からは笑い声が漏れた 懐中電灯に見立てて探索することもできる
スクウェア・エニックスの河津氏、コナミの小島氏、そして堀井氏の3名のクリエイタがコントローラーについて感想を述べているビデオが公開されている。3名とも驚きを隠せないようだった
なぜコントローラーをがらりと変えたかの理由を示すスライド。ニンテンドーDSで新しい市場を開拓するためにデバイスを変えたのと基本的な理由は同じ。しかし片手で持つと言うところからスタートし、これまでとは違う遊びを提示しようという任天堂の意気込みが感じられる
今回、市場拡大を狙う任天堂のニンテンドーDSをはじめとした取り組みを現わすデータがスライドで示された。初週でほとんどを販売していると言われるゲーム市場において、ニンテンドーDSのソフトがいかに売れ続けているかをデータは示している


□コンピュータエンターテインメント協会のホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ2005」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□関連情報
【2003年9月27日】岩田聡任天堂代表取締役社長、基調講演
「ポケットモンスター」に無線ユニット同梱、中国展開について語る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030927/tgs03.htm

(2005年9月16日)

[Reported by 船津稔]



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